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※懐柔2※

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 用意されてあったのは、サンドイッチとステーキ、それからスープとフルーツとジュースだった。
 食欲なんて湧くわけもなく、スープとジュースを何口か飲んだだけで、私は終わりにした。
「もう良いの?」
「……はい」
「そっかぁ……、治癒で体力は随分回復させたはずだったけど、やっぱり昨日は無理をさせすぎちゃったかな?」
 まるで申し訳なさなんてない、軽い口調で王子はいった。
「やっぱり痛いところとかある?」
「……それは」
 正直、痛いところというのはなかった。けれど、痛いといえば今日くらいはそっとしておいて貰えるかなと、私は嘘をつくことにした。
「ちょっとだけ……」
 言えば王子は「えっ」と。慌てるように立ち上がった。
「なら、早く横になってなきゃ!」
 立てる? と私の隣に立ち、差し出された手を私は取った。
 そのまま腰を抱かれてベッドに連れられる。そっと柔い布団の上へ寝かせられた。
「一応、君が寝ている間にシーツは変えといたから」
「……ありがとうございます」
 なんで御礼なんか言ってるんだろうと分からなくなる。けれどとにかく王子の気を、乱さないようにするのが最善のように思えたのだ。
「じゃあ、痛いところがあったら言ってね?」
「……? はい」
 寝てて苦しくなったらってこと……?
 よく分からずに返事をした。
「やっぱり初めてのところかなぁ……」
「えっ……、え⁉︎」
 立ち去ると予想した王子は、あろうことかスカートの裾から手を忍び込ませてきた。
「な、なにを……?」
「触診。治癒漬けにしといたはずだけど、昨日は僕も浮かれてたし、甘いところがあったかなって」
「は……?」
 戸惑う中でも王子は構わず、私の足を丁寧に触れていった。余すところなく触れるよう、昨日とは違った触れ方だ。手のひらを滑らすように、上へ下へと確かめていった。
「あっ、あの……」
「ん――?」
 王子は相当真剣に私の脚に触れていた。ソワソワとこそばゆさを感じてしまう。
「ご、ごめんなさい、嘘……、嘘ですっ」
「え」ふっと王子が私を見た。「嘘?」
「はい、ただちょっと頭が痛いだけで……」
「それは嘘じゃないよね。それに、頭痛っていうのは色んな不調と繋がってるから、やっぱりちゃんと診ておいた方がいい」
「違っ……ん」
 脚を確認し終えた王子は下着に手をかける。焦らすでもなく、今日は潔く膝まで下げ、早くも湿り出した秘孔へ指を沈めていく。
「どう? 痛いところある? 変な感じがするとか……」
 くちゅくちゅと指が動くたびに音が鳴る。王子は昨日のように、お腹の裏側をクイッと引っ掻いた。
「やっ」
 散々教え込まれた快感は、一瞬のうちに私の身体に熱を灯していく。
 これが本当に診察なのかと王子を見上げれば、案の定、愉しげに口角を上げていた。
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