俺ガイル続 5話・8話

そまん

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俺ガイル 完 11話

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由比ヶ浜 ︎︎ ♀
八幡 ♂
雪ノ下雪乃 ︎︎ ♀








八幡帰宅しようと靴箱の前へ。
そこでは、由比ヶ浜が八幡を待っていた。



八幡「...!!」

結衣「あ、ヒッキー!」

八幡「おう、どした。」

結衣「待ってたの。」


場面は変わり、公園のベンチに2人並んで座っている。


結衣「こうやって過ごすの、結構いいかも」

八幡「たまにならな。」

結衣「部活ないと結構暇だよね、なんか前はそんなこと全然思わなかったのに」

八幡「すぐに受験でそんなことも言ってられなくなる。」

結衣「そうかも。」

結衣「ねぇ、ヒッキー。これで本当にいいと思う?」

八幡「いいもなにも――――」

結衣「――――ちゃんと考えて答えて。」

結衣「もし、本当にいいなら、本当に終わりなら、私のお願いちゃんと言うから。本当に大事なお願い。」

八幡「部活が終わること自体は仕方ないと思ってる。いずれは終わるものだからな。部活が無くなることは避けられない。雪ノ下に続ける意思がないこともわかってる。終わる理由は全部納得いってる。...俺は終わらせてもいいと思ってる。」

結衣「は...」



結衣「そっか.........じゃあさ――――――」

八幡「――――でも!一つだけ納得できないことがある。あいつが何かを諦めた代償行為として、妥協の上で誤魔化しながら選んだんだとしたら、俺はそれを認められない。俺が言わせていたのならその責任を...!?」

八幡「(自分にビンタ)」

結衣「え!?び、びっくりした!!」

八幡「悪い、今のなし。なんかカッコつけてた。」

結衣「(笑う)なにそれ。」

八幡「めっちゃ気持ち悪いこと言うけど、単純にあれだ。俺はあいつと関わりが無くなるのが嫌で、
それが納得いってねぇんだ。」





結衣「...かかわり無くならないんじゃないかな。」

八幡「まぁ、普通はな。たまになんかで顔合わせて世間話の一つもして、連絡とって集まりもしてればそれなりに付き合いは続く。でも俺はそうじゃない。このまま関わることを諦めたら、たぶんそのまま。それちょっと納得いかなくてな。」

結衣「...それ、言わなきゃ絶対わかんないよ。」

八幡「言っても伝わんねーだろ。こんなの。筋も通ってないし、理由にもなってない。意味不明な理屈―――」

結衣「―――伝わらなくても!ていうか、ヒッキー伝える努力してないだけじゃん!」

八幡「う!?耳が痛い話だ...」

結衣「話すだけじゃ伝わらないってそうだなって思う。けど、その分私が分かろうとするからいいの。ゆきのんもたぶんそうだよ。私のお願いはね、もうずっと前から決まってるの。全部欲しい。だからこんな、なんでもない放課後にゆきのんがいて欲しい。ヒッキーとゆきのんがいるところに私もいたいって思う。」

結衣「だから絶対言って。」

八幡「大丈夫だ。ちゃんと伝える。」

結衣「ほんとにー?」

八幡「あぁ、まぁ、それなりに準備がいるし、難易度も高いが、なんとかやってみる。」

結衣「一言言えばいいだけなのに。」

八幡「一言程度で伝わるかよ。」

結衣「え、」

八幡「面倒かけて悪いな。」

結衣「へ、?」

八幡「いつかもっとうまくやれるようになる。言葉や理屈をこねくり回さなくても、ちゃんと伝えられて、ちゃんと受け止められるように、多分そのうちなると思う。けど、お前はそれを待たなくていい。」

結衣「(涙を堪える)え、あ、、、う、、、」

結衣「...なにそれ、待たないよ。」

八幡「だな。なんか気持ち悪いこと言ったわ。」

結衣「ほんと、それ!」

結衣・八幡「(微笑む)」

結衣「さてっと、行こっか。」


場面はかわり由比ヶ浜のマンション前


結衣「荷物ありがと。」

八幡「おう、」

結衣「また学校で」

八幡「おう、またな。」





結衣M「涙は流れなかった。もう沢山泣いたから。」

結衣「ただいま~、おお、サーブレ~、」

結衣の瞳から涙が溢れ出す。

結衣「あ、あぁ...え、、、」

結衣M「やっぱり言葉はでない。言葉なんて、でない。好きだなんて、たった一言じゃ言えない。それ以前の話でそれ以上の問題で、それどころじゃない感情だ。
私は、私たちは、初めて本当に恋をした。」



場面は変わり、プロモの件は八幡の思惑通りになり、雪ノ下雪乃と帰宅途中、歩道橋の前に差し掛かる。


八幡「悪いな、巻き込んで。」

雪乃「仕方ないでしょ、あの状況で断れるわけないじゃない。あなた本当になんなの、全く意味がわからない。...自分の家族が言いくるめられる姿をみて、恐怖すら感じたわ。」

八幡「別に言いくるめてない。俺はむしろ、向こうが折れてくれたことに恐怖を感じたよ」

雪乃「確かに。母も姉もあの程度で引くタイプじゃないわね。」

八幡「(苦笑い)」

雪乃「母さんのあの目、姉さんに向けられるのと同じだった。」

八幡「認めらたってことか?」

雪乃「見放されたのかも。なんであんな無茶なこと言い出したの?」

八幡「あれしか、お前と関わる方法がなかった。」

雪乃「は?」

八幡「部活が無くなるともう接点がないからな。引っ張り出す口実が他に思いつかなかった。」

雪乃「なんでそんなこと...約束はどうなったの?お願い、叶えてって言ったのに。」

八幡「その一環といえなくも無い。なんでもない放課後にお前がいて欲しいって、そう言われてな。」

雪乃「それなら、別にわざわざこんなことしなくても」

八幡「無理だ。」

八幡「顔見知りとか知り合いとか友達とか同級生とか呼び方は色々あるだろうけど、そういう関係を上手く保てる自信が無い。」

雪乃「あなたはそうかもしれないけど、私はちゃんとやる。もっとうまくやれるようになるわ。」


雪乃走っていこうとする。それを八幡は追いかける。


八幡「あ、言っちゃなんだが、俺もおまえもそこそこコミュ力低い上に、拗らせすぎてる。ついでに言うと人付き合いがド下手くそだ。今更器用になんてできる気がしてねぇ、距離を置いたらそのままどころか、もっと離れてく自信があるぞ!」

八幡「あ...」


雪乃の腕を掴みにいく八幡


八幡「だから!!!」

雪乃「...!?」

八幡「手放したら、二度と掴めねぇんだよ。」

八幡「こーゆーの言うのすげぇ恥ずかしくて、今すぐ死にたい気分なんだけど、責任取るなんて言葉じゃ全然足りてなかった。義務感とかじゃないんだ。責任、取りたいっていうか、取らせてくれというか。」


お互いに照れて顔を逸らす


八幡「...お前は望んでないかもしれないけど、俺は関わり続けたいと思ってる。義務じゃなくて意志の問題だ。
だから...」

八幡「お前の人生歪める権利を、俺にくれ。」

雪乃「...」

雪乃「歪めるってなに?どういう意味で言っているの?」

八幡「人生変えたりするほどの影響力は俺には無いからな。たぶん、俺もお前も普通に進学して、嫌々でも就職して、それなりに全うに生きると思う。けど、関わり合うと、なんか遠回りしたり足踏みしたり、色々するだろ。だから、人生がちょっと歪む。」

雪乃「(微笑む)そういうことならもう随分歪んだわ。」

八幡「俺もそう思う。出会って、話して、知って、離れて、その度に歪んだ気がする。」

雪乃「あなたが歪んでいるのは元からでしょ。私もだけどれど。」

八幡「これからはもっと歪む。けど、人の人生歪める以上、対価はちゃんと払うつもりだ。まぁ、財産はほぼ0だから、渡せるものは時間とか感情とか、将来とか人生とか、そういう曖昧なものしかないんだけど。大した人生送ってねぇし、先々もあんま見込みはないが、でも、人の人生に関わる以上こっちも掛けなきゃフェアじゃねぇからな。」

八幡「諸々全部やるから、お前の人生に関わらせてくれ。」

雪乃「そんなの、釣り合いが取れていない。私と将来や進路にそこまでの価値、ない。貴方にはもっと――」

八幡「――なら安心だな。俺の人生も今んとこあんまり価値が付いてなくてな、不人気銘柄でこれ以上価値が下がりようないからほんとんど底値だ。ある意味、逆に元本保証まである。今がいちばんお買い得だぞ。」

雪乃「詐欺の常套句じゃない。最低のプレゼンよ。」

雪乃「なんでそうなどうでもいいバカみたいな言葉はペラペラ出てくるの。もっと他に言うことあるでしょ。」

八幡「いえねぇだろ。こんなの。言葉になってたまるかよ。」

雪乃「私、多分とても面倒な人間だと思うわ。」

八幡「知ってる。」

雪乃「とにかくずっと迷惑を掛けてばかり」

八幡「今更だろ。」

雪乃「頑固で可愛げもない。」

八幡「まぁ、そうだな。...ん?」

雪乃「そこは否定して欲しかったけれど...」

八幡「無茶言うなよ。」

雪乃「あなたに頼り切りで、どんどんダメになる気がする。」

八幡「俺がもっとダメになればいいだけだな。みんなダメになればダメなやつはいなくなる。」

雪乃「それから!」

八幡「いいよ。」

八幡「どんなに面倒くさくてもいい。やっかいでもいい。逆にそこがいいまである。」

雪乃「なにそれ!全然嬉しくない!」

八幡「あ、いたー...」

雪乃「...他にあるでしょ...」


雪乃の手を握る八幡


雪乃「...!?」

八幡「人生歪める対価には足りないだろうけど、まぁ、全部やる。要らなかったら捨ててくれ。面倒だったら忘れていい。こっちで勝手にやるから、返事も別にしなくていい。」

雪乃「私は、ちゃんと言うわ。」


八幡の胸の中へ


雪乃「あなたの人生を私にください。」

八幡「重んも。」

雪乃「他の言い方を知らないのだから仕方ないじゃない!」



――想いは、触れた熱だけが確かに伝えている。――

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