15 / 34
物質の解放
3
しおりを挟む
そんな人騒動があった日もその次の日…つまり文化祭の最後の日も、龍央は現れることは無かった。
しかもその理由が…"家の用事"な挙句、教師達も全く疑問に思わないのかその欠席が受理されていた。
うちらの時は風邪でも受理されないってのに。
私らはもち意味不立ったから担任に直談判しに行った。
バンッ
「あんたさ、うちらのこと舐め腐ってんの?」
「なんだ、いきなり。」
担任はうちらのおこの声なんて気にも留めないらしく、書類を整理している。
そんな様子にもち机を叩いた張本人みゆきはブチ切れてプルプル震えている。
下手すると掴みかかるからな…みゆきは血が多いから。←"血の気が多い"ね。
「先生。」
私は大事にならないうちにと声を上げた。
「ん?」
担任はまだ書類を整理しながらこちらを見てはいない。
「私、龍央に預けてるものがあるんです。」
「預けてるもの?」
私の言葉に興味が出たのか、やっと担任は手を止めた。
ってまだこっち向かないんかい!!!!!
「…親からもらった大事なものです。」
私はどうにかあのアクセ達を返してもらいたかったからちょっと嘘ついた。
「…それは帰してもらわないと良くないな。」
すると担任は意外と単純らしくて簡単に私の言葉を信じた。
私は固い顔のまま頷いた。
その時、背後の扉が開いた。
誰かほかの人が来たのかと、私だけふと振り返った。
ッ…。
「…龍央…。」
「は?」
「ッあ゛!?」
私の言葉に、みゆきとさとはぐるんと首を龍央の方に向けた。
すると、龍央は軽く微笑んで私の目を見た。
そのメガネ越しの目は…やっぱり見覚えがあったけど、その目があまりに落ち着いてしまって私は1歩龍央に近づいた。
「莢菜さん。返すの遅れてごめんなさい。」
「ほんとにね。いい迷惑だったし。」
私が強い口調で威嚇すると、龍央は眉を下げてから私のアクセを入れた箱をそのまま渡した。
そんなさみしそうな顔してる割には呆気なく渡して、そうやって背を向ける。
「ねぇ。」
私の声に、龍央は元の顔で振り返った。
「なんで文化祭来なかったの?うちらが真面目にやらないかもしれなかったじゃん。」
私がそう問うと、龍央はクスッと笑った。
「莢菜さんならやってくれるって分かってたからかな。」
「は?」
「また明日、学校でね。」
そう言って龍央は職員室の扉をしめた。
…何であいつ…急に敬語なくなった…?
「何あれ。」
「さぁ。」
それから私らは放課後の静まり返ったクラスに3人で座った。
私は返ってきたアクセの入った箱を開けた。
すると何一つ傷がついていないアクセたちにホッとした。
…ん?何これ。
私が一つ一つのアクセを取り出すと一番下に紙が四つ折りになって入っていた。
思い切って取り出すと、両隣に座ったふたりも顔を覗かせた。
「何これ。」
「手紙か何か?」
「…さぁ。」
紙を開くと、そこにはこう綴られていた。
……………………………………………
中村莢菜さん
遠回しに伝えてもあなたに届かないかもしれないので単刀直入に。
あなたに惚れてます。
お付き合いをして頂けますか?
……………………………………………
え…。
「ッ…これ…。」
ラブレターぁあ!?!?
私が固まっていると、横でみゆきが声を上げた。
「…あいつ…。」
「ちょ、みゆき!?」
そして血相を変えて、クラスを飛び出していった。私は追いかけようにも驚きすぎて腰を抜かしていた。
「ラブレターだね。」
そしてこの紙を確信に変える一言をさとはあっけらかんと口にする。
「…どうしよ…。」
私がさとを見ると、さとはニンマリと笑った。
やだこの子、絶対面白がってるッ。
「さやが決めることだよ。」
「…え?」
「それはさやが決めること。フォローならうちもみゆきも喜んでする。」
「…さと…。」
さとがすごく心強いこと言った。
私が感心したのもつかの間、さとはバッグからお菓子を取り出した。
「とりま食べる?」
「」
すごく甘そうなお菓子に、胸がつかえそうな私は首を横に振って手で制した。
しかもその理由が…"家の用事"な挙句、教師達も全く疑問に思わないのかその欠席が受理されていた。
うちらの時は風邪でも受理されないってのに。
私らはもち意味不立ったから担任に直談判しに行った。
バンッ
「あんたさ、うちらのこと舐め腐ってんの?」
「なんだ、いきなり。」
担任はうちらのおこの声なんて気にも留めないらしく、書類を整理している。
そんな様子にもち机を叩いた張本人みゆきはブチ切れてプルプル震えている。
下手すると掴みかかるからな…みゆきは血が多いから。←"血の気が多い"ね。
「先生。」
私は大事にならないうちにと声を上げた。
「ん?」
担任はまだ書類を整理しながらこちらを見てはいない。
「私、龍央に預けてるものがあるんです。」
「預けてるもの?」
私の言葉に興味が出たのか、やっと担任は手を止めた。
ってまだこっち向かないんかい!!!!!
「…親からもらった大事なものです。」
私はどうにかあのアクセ達を返してもらいたかったからちょっと嘘ついた。
「…それは帰してもらわないと良くないな。」
すると担任は意外と単純らしくて簡単に私の言葉を信じた。
私は固い顔のまま頷いた。
その時、背後の扉が開いた。
誰かほかの人が来たのかと、私だけふと振り返った。
ッ…。
「…龍央…。」
「は?」
「ッあ゛!?」
私の言葉に、みゆきとさとはぐるんと首を龍央の方に向けた。
すると、龍央は軽く微笑んで私の目を見た。
そのメガネ越しの目は…やっぱり見覚えがあったけど、その目があまりに落ち着いてしまって私は1歩龍央に近づいた。
「莢菜さん。返すの遅れてごめんなさい。」
「ほんとにね。いい迷惑だったし。」
私が強い口調で威嚇すると、龍央は眉を下げてから私のアクセを入れた箱をそのまま渡した。
そんなさみしそうな顔してる割には呆気なく渡して、そうやって背を向ける。
「ねぇ。」
私の声に、龍央は元の顔で振り返った。
「なんで文化祭来なかったの?うちらが真面目にやらないかもしれなかったじゃん。」
私がそう問うと、龍央はクスッと笑った。
「莢菜さんならやってくれるって分かってたからかな。」
「は?」
「また明日、学校でね。」
そう言って龍央は職員室の扉をしめた。
…何であいつ…急に敬語なくなった…?
「何あれ。」
「さぁ。」
それから私らは放課後の静まり返ったクラスに3人で座った。
私は返ってきたアクセの入った箱を開けた。
すると何一つ傷がついていないアクセたちにホッとした。
…ん?何これ。
私が一つ一つのアクセを取り出すと一番下に紙が四つ折りになって入っていた。
思い切って取り出すと、両隣に座ったふたりも顔を覗かせた。
「何これ。」
「手紙か何か?」
「…さぁ。」
紙を開くと、そこにはこう綴られていた。
……………………………………………
中村莢菜さん
遠回しに伝えてもあなたに届かないかもしれないので単刀直入に。
あなたに惚れてます。
お付き合いをして頂けますか?
……………………………………………
え…。
「ッ…これ…。」
ラブレターぁあ!?!?
私が固まっていると、横でみゆきが声を上げた。
「…あいつ…。」
「ちょ、みゆき!?」
そして血相を変えて、クラスを飛び出していった。私は追いかけようにも驚きすぎて腰を抜かしていた。
「ラブレターだね。」
そしてこの紙を確信に変える一言をさとはあっけらかんと口にする。
「…どうしよ…。」
私がさとを見ると、さとはニンマリと笑った。
やだこの子、絶対面白がってるッ。
「さやが決めることだよ。」
「…え?」
「それはさやが決めること。フォローならうちもみゆきも喜んでする。」
「…さと…。」
さとがすごく心強いこと言った。
私が感心したのもつかの間、さとはバッグからお菓子を取り出した。
「とりま食べる?」
「」
すごく甘そうなお菓子に、胸がつかえそうな私は首を横に振って手で制した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる