いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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一章 貴方のスキル買い取らせて下さい

8話 無邪気なドワーフの少女ハガネ

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「んんんんん?おまえさん、もしかして・・・」

「ああ!!この間倒れてた人だ!!良かった!歩けるようになったんですね!!」

 先程怒られていたにも関わらず飛び跳ね喜ぶドワーフの女性。どうやら厳しそうな親方ではなく、優しそうな女性ドワーフが俺を助けれてくれたらしい。親方っぽいドワーフの人はどうも苦手だったので助かった。

「貴女でしたか、俺を助けてくれたのは。死にかけていた所を助けていただきありがとうございます!」

「いえいえ!人として当然の事をしたまでですよ~・・・ッハ!もしかしてお腹空いてません?空いてますよね?いいえ、絶対空いているはずです!!」

「えっ?ま、空いてますね・・・」

「それなら一緒にご飯を食べに行きましょう!美味しいランチが出来るお店知ってるんですあたし!!」

「で、でもお仕事はぁぁぁぁぁ!???」

 気づいた時には腕を掴まれており、その場を離れていた。俺の腰ぐらいのサイズしかないのにとてつもない力だ。これがドワーフという種族なのか。俺をここまで運んでこれたわけだ。

「はぁはぁ・・・ありがとうございます。ナイスタイミングでした。あのままだとあたし1時間説教コースでした」

「説教は終わったように見えましたけど・・・」

「親方の説教は第二フェーズがあるんです。あそこから更に1時間叱られるんですよ。だから貴方をダシに逃げ出しちゃいましたすみません!」

 全然構わないけど、それは結局説教を後回しにしているだけではないだろうか?

「さあ、着きましたよ!美味しいトカゲが食べられる定食屋さんです!!」

 ただ集落である洞窟の中をぐるぐると回っていただけのように思っていたが、本当に店に向かっていたのか。ていうかトカゲって美味しいのかな?そもそも小さすぎて食べられないのでは?

「あらあら、いらっしゃいハガネちゃん♪今日はお友達を連れてきたのね。いつものセット2つで良いかしら?」

「はい!お願いします!!」

 どうやら常連のようで、席に着く前に注文を終わらせてしまう。席に座ると、先にナイフとフォークが目の前に置かれた。

「ここのトカゲ定食は、食べ応えあってお腹が膨れるんですよ~~。あ、味も保証しますよ!あたし毎日食べにきているんで!」

「それは楽しみだ・・・ところでハガネさん」

「あれ?あたし名乗りましたっけ?あ!そっか!親方が叫んでましたもんね!嫌が応でも覚えちゃいますよね!あたしの名前!!」

「ええ、良い名前ですね。ところで・・・どうして貴方のナイフとフォークだけ全て木製なんですか?」

 俺のは金属製なのに対して、彼女の食器は全て木製だった。それを指摘すると、明るかったハガネさんの表情は一気に暗いものとなってしまった。

「アハハ・・・実はあたし、金属が持てないんです・・・」 

 どうやら、触れてはいけない場所に触れてしまったようだ。
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