いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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一章 貴方のスキル買い取らせて下さい

20話 一時的な旅の仲間

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 スキルには大きく分けると2つに分ける事が出来る。1つ目は生まれながらに持つ才能スキル。俺で言う『買取』、ハガネさんで言う所の『発錆』に該当するスキルだ。

 2つ目は会得スキル。鍛錬や経験によって得る事の出来るスキル。剣術がまさに会得スキルに該当する。かくいう俺も剣を使い始めてから既に3週間程経っているが、剣術スキルは会得している。

「剣術なら、誰でも会得できるのでは?」

「・・・できないんです」

「「・・・え?」」

「剣の才能がゼロなので全く会得できないのです!!」

 当たり前だが、人には得意不得意が存在する。この世界ではスキルというものがある為、それが顕著に表れやすい。例えば、剣の才能が無ければ剣術スキルが会得できない等であるのだが・・・目の前の女騎士ニアはそのタイプみたいだ。

「幼い頃から剣術を教わってきたが、一向に上達せずについに19になってしまい、騎士になってしまった」

「えぇ・・・逆にどうやって騎士になったの?もしかしてコネ?」

「違います!!騎士になる試験には剣術、身体能力、頭脳が評価基準となるので他の2つで剣術の部分を補いました!!」

 成程、納得だ。道理で崖から落ちても死なないどころか怪我すらないわけだ。俺が仮に試験官でも面白くて採用してしまうだろう。

「OK、状況は理解した。けど、残念ながら『剣術』は取り扱っていない。何故なら、戦うのに必須なスキルだからな」

「ええ、そこらへんは理解していますわ。だからこそ考えがありますの。既に引退した剣士から譲ってもらうというのはどうでしょうか?」

「それは名案だな」

 元剣士は既に必要ないスキルを売る事が出来て、ニアは努力ではどうしようもない剣術スキルを手に入れる事が出来る。互いに利益ある取引になる。それに、引退した剣士なら少し大きめの町を探せば普通にいるはずだ。

「近くに魔法が盛んなルベニアって町がありますので、そこまで一緒に行きませんか?」

「俺は全然構わないけど、ハガネさんは?」

「寧ろ大歓迎です!!ニアさん良い人そうだし、旅は人数が多ければ多いほど楽しいですから」

 同行人の許可も得た所で次なる目的地を定める。魔法の町ルベニア。この世界に来てから魔法というものに全く触れてこなかったので少し楽しみだと感じている幼子のような自分がいる事は2人には内緒だ。

「所で、貴方は何故、コンパス城の方々から酷い目にあわされたというのは具体的にどのような事なのでしょうか?」

「うん、それは歩きながら話すよ」
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