いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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一章 貴方のスキル買い取らせて下さい

21話 憧れは大人になると言いずらい

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 ハガネさんは非常に好奇心構成な女の子だ。その為、疑問が浮かんだらすぐに声にして質問する。

「ねぇニアさん。ニアさんはどうして剣に拘るの?」

「え?そうですね・・・騎士と言ったら剣だから?」

 だいぶ理由が適当だな。もう少し無いのか?家が剣士の家系だから恥だ~みたいなのは。

「いやいや、そんな事はないですよ。騎士って言うのは鎧を着て剣を盾を駆使して戦うだけじゃありません!そもそも、騎士っていうのは乗馬する戦士に付けられるものです!」

「舐めないでくださいまし!私だってそのくらいは熟知しておりますわ」

 本当か?少し焦っているように見えたぞ。

「それなら、騎士のメイン武器は剣や盾じゃなくて乗馬した状態で有効に活用できる槍でも良いのでは?という考えには至らなかったんですか?剣士になりたいのなら話は変わってきますけど、立派な騎士になりたいというのなら別に剣に拘らなくて良かったのでは?」

 どうしようものすごいど正論だ。流石は武器を製作する鍛治職人を目指しているだけあるのか、武器の使い方も熟知している。

 さて、ここから返すのはかなり難しいぞ?ニア、貴女はどう返す?

「べ、別に良いではありませんか!剣に拘ったって!絵本の中に出てきた騎士様は剣一本でドラゴンを倒したのですのよ?私もそんな騎士になりたいのです!」

「・・・それなら、剣を使えるようになりたいですね!剣一本でドラゴン退治!カッコいいじゃないですか!」

 ニアは言語化するのが苦手だったみたいでしっかりとした理由を持っていた。しかし、それは聞いた人によっては笑われ、怒られるだろう。

 遊びではないのだぞ、と。故に最初に理由を聞かれた時は適当な理由を答えたのだろう。自分の口にする理由が馬鹿げているで自覚しているから。

 だけども俺は彼女の夢を応援したくなってしまった。純粋で良い子な彼女の成功を心の底から支えてあげたいと思ってしまった。

 ハガネさんを助けた時からだ。こんな気持ちになる事が多くなってしまった。正直自分の周りの事を考えるとこの感情は邪魔でしかない。

 しかし、どうしてか心は穏やかで前の世界よりも心地よくて仕方がないのだ。

「・・・テツロー!敵襲です!こっちに向かって複数体の魔物が接近してきています!」

「このタイミングで!?めちゃくちゃ雰囲気だったのになんで!?」

「魔物にロマンチックが分かるわけないじゃないですか!ほらほら早く構えて!行きますよ!!」

「はぁ~・・・分かったよ・・・ってニア?」

 彼女の方を見ると、俺なんかよりも遥かに大きな岩を全く表情をかけずに持ち上げて投げる準備をしていた。

「ええと、あっちで良いんですわよね?よいしょっと!」

 その岩をまるで小学生がドッジボールに使うゴムボールのように投げると、落下地点から血飛沫と魔物達の悲鳴が聞こえてきた。

「やりましたわ!」

 この人、絶対騎士じゃなくて戦士向きの人間だ。そう思う2人なのであった。
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