いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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三章 勇者探し

66話 町→戦場→遺族→町→戦場→遺族

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 その後、俺はフェルゴ村へと向かい亡くなった戦士の遺族に事情を話して金を渡した。泣きつかれ感謝を述べられたが何も感謝されるような事をしてなかった為、あまり感謝の言葉は頭に入ってこなかった。

 それ俺達の行動はパターン化した。どのようなパターンかと言うと町→戦場→遺族→町→戦場→遺族と言った感じだ。意図的にこのようなパターンになったのではない。勇者を追っていたら何故かこうなっていた。

 勇者も戦場で戦うようになったようで、戦場だった地に赴くとその話もとい強さを聞く事が出来た。

「目にもとまらぬ速さで相手を切り伏せていたよ」「早すぎて視認できないくらいさ」「魔法の威力もすさまじかったよ。若いのに、熟練の魔法使いの威力と全く変わらなかったくらいにはね」

 と絶賛の声。勇者の登場のお陰で圧倒的不利な状況からちょっと不利まで傾いたみたいだ。しかし、未だコンパス側は不利というのは変わりない。

 戦場の生き残り曰く、前よりも死人は減ったとの事だが、未だに死人の山が出来上がる程には多くの死人が出ている。

 そして、肝心の勇者は戦場をひとしきり暴れ回ったら休みもせずにすぐに次へ向かってしまうため、姿どころか影すら掴めていない。

 一緒に戦った戦士達から話を聞いても、ローブを纏っていて分からない、そもそも姿が見えなかったので分からないと言われてしまう始末。

 どうやら勇者は自分の姿を隠しているらしい。魔獣人全員に命を狙われている身としてはベストな判断だとは思うが、見つけなければいけない立場としては厄介極まりない。

 ただ、収獲が無いというわけではない。戦場を歩き回ったおかげで多くの強力なスキルを手にする事ができた。軍資金も戦闘への参加や他の旅人が襲われている所を助ける事で補充しているので問題なく買い取る事が出来ている。

 買い取ったスキルは『威圧』、『魔力属性:雷』『擬態』『磁石』『仲間パワー』『勇気』『対魔獣』で全て戦闘用の強いスキルだ。

 そして買い取った際に渡したお金は、元の持ち主の遺族に渡している。これが俺らの行動パターンである[戦場→遺族]の部分だ。

 そんな旅をしているといつの間にか2か月が経過していた。ニアの処分の事を考えると残りの猶予は1ヶ月。何としてでもあと1ヶ月で探し出さなければならない。

 そんな中、かなり有力な情報を手に入れる事が出来た。

「ローブで全身隠した奴?ああ、噂の勇者ってやつだろ。アイツなら昨日フラフラと歩きながら港町の方へと歩いて行ったぜ。休んでけっていったんだけど、行く先で休むから大丈夫だって断られちまった」

 と言う情報だ。更にはスキル『導き』までもが港町へ行けと言ってくる。今急げば港町で勇者に会えるのではないだろうか?

 期待を胸に俺らは港町へと向かった。
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