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五章 魔獣人の根源
126話 壁画で語られる歴史
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金髪のヒュームに蹂躙され、血を流す黒髪のヒューム。
金髪のヒュームに拘束され、奴隷のような扱いを受ける黒髪のヒューム。
嘆き悲しむ黒髪のヒュームの前に現れる全身真っ黒な人型のナニカ。
そして次の壁画では二足歩行をした獣が、金髪のヒュームと戦っている壁画が描かれている。
二足歩行の獣は魔獣人で間違いないだろう。そしていきなり場面が飛んだので判断に苦しんだが、ある1つの答えに辿り着いた。
「この黒髪のヒュームの正体ってもしかして・・・」
「私達の先祖?」
壁画的にそうとしか思えなかった。虐げられ苦しめられた描写の次の瞬間には、金髪ヒュームと戦う魔獣人。誰が見ても魔獣人の正体は黒髪のヒュームと答えるだろう。
そして金髪のヒュームは消去法で見てもコンパス人なのだろう。
「つまり君達パンジグ人は、元々は人間で何かがキッカケで魔獣人になったって事?」
「多分そうだと思う。私は生まれた頃からこの姿だし、200年以上前の人間は当然生き残ってるはずがないから確かめようがないけど間違いないと思う」
「何が原因だ?進化?いや、にしては急すぎる」
進化というのは何世代も重ねることによって姿を変えていくもの。ただのヒュームから魔獣人というのはあまりにも急すぎるし、そもそも別の生き物が混ざる事を進化というのだろうか?
そこで怪しくなってくるのが嘆き悲しむパンジグ人と一緒に描かれている全身黒のナニカ。ヒュームよりもかなり大きめに描かれているコレが原因かと思われる。
しかし、これ以上壁画はなく調べようがないので後回しにしよう。もしかしたら更に奥に別の壁画があるかもしれない。
では次にコンパス人がパンジグ人達を虐げるようになった理由についての考察だ。いきなり島が大きくなってからコンパス人は登場したわけなのだが・・・これは本当に島が大きくなったのだろうか?
コンパス国は大陸にできている。その隣国であるパンジグも辺境ではあるものの大陸国である。
最初は噴火か何かで島が大きくなったと思っていたが、島が大きくなったのではなく、島が移動して大陸と合体したのではないだろうか?
その大陸に元から住んでいたコンパス人はいきなり現れたパンジグ人を攻撃するようになった。それが迫害の真実ではないだろうか。
この考察をトラコに話すと真剣な顔をして頷いてくれた。
「可能性として1番高いわね。文字として残っていたらはっきりするのだけど」
「そもそもこの遺跡は一体なんの目的で建てられたの?」
「古書館だけど?」
「・・・じゃあ、あるだろ」
「あるとするならここから更に下にあるでしょうね。悪いけど、まだ足が痛いからおぶって頂戴」
「はいはい。人を頼るのが上手いなアンタ」
「アンタじゃない。トラコ王女と呼びなさい」
「へーい・・・」
可愛い虎のような顔立ちをしているのに可愛げのない人だ。
金髪のヒュームに拘束され、奴隷のような扱いを受ける黒髪のヒューム。
嘆き悲しむ黒髪のヒュームの前に現れる全身真っ黒な人型のナニカ。
そして次の壁画では二足歩行をした獣が、金髪のヒュームと戦っている壁画が描かれている。
二足歩行の獣は魔獣人で間違いないだろう。そしていきなり場面が飛んだので判断に苦しんだが、ある1つの答えに辿り着いた。
「この黒髪のヒュームの正体ってもしかして・・・」
「私達の先祖?」
壁画的にそうとしか思えなかった。虐げられ苦しめられた描写の次の瞬間には、金髪ヒュームと戦う魔獣人。誰が見ても魔獣人の正体は黒髪のヒュームと答えるだろう。
そして金髪のヒュームは消去法で見てもコンパス人なのだろう。
「つまり君達パンジグ人は、元々は人間で何かがキッカケで魔獣人になったって事?」
「多分そうだと思う。私は生まれた頃からこの姿だし、200年以上前の人間は当然生き残ってるはずがないから確かめようがないけど間違いないと思う」
「何が原因だ?進化?いや、にしては急すぎる」
進化というのは何世代も重ねることによって姿を変えていくもの。ただのヒュームから魔獣人というのはあまりにも急すぎるし、そもそも別の生き物が混ざる事を進化というのだろうか?
そこで怪しくなってくるのが嘆き悲しむパンジグ人と一緒に描かれている全身黒のナニカ。ヒュームよりもかなり大きめに描かれているコレが原因かと思われる。
しかし、これ以上壁画はなく調べようがないので後回しにしよう。もしかしたら更に奥に別の壁画があるかもしれない。
では次にコンパス人がパンジグ人達を虐げるようになった理由についての考察だ。いきなり島が大きくなってからコンパス人は登場したわけなのだが・・・これは本当に島が大きくなったのだろうか?
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この考察をトラコに話すと真剣な顔をして頷いてくれた。
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「古書館だけど?」
「・・・じゃあ、あるだろ」
「あるとするならここから更に下にあるでしょうね。悪いけど、まだ足が痛いからおぶって頂戴」
「はいはい。人を頼るのが上手いなアンタ」
「アンタじゃない。トラコ王女と呼びなさい」
「へーい・・・」
可愛い虎のような顔立ちをしているのに可愛げのない人だ。
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