いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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五章 魔獣人の根源

136話 契約内容

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「ああ!!パンジグの知識と技術の結晶がたった数秒で消し炭に・・・」

「これであのオイルスライムはパンジグ人が作った魔法生物じゃないって確定したな。推測に過ぎないけど、あのオイルスライムは悪魔が作ったんじゃないかな?」

「あり得る」

「テツロウさん、私とはぐれている間に随分と進展みたように見えるのですが・・・何があったか教えてもらえないでしょうか?」

 ジュリエットに俺とトラコの身に何が起きたのかを説明する。途中までは落ち着いて聞いていたのだが、魔獣人の秘密を知った途端、かなり動揺してしまった。

「う、嘘・・・そんな事があり得るんですか?」

「全て真実よ勇者。未熟な頭でも理解くらいはできるでしょう?」

「・・・はい。5代先に起きる悲劇についての情報はないんでしょうか?」

「無いわ。得る前に全部燃えてしまったもの。まだ半分しか読み終えてなかったのに・・・!!」

「逆にあの短時間で半分以上もよく読めたね。俺なんか気になる本を探すのに精一杯だった」

「それで、手元に残ったのは『爆発魔法の極致』という魔導書と、200年前のパンジグ王の日記なんですね。本当に全部燃えてしまったんでしょうか?」

「しつこいわね。全部燃えたって言ってるでしょ?見てるのに分からないわけ?そろそろイライラさせる発言は止めて頂戴。今はとにかくここから出て、皆に伝えなきゃ」

「じゃあ、私に任せてください。ここに来るまでの道のりは全て頭の中に入れていますので」

「助かる!行こう!!」

 遺跡の出口目掛けて走りだそうとした瞬間、何か踏んでしまい、俺はものの見事にこけてしまった。滑ってしまった原因のモノは俺の顔の上に乗っかる。それは一枚の羊皮紙だった。

「なんだこれ?何で焼けずに残っているんだ?」

 しかも、焦げや傷1つすらついていない。ただの羊皮紙に見えるが、なんと書かれているのだろうか。

「これ契約書だ。それに拇印までついてる」

 言語は日本語だ。読んでみる事にする。

『我ら裏の民はパンジグ人に力を与える。代わりにヒュームとしての容姿と元の姿を語り継いではいけない。更に徳浪家がこれから5代続いた場合、パンジグ人の肉体は我々裏の民のモノとなる』

 その内容は、日記のモノと同じ内容だった。裏の民とは悪魔達の事だろう。そして、5代先で起きる悲劇とは、パンジグ人達の体が悪魔達に乗っ取られるという事だったのか。

「成程・・・これは確かに悲劇だ。急いで地上に戻ってイリスに報告しよう。トラコはどうする?」

「悪魔なんかに私達の体を奪われたくない。何とかお父様を止めて見せる!!」

「OK!ありがとう!それじゃあ、脱出しよう!!」

 2冊の大事な本と契約書を持って俺達は遺跡を後にした。
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