いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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最終章 悪魔の契約

147話 最終防衛ライン

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 ジュリエットとの夜の庭での会話から2日が経過。つい1時間前まで草原の方から聞こえてきていた悲鳴や爆発音がまるで聞こえてこない。

「終わりましたわね・・・」

 ニアが悲しそうに呟く。彼女の表情と言葉から察するにプルテン騎士団は1日以上戦い続けた末に負けてしまったみたいだ。

「ジョン8世どうか安らかにお眠りください」

「私が必ずや仇を・・・いえ、必ず魔獣王ドートンを止めて見せますわ」

 やがて草原の方から大量の足音が聞こえてくる。足音が大きく聞こえてくる度に兵士達の間に緊張が走る。

 行進する足音が聞こえてくる方向から大勢の武装した魔獣人達がやってくる。そのほとんどが負傷しており、伝えられていた数よりも半分ほど少ないように感じる。

 ジョン8世は俺達の負担を減らす為に最低でも減らせるのは2万人と言われていた所から大幅に上回ったらしい。彼の全身全霊の戦いに心の底から感謝と尊敬の念を抱く。

 魔獣人達の姿がはっきりと見えてきた。魔獣人達の真ん中にはサーベルタイガーのような顔をした他の者よりも二回りも体が大きな魔獣人がいた。

 多分、いやあれが魔獣王で間違いないだろう。国境と草原では一言もなく戦闘が始まったと報告があったが、今回は最初から攻撃を仕掛けてくる事はなかった。

「殲滅・・・する・・・!!」

 しかし、話し合いをするわけではなくただの殲滅宣言。目の焦点もあっておらず、口から泡が吹き出している。

 他の魔獣人はそうではないが、誰も魔獣王の様子のおかしさを指摘しておらず、戦争だというのにやけに鎮まり帰っていて不気味だ。

「魔獣王ドートン。話し合う余地は無いみたいだな」

「殺、こ、コロ、コロロロロすぅ・・・・」

 騎士団長が話しかけても支離滅裂。悪魔の知能が低いのかそれとも、まだ契約が完了していないからか、知能が著しく低下しているように感じる。

 これなら拘束も容易なはずだ。

「ししし、進軍せよよよよぉぉぉぉぉ!!」

 何も喋らず感情を表に出さずに武器を抜き、俺達に向かって攻撃を仕掛けてくる。

「魔法軍!シールド展開!!」

「「「「はっ!防御魔法『シールド』!!」」」」

 魔獣人と、コンパス軍の間に青い半透明の壁ができ、魔獣人の攻撃を防ぐ。

「よしっ!コンパス騎士団戦闘用意!!」

 団長の号令と共に騎士達が各々の武器を構えスキルをいつでも使えるように解放し始める。

 団長は天に向かって腕をかざし、振り下ろすと同時に魔法使い達が張ってくれていた魔法の壁が解除。解除と同時に騎士達が魔獣人めがけて突進していった。

「コンパスに抵抗あれーーー!」

 コンパス人と魔獣人の運命をかけた戦いの火蓋が落とされる。
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