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最終章 悪魔の契約
168話 悪魔のゲーム
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「魔獣人達が暴れたのでもしやと思ってショートカットしてきました!看守さん達には後で謝罪しておきます!」
「いや、ナイス判断だよジュリエット!実は言うと─────」
「いえ、言わなくてもなんとなく分かりました。詳しい事はまた後で聞きますので地上に戻りましょう」
階段ではなく、ジュリエットが作った穴を介して地上へと戻る。地上でも魔獣人が暴れており、兵士や騎士達は抑えるのに精一杯みたいだ。
悪魔が地上でも暴れるように指示をしたのだろう。
「それでどうするんですか?悪魔に取り憑かれた人を元に戻す方法はまだ判明していませんよ」
「ああ、だけどこのまま放置しておくわけにはいかないでしょ!」
檻は破られ、ドートン王を元に戻す方法も分からない。何をすればいいのかまるで分からない状況だが、このままドートン王の体を放置しているわけには行かないという事だけははっきりと分かる。
幸いにも町の方には魔獣人は行っていない。更にドートン王が地上にやってきた事により、魔獣人の注目が一気に俺達の方へと集まり外に魔獣人が出ていく心配は一瞬で消え去った。
「ジュリエット!トラコ!走るよ!」
「はい!ドートン王の運搬は私にお任せ下さい!!」
2人で運ぶのがやっとだったドートン王の巨体を軽々しく持ち上げ運び始めるジュリエット。今度は俺達がジュリエットを魔獣人の殺しの手から守りながら、守りを固くしている謁見の間へと入っていく。
「テツロウ無事だったか!それに、ドートン王を連れてくるとは流石だ!なんとか殺されずに済んだな!」
「ええ、ドートン王の体を操ってた悪魔が完全に乗っ取りを成功させちゃったせいでこの間以上に魔獣人が暴れてちゃってる」
「やはり悪魔が取り憑いていたのか・・・と言う事は今までの暴走は悪魔の仕業という事で間違いないか?」
「本人というかドートン王の口を介して話していたからな。悪魔のスキルだそうだが、何でも血を飲ませた相手を操るらしい」
「厄介なスキルだな。王なら食事に自分の血液を混ぜ込む事くらい容易ってわけか・・・トラコ王女、貴女は無事なのか?」
「そういえ・・・ば・・・」
トラコの方を振り返った瞬間に腹に激痛が走る。この感覚はこの世界に来て何度も味わったので何が起きているのかはすぐに理解した。
俺は今、トラコの持っているナイフに思い切り刺されている。そして、彼女の目は他の魔獣人と同じように正気を保っていない虚ろの瞳をしていた。
「ここまでのゲーム、楽しかったかな?異世界人くん!!」
ドートン王の巨体が俺を見下ろしている。俺達は最初から悪魔の手のひらで弄ばれていたにすぎなかったみたいだ。
「そしてここからは・・・俺も参戦させてもらうぞ!!」
ドートン王の手で手刀を作ると、心臓向かって手刀を放つ。
「それじゃあなぁ!人間んんんん!」
心臓を貫きながら死んでいく様はまさに不気味で絶望するには十分すぎた。
「いや、ナイス判断だよジュリエット!実は言うと─────」
「いえ、言わなくてもなんとなく分かりました。詳しい事はまた後で聞きますので地上に戻りましょう」
階段ではなく、ジュリエットが作った穴を介して地上へと戻る。地上でも魔獣人が暴れており、兵士や騎士達は抑えるのに精一杯みたいだ。
悪魔が地上でも暴れるように指示をしたのだろう。
「それでどうするんですか?悪魔に取り憑かれた人を元に戻す方法はまだ判明していませんよ」
「ああ、だけどこのまま放置しておくわけにはいかないでしょ!」
檻は破られ、ドートン王を元に戻す方法も分からない。何をすればいいのかまるで分からない状況だが、このままドートン王の体を放置しているわけには行かないという事だけははっきりと分かる。
幸いにも町の方には魔獣人は行っていない。更にドートン王が地上にやってきた事により、魔獣人の注目が一気に俺達の方へと集まり外に魔獣人が出ていく心配は一瞬で消え去った。
「ジュリエット!トラコ!走るよ!」
「はい!ドートン王の運搬は私にお任せ下さい!!」
2人で運ぶのがやっとだったドートン王の巨体を軽々しく持ち上げ運び始めるジュリエット。今度は俺達がジュリエットを魔獣人の殺しの手から守りながら、守りを固くしている謁見の間へと入っていく。
「テツロウ無事だったか!それに、ドートン王を連れてくるとは流石だ!なんとか殺されずに済んだな!」
「ええ、ドートン王の体を操ってた悪魔が完全に乗っ取りを成功させちゃったせいでこの間以上に魔獣人が暴れてちゃってる」
「やはり悪魔が取り憑いていたのか・・・と言う事は今までの暴走は悪魔の仕業という事で間違いないか?」
「本人というかドートン王の口を介して話していたからな。悪魔のスキルだそうだが、何でも血を飲ませた相手を操るらしい」
「厄介なスキルだな。王なら食事に自分の血液を混ぜ込む事くらい容易ってわけか・・・トラコ王女、貴女は無事なのか?」
「そういえ・・・ば・・・」
トラコの方を振り返った瞬間に腹に激痛が走る。この感覚はこの世界に来て何度も味わったので何が起きているのかはすぐに理解した。
俺は今、トラコの持っているナイフに思い切り刺されている。そして、彼女の目は他の魔獣人と同じように正気を保っていない虚ろの瞳をしていた。
「ここまでのゲーム、楽しかったかな?異世界人くん!!」
ドートン王の巨体が俺を見下ろしている。俺達は最初から悪魔の手のひらで弄ばれていたにすぎなかったみたいだ。
「そしてここからは・・・俺も参戦させてもらうぞ!!」
ドートン王の手で手刀を作ると、心臓向かって手刀を放つ。
「それじゃあなぁ!人間んんんん!」
心臓を貫きながら死んでいく様はまさに不気味で絶望するには十分すぎた。
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