いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太

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最終章 悪魔の契約

177話 それから

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 数分後、トラコが目を覚ます。最初に見たのは、哲郎達の優しい微笑みだった。

「・・・気分はどう?トラコ」

「最悪よ。なんたって悪魔に体を乗っ取られた挙句、自分の体勝手に使われて破壊行動させられたもの気分的にも心情的にも良いわけないじゃない」

 どうやら体を使われている時の記憶は残っているみたいだ。まるで二日酔いの後のような起き方をしたトラコは、ゆっくりと満面の笑みを浮かべる。

「・・・でも、心はすっきり!何だか変な気分ね!!」

 呪縛から解放された彼女はとても爽やかだった。彼女の後に続くように他の魔獣人達も起き上がり始め、手を挙げ降伏の意を示す。

 不本意ではあるし、もう暴れないとわかってはいるものの、手枷をして牢獄へと収監。トラコは城の一室で軟禁という形を取られた。

 他の魔獣人も悪魔に乗っ取られていた時の記憶を持っていたみたいで、収監には誰も不満を漏らすことは無かった。

 そして、コンパス側もこれ以上不和の要因を作りたくない為、彼らを1週間で解放し、パンジグ国まで帰らせた。

 帰り際、イリスがトラコと次の面談の約束をしていた。本格的に和平を始めるみたいだ。

 魔獣人達が帰る時、お別れの言葉を言いたかったのだが、俺は病院のベッドの上から出ることを禁止されており、それを叶えることはできなかった。

 なので、後に詳細をハガネさんから聞いて把握した。

 静かな病室でハガネさんはボソリと呟く。

「戦争、終わりましたね」

「そうだね・・・・ん?」

「どうかしましたか?何が思い出したような表情をしてますけど・・・」

「いや、今戦争終わったなーっと思っちゃったけど、ちゃんと考えたら和平が結ばれるまでは戦争は終わってないなって思ってさ」

「確かに。締結したらようやく終わりって感じしますもんね」

「それに、崩壊した城や町の復興もある。戦争終了っていうのはそういう戦争の爪痕を綺麗さっぱり直した後の事を言うんじゃないかな?」

「一理・・・いや、百理ありますね。それじゃあ、テツローはまだ帰らないんですか?」

「みんなこれからが大変なのに帰るなんて選択肢はないし、そもそもこんな体じゃあしばらくは帰れなさそうだな。だから、全てが解決するまではここにいることにするよ」

「それは良いですね!皆喜びますよ!戦い終わってさようならじゃ、あまりにも悲しすぎるますからね。本当の意味で全てを片付けたら盛大にパーティーを開きましょう!魔獣人・・・じゃなかった。パンジグ人も招待して!」

「ああ、良いね。そうしよう。そうと決まればさっさと治さないとな!」

 戦争はいくつかのフェーズに分けられる。1つが殺し合いの戦い。そしてその次が戦争の跡を消す作業だ。

 帰るまでが遠足のように、全て元通りにするまでが戦争だ。最後まで走りきろう。
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