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二章 漂流先は獣の国
60話 いざ行かんパンジグ城へ
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「ゴルム王国・・・そりゃまたとんでもない場所から逃げてきたな」
「そんなに有名なのか?」
「ああ。俺達の国は戦争をしたことはないが、したことのある国は悉くやられて植民地となっている。パンジグも今後の接し方を考えているところだ」
「メルグーンなのか?」
「名前は分からないが、勝てそうになった時に現れた竜が原因で敗戦したという話を聞く。正直言って竜のいないゴルムは大した驚異じゃない」
接し方を模索するレベルの国ゴルム。そんな国から、国存続の為に必要な巫女を連れて逃げた俺は、この国の安全の為にもいてはいけないのではないだろうか?
「ムサシ、俺を見なかった事にした方がパンジグの為なんじゃないのか?」
「そうだな。お前は目的があって入国してきたわけではなくて漂流してやってきた。俺達にはなんの関係もない。しかし、お前はサシコテ村・・・いや、パンジグのピンチを救っている。お前は讃えられるに値する人間だ。そんな人間を俺は女王の元へと連れて行かなくてはならない」
「正気か?」
「勿論、考えなしというわけではない。お前との会話はなかった事にする」
ゴルムから来たという話を有耶無耶にしてくれるみたいだ。
「バレたらとんでもない事になるぞ」
「承知の上だ。それに、人を探しているんだろう?なら、助けなければなるまい。村のピンチを救ってくれたのだからな」
ムサシは体を180度回転させ、俺に背中を向ける。
「ついて来い。城に連れていく」
「ありがとう、ムサシ・・・」
深々と頭を下げて感謝する。
「シャルロット、パンジグ城へ招待された!一緒に来るだろ?」
「ああ!勿論だとも!しかし、こんな服装であって良いんだろうか?」
そういえば、シャルロットの鎧を脱がせてからずっと鎧下のまんまだ。まあ、俺も道着の上に裸足なので何も言えないが。
「新しい道着と靴か何か欲しいな・・・」
「心配するな、服屋なら城下町にある。そこで揃えるぞ」
「俺、金持ってないけど?」
「・・・ハァ、まあそうだよな。俺が払ってやる。今度返せよ?ところでそっちのお嬢ちゃんはさっきから喋らないけど大丈夫か?」
「喋らないというよりも喋れない方が正しいな。パンジグ語が分からないんだ」
「ふむ、それは厄介だな。覚えるのも時間がかかるだろうし、ここはこれを使おう。えいっ!」
そういうとムサシはシャルロットの額にお札を貼る。まるでキョンシーのようになったシャルロットは馬鹿にされたと勘違いしてムサシに向かって叫んだ。
「何をするんだ!このやろう!!・・・ってあれ?」
なんとシャルロットはパンジグ語が喋れるようになった。どうやら不思議な力を持っているみたいだ。
「剥がすなよ?効果がなくなるから」
そういいながらムサシは村を出ていく。それに続くように雷太達も出ていくと、サシコテの人達から感謝の言葉を言われながら贈られるのであった。
「そんなに有名なのか?」
「ああ。俺達の国は戦争をしたことはないが、したことのある国は悉くやられて植民地となっている。パンジグも今後の接し方を考えているところだ」
「メルグーンなのか?」
「名前は分からないが、勝てそうになった時に現れた竜が原因で敗戦したという話を聞く。正直言って竜のいないゴルムは大した驚異じゃない」
接し方を模索するレベルの国ゴルム。そんな国から、国存続の為に必要な巫女を連れて逃げた俺は、この国の安全の為にもいてはいけないのではないだろうか?
「ムサシ、俺を見なかった事にした方がパンジグの為なんじゃないのか?」
「そうだな。お前は目的があって入国してきたわけではなくて漂流してやってきた。俺達にはなんの関係もない。しかし、お前はサシコテ村・・・いや、パンジグのピンチを救っている。お前は讃えられるに値する人間だ。そんな人間を俺は女王の元へと連れて行かなくてはならない」
「正気か?」
「勿論、考えなしというわけではない。お前との会話はなかった事にする」
ゴルムから来たという話を有耶無耶にしてくれるみたいだ。
「バレたらとんでもない事になるぞ」
「承知の上だ。それに、人を探しているんだろう?なら、助けなければなるまい。村のピンチを救ってくれたのだからな」
ムサシは体を180度回転させ、俺に背中を向ける。
「ついて来い。城に連れていく」
「ありがとう、ムサシ・・・」
深々と頭を下げて感謝する。
「シャルロット、パンジグ城へ招待された!一緒に来るだろ?」
「ああ!勿論だとも!しかし、こんな服装であって良いんだろうか?」
そういえば、シャルロットの鎧を脱がせてからずっと鎧下のまんまだ。まあ、俺も道着の上に裸足なので何も言えないが。
「新しい道着と靴か何か欲しいな・・・」
「心配するな、服屋なら城下町にある。そこで揃えるぞ」
「俺、金持ってないけど?」
「・・・ハァ、まあそうだよな。俺が払ってやる。今度返せよ?ところでそっちのお嬢ちゃんはさっきから喋らないけど大丈夫か?」
「喋らないというよりも喋れない方が正しいな。パンジグ語が分からないんだ」
「ふむ、それは厄介だな。覚えるのも時間がかかるだろうし、ここはこれを使おう。えいっ!」
そういうとムサシはシャルロットの額にお札を貼る。まるでキョンシーのようになったシャルロットは馬鹿にされたと勘違いしてムサシに向かって叫んだ。
「何をするんだ!このやろう!!・・・ってあれ?」
なんとシャルロットはパンジグ語が喋れるようになった。どうやら不思議な力を持っているみたいだ。
「剥がすなよ?効果がなくなるから」
そういいながらムサシは村を出ていく。それに続くように雷太達も出ていくと、サシコテの人達から感謝の言葉を言われながら贈られるのであった。
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