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3章 潜入せよ、不信と獣の領地
26話 地下の魔族の町へ
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「それじゃあ、行こうか!」
「ここから、どのくらい移動するんですか?」
「馬車で1日と歩いて半日かな?」
「なんで、全て馬車で移動しないんです?」
「魔王様は、地下にいるからさ」
魔族は、勇者に敗れた後に地下に逃げたという。バール様のような、幹部達は、魔王様を受け入れる為に先に地上に出てきているのだという。
馬車に乗り、1日ほど、揺られながら過ごす。いつの間にか寝ていたらしく、御者さんに起こされた。バール様も案の定寝ていたので、起こした。
「ううん・・・あと、半日・・・」
「歩くんでしょ?ほら、行きますよ?」
今回の訪問は、すぐに終わる予定なので、御者さんには少し待ってもらう。魔物に襲われるか心配?大丈夫、オークだから。
「一瞬で移動できる魔法とかあったらいいんですけどね」
「少し前にそれを開発しようとしたエルフのバカな魔法使いが上半身と下半身が真っ二つになったって話を聞いた事があるねぇ」
ゲームのようにはいかないというわけか。
「さぁ、アル。松明は持ってきたかい?」
「はい。着火お願いします」
バール様の指先から出た炎が松明に着く。真っ暗な洞窟をある程度照らしてくれた。
「それじゃあ、行こうか」
光源を手に入れた僕達は、洞窟へと潜っていく。洞窟には、コウモリや、蛇の魔物がいたが、バール様を見た瞬間、全部尻尾を巻いて逃げていくので、無駄な戦闘は無い。
「魔王様ってどんな方なんですか?」
「ん~~?とりあえず、驚くよとだけ言っておくよ」
バール様はどうやら僕を驚かせたいみたいだ。しばらく下へ下へ進んでいると、鎧をまとった魔族が立ち尽くしていた。
「止まれ!ヒューム!!この先が魔族の住処だと承知の上での行動か?」
「勿論だとも!それと、彼はわたしの実験体だ。邪険に扱わないでもらいたい」
「バール様!?どうしてここに?」「お前聞いてなかったのか?今日訪問してくる予定だぞ?」「そうだったっけ?」
流石は新魔王軍幹部。顔が知られている。
「申し訳ございませんでした!!」「どうぞ、お通り下さい!!」
「どうも、お勤めご苦労様」
通り過ぎる時に、酷く睨まれたが、まあ、仕方ないだろう。
検問を通過すると、一気に明るくなって視界が良くなる。太陽の日差しが入ったわけではない。鉱石が光っているんだ。
「ライト鉱石。分かりやすい名前だろう?わたし達にとっての太陽さ」
魔族が、何で地下で暮らしていけたのか理解できた瞬間である。
更に歩くと、町が見えてきた。バール領のゴレイムよりも巨大な町が地下にある。住人のほとんどが魔族だ。バール領には1万人くらいしかいない魔族が、10万人程暮らしている。
「気になる気持ちは分かるが、あまりきょろきょろしない方が良いと思うよ?滅茶苦茶他種族を憎んでいる者は多いから」
それは承知の上。僕だって、訓練兵になりたての頃は木剣で殴られたりとかしていたし。
「因みにあれが、魔王様のお住まいだ」
バール様が指刺すのは、町の一番奥に城と呼ぶにはやや小さめな建物。地下という狭い場所だから、城のような巨大な建造物を作るのは不可能なのだろう。
「それじゃあ、新魔王様に会いに行こうか」
緊張の瞬間である。
「ここから、どのくらい移動するんですか?」
「馬車で1日と歩いて半日かな?」
「なんで、全て馬車で移動しないんです?」
「魔王様は、地下にいるからさ」
魔族は、勇者に敗れた後に地下に逃げたという。バール様のような、幹部達は、魔王様を受け入れる為に先に地上に出てきているのだという。
馬車に乗り、1日ほど、揺られながら過ごす。いつの間にか寝ていたらしく、御者さんに起こされた。バール様も案の定寝ていたので、起こした。
「ううん・・・あと、半日・・・」
「歩くんでしょ?ほら、行きますよ?」
今回の訪問は、すぐに終わる予定なので、御者さんには少し待ってもらう。魔物に襲われるか心配?大丈夫、オークだから。
「一瞬で移動できる魔法とかあったらいいんですけどね」
「少し前にそれを開発しようとしたエルフのバカな魔法使いが上半身と下半身が真っ二つになったって話を聞いた事があるねぇ」
ゲームのようにはいかないというわけか。
「さぁ、アル。松明は持ってきたかい?」
「はい。着火お願いします」
バール様の指先から出た炎が松明に着く。真っ暗な洞窟をある程度照らしてくれた。
「それじゃあ、行こうか」
光源を手に入れた僕達は、洞窟へと潜っていく。洞窟には、コウモリや、蛇の魔物がいたが、バール様を見た瞬間、全部尻尾を巻いて逃げていくので、無駄な戦闘は無い。
「魔王様ってどんな方なんですか?」
「ん~~?とりあえず、驚くよとだけ言っておくよ」
バール様はどうやら僕を驚かせたいみたいだ。しばらく下へ下へ進んでいると、鎧をまとった魔族が立ち尽くしていた。
「止まれ!ヒューム!!この先が魔族の住処だと承知の上での行動か?」
「勿論だとも!それと、彼はわたしの実験体だ。邪険に扱わないでもらいたい」
「バール様!?どうしてここに?」「お前聞いてなかったのか?今日訪問してくる予定だぞ?」「そうだったっけ?」
流石は新魔王軍幹部。顔が知られている。
「申し訳ございませんでした!!」「どうぞ、お通り下さい!!」
「どうも、お勤めご苦労様」
通り過ぎる時に、酷く睨まれたが、まあ、仕方ないだろう。
検問を通過すると、一気に明るくなって視界が良くなる。太陽の日差しが入ったわけではない。鉱石が光っているんだ。
「ライト鉱石。分かりやすい名前だろう?わたし達にとっての太陽さ」
魔族が、何で地下で暮らしていけたのか理解できた瞬間である。
更に歩くと、町が見えてきた。バール領のゴレイムよりも巨大な町が地下にある。住人のほとんどが魔族だ。バール領には1万人くらいしかいない魔族が、10万人程暮らしている。
「気になる気持ちは分かるが、あまりきょろきょろしない方が良いと思うよ?滅茶苦茶他種族を憎んでいる者は多いから」
それは承知の上。僕だって、訓練兵になりたての頃は木剣で殴られたりとかしていたし。
「因みにあれが、魔王様のお住まいだ」
バール様が指刺すのは、町の一番奥に城と呼ぶにはやや小さめな建物。地下という狭い場所だから、城のような巨大な建造物を作るのは不可能なのだろう。
「それじゃあ、新魔王様に会いに行こうか」
緊張の瞬間である。
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