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3章 潜入せよ、不信と獣の領地
34話 偽りの同盟関係
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「僕は今まで長い旅を続けてきました。安定とある程度の贅沢を求めて。そして、ここまでやってきました」
「長旅にうんざりしたのか?」
「こう見えても、貴族出身なので、平民どもの生活は体質的に合わないんです。ですので、また貴族に返り咲きたいと思いまして」
「それで、俺様にイヴを殺させ、その報酬として一定の地位を得ようとしているのか・・・成程、面白い」
今の僕は、新魔王軍の手下ではない。性根の腐った貴族のガキだ。
「だが、俺様がお前と組んで何かメリットはあるのか?なさそうにはっきり言ってなさそうだが・・・」
「純粋に戦力を強化が出来ます。恐らく、それで何とかイヴ・シフォンヌに勝てるかと」
「そこまで強くなさそうに見えるが?」
「・・・心の闇よ、やる気を奪え『パワースティール』」
「うん?・・・う、おおぉぉぉぉぉ!!ち、力が抜けていく!これは、闇の魔法!?何故ヒュームの貴様が使えるんだ!?」
「少し勉強しましてね。簡単な闇属性の魔法なら使えるんです。勿論、僕自身は、水属性ですけどね」
今使ったのは、パワースティール。有名な闇の魔法の一種。その名前の通り、一時的に相手のパワーを奪う。熟練していると、奪ったパワーを一時的に自分の物にする事が出来る。
「分かった!分かったから元に戻してくれ!!」
「無理です。途中でやめる事はできません。あと2分我慢して下さい。これでお分かりいただけましたか?今の出y力は50%程度。10%で放てば、呂律すら回らなくなります」
「そうか・・・これは確かに有効だ。絶対に勝てる!!」
無敵の魔法に思えるパワースティールだが、命中させるのがとても難しい事は黙っておこう。
「どうですか?僕と手を組みますか?それとも、2人だけでは心もとないですか?」
「いや、戦力は問題ない。最高な事に、俺様のロール騎士団には俺様を支持し、イヴを憎む者は多く存在する。説得するから少しだけ待ってもらえないか?」
「随分乗り気になりましたね。夜に奇襲する形でよろしいでしょうか?」
「ルートは任せておけ。確保しておく」
「僕の事はくれぐれも喋らないように」
「それは何故だ?」
「味方とは言え、闇の魔法を使える者なんて化け物でしかありませんからね」
「なら、何故俺様に教えた?」
「信頼を得る為。それと、貴方を信用しているからですよ。コルセット領主」
「気が早い奴だな。だが、安心しろ。確実にその肩書きをものにしてみせるさ」
気が早いのはアンタだよ、と思いながら僕はコルセット騎士団長と握手を交わし、店を出た。
今の信頼はもしかしたら嘘かもしれない。僕という部外者を排除する為に、話に口だけで乗って、後で裏切るかもしれない。これに関しては賭けにかなり近い。コルセット騎士団長が簡単に人を信じてしまうようなバカだと信じるしかない。
因みに握手する時、パワースティールの効果は切れていた。つまり、僕の手を握りつぶす事は可能だったが、彼は潰すような事はしなかった。
「長旅にうんざりしたのか?」
「こう見えても、貴族出身なので、平民どもの生活は体質的に合わないんです。ですので、また貴族に返り咲きたいと思いまして」
「それで、俺様にイヴを殺させ、その報酬として一定の地位を得ようとしているのか・・・成程、面白い」
今の僕は、新魔王軍の手下ではない。性根の腐った貴族のガキだ。
「だが、俺様がお前と組んで何かメリットはあるのか?なさそうにはっきり言ってなさそうだが・・・」
「純粋に戦力を強化が出来ます。恐らく、それで何とかイヴ・シフォンヌに勝てるかと」
「そこまで強くなさそうに見えるが?」
「・・・心の闇よ、やる気を奪え『パワースティール』」
「うん?・・・う、おおぉぉぉぉぉ!!ち、力が抜けていく!これは、闇の魔法!?何故ヒュームの貴様が使えるんだ!?」
「少し勉強しましてね。簡単な闇属性の魔法なら使えるんです。勿論、僕自身は、水属性ですけどね」
今使ったのは、パワースティール。有名な闇の魔法の一種。その名前の通り、一時的に相手のパワーを奪う。熟練していると、奪ったパワーを一時的に自分の物にする事が出来る。
「分かった!分かったから元に戻してくれ!!」
「無理です。途中でやめる事はできません。あと2分我慢して下さい。これでお分かりいただけましたか?今の出y力は50%程度。10%で放てば、呂律すら回らなくなります」
「そうか・・・これは確かに有効だ。絶対に勝てる!!」
無敵の魔法に思えるパワースティールだが、命中させるのがとても難しい事は黙っておこう。
「どうですか?僕と手を組みますか?それとも、2人だけでは心もとないですか?」
「いや、戦力は問題ない。最高な事に、俺様のロール騎士団には俺様を支持し、イヴを憎む者は多く存在する。説得するから少しだけ待ってもらえないか?」
「随分乗り気になりましたね。夜に奇襲する形でよろしいでしょうか?」
「ルートは任せておけ。確保しておく」
「僕の事はくれぐれも喋らないように」
「それは何故だ?」
「味方とは言え、闇の魔法を使える者なんて化け物でしかありませんからね」
「なら、何故俺様に教えた?」
「信頼を得る為。それと、貴方を信用しているからですよ。コルセット領主」
「気が早い奴だな。だが、安心しろ。確実にその肩書きをものにしてみせるさ」
気が早いのはアンタだよ、と思いながら僕はコルセット騎士団長と握手を交わし、店を出た。
今の信頼はもしかしたら嘘かもしれない。僕という部外者を排除する為に、話に口だけで乗って、後で裏切るかもしれない。これに関しては賭けにかなり近い。コルセット騎士団長が簡単に人を信じてしまうようなバカだと信じるしかない。
因みに握手する時、パワースティールの効果は切れていた。つまり、僕の手を握りつぶす事は可能だったが、彼は潰すような事はしなかった。
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