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3章 潜入せよ、不信と獣の領地
47話 その絶望に打ちひしがれた顔が見たくて仕方が無かった
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「は?・・・ま、魔族?」
「うん・・・魔族だよ!!」
「いつから魔族だったの・・・?」
「いつからってずっとだよ・・・あ、そういう事ね。いつ私の夫と入れ替わったの?って意味のいつからね!それは勿論最初からだよ!お見合いの頃からずっと!私!キスした時も、抱いた時も、結婚記念日もずっと私だよ!!」
「うっ・・・おぇぇぇぇ・・・!!」
魔族は、他種族にとって憎悪の対象。この世界で最も差別されている人種と言っても過言ではない。そんな種族を自分が愛して、ベッドを共にした事を思い出して嘔吐しているのだろう。
他の魔族が見たら、ブチ切れ案件だが、何故かアダムさん改めスネイクさんは満面の笑みを浮かべている。その笑みを見てようやっと気が付いた。彼の目的はシフォンヌ領の壊滅もあるが、それは第二の目的!第一の目的は、イヴ領主の絶望した顔を見る事。
「どうだい?今の気分は?夫を殺されたと勘違いして領民を殺した後に、自分の夫は憎き魔族だった感想は?」
「・・・・あ、ああ」
「ありゃりゃ、少しやりすぎたかな?完全に精神崩壊してるよ。ま、十分に楽しめたし良いかな?」
「あの・・・」
「いや待てよ?・・・まだ楽しめるな!黒き刃よ、肉を斬り裂け『ブラック・ナイフ』!!」
「あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
闇の刃がイヴ領主の四肢を斬り裂く。絶望で精神を崩壊させているイヴ領主だが、四肢を失った痛みには流石に耐えられなかったみたいだ。
「ひ、酷い・・・」
「酷い?そうかなぁ?どこからどう見ても、暴走した領主を戦闘不能にした英雄にしか見えないけれど。でも、これの姿で民衆の前に出るのはまずいかな?」
どうしよう。彼のしようとしている事が手に取るように分かる。
「偽りの鏡、見抜くのは真実の鏡のみ『トランスフォーム』」
黒い泥のような物が、スネイクさんの体から発生すると、彼の体を包み込む。不定形な泥は、整形されていき、ライオンのビーストマンの姿を取っていく。その姿は数日前に殺されたばかりのコルセット・ヨクリーナ騎士団長だった。
「変身の魔法!?そんなものがあったなんて・・・!!」
「私が開発した。凄いだろう?」
「しかも、声まであのコルセットと同じ・・・一体何をするんですか?」
「まあ、見ててくれ・・・シフォンヌの民よ!聞いてくれ!!」
スネイクさんは、コルセットの姿でコルセットの声を用いて叫ぶ。彼の声を知っている民衆は、建物の陰から姿を現し、声にスネイクさんに注目した。
「たった今、残虐かつ非道な最低最悪の領主イヴ・シフォンヌの四肢を切り落とした!!もう、暴れる事はない!!安心してくれ!!」
「コルセット騎士団長!?死んだんじゃないのか?」
「死は偽装だったの?それとも生き返った?」
「そんな事はどうでも良いじゃないか!それよりも今は、彼が助けてくれた事に感謝しよう!!
事情の知らない民衆の拍手が辺り一帯に響く。スネイクさんはコルセットの顔で笑みを浮かべると、達磨になったイヴを民衆の方に向かって投げる。
「さあ、我らの手で虐殺を止めようではないか!!」
「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!コルセットばんざぁぁぁぁぁぁい!!」」」」
「ま、待って!アダム!私それでも貴方の事を愛して────」
「アダム?何を言っているんだ?俺様はどこからどう見てもコルセットだ。それとな、アダムはお前の事を愛してなんかいないぞ?」
「へっ?あ、待っt────」
イヴ領主は最後に何か言いかけていたが、スネイクさんに届く事は無く、民衆によってかき消されてしまった。
1時間後、怒りが収まった領民を退けて、イブ領主を確認したが・・・どこにいるのかまるで分からなかった。
「うん・・・魔族だよ!!」
「いつから魔族だったの・・・?」
「いつからってずっとだよ・・・あ、そういう事ね。いつ私の夫と入れ替わったの?って意味のいつからね!それは勿論最初からだよ!お見合いの頃からずっと!私!キスした時も、抱いた時も、結婚記念日もずっと私だよ!!」
「うっ・・・おぇぇぇぇ・・・!!」
魔族は、他種族にとって憎悪の対象。この世界で最も差別されている人種と言っても過言ではない。そんな種族を自分が愛して、ベッドを共にした事を思い出して嘔吐しているのだろう。
他の魔族が見たら、ブチ切れ案件だが、何故かアダムさん改めスネイクさんは満面の笑みを浮かべている。その笑みを見てようやっと気が付いた。彼の目的はシフォンヌ領の壊滅もあるが、それは第二の目的!第一の目的は、イヴ領主の絶望した顔を見る事。
「どうだい?今の気分は?夫を殺されたと勘違いして領民を殺した後に、自分の夫は憎き魔族だった感想は?」
「・・・・あ、ああ」
「ありゃりゃ、少しやりすぎたかな?完全に精神崩壊してるよ。ま、十分に楽しめたし良いかな?」
「あの・・・」
「いや待てよ?・・・まだ楽しめるな!黒き刃よ、肉を斬り裂け『ブラック・ナイフ』!!」
「あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
闇の刃がイヴ領主の四肢を斬り裂く。絶望で精神を崩壊させているイヴ領主だが、四肢を失った痛みには流石に耐えられなかったみたいだ。
「ひ、酷い・・・」
「酷い?そうかなぁ?どこからどう見ても、暴走した領主を戦闘不能にした英雄にしか見えないけれど。でも、これの姿で民衆の前に出るのはまずいかな?」
どうしよう。彼のしようとしている事が手に取るように分かる。
「偽りの鏡、見抜くのは真実の鏡のみ『トランスフォーム』」
黒い泥のような物が、スネイクさんの体から発生すると、彼の体を包み込む。不定形な泥は、整形されていき、ライオンのビーストマンの姿を取っていく。その姿は数日前に殺されたばかりのコルセット・ヨクリーナ騎士団長だった。
「変身の魔法!?そんなものがあったなんて・・・!!」
「私が開発した。凄いだろう?」
「しかも、声まであのコルセットと同じ・・・一体何をするんですか?」
「まあ、見ててくれ・・・シフォンヌの民よ!聞いてくれ!!」
スネイクさんは、コルセットの姿でコルセットの声を用いて叫ぶ。彼の声を知っている民衆は、建物の陰から姿を現し、声にスネイクさんに注目した。
「たった今、残虐かつ非道な最低最悪の領主イヴ・シフォンヌの四肢を切り落とした!!もう、暴れる事はない!!安心してくれ!!」
「コルセット騎士団長!?死んだんじゃないのか?」
「死は偽装だったの?それとも生き返った?」
「そんな事はどうでも良いじゃないか!それよりも今は、彼が助けてくれた事に感謝しよう!!
事情の知らない民衆の拍手が辺り一帯に響く。スネイクさんはコルセットの顔で笑みを浮かべると、達磨になったイヴを民衆の方に向かって投げる。
「さあ、我らの手で虐殺を止めようではないか!!」
「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!コルセットばんざぁぁぁぁぁぁい!!」」」」
「ま、待って!アダム!私それでも貴方の事を愛して────」
「アダム?何を言っているんだ?俺様はどこからどう見てもコルセットだ。それとな、アダムはお前の事を愛してなんかいないぞ?」
「へっ?あ、待っt────」
イヴ領主は最後に何か言いかけていたが、スネイクさんに届く事は無く、民衆によってかき消されてしまった。
1時間後、怒りが収まった領民を退けて、イブ領主を確認したが・・・どこにいるのかまるで分からなかった。
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