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3章 潜入せよ、不信と獣の領地
48話 答え合わせとちゃっかりさん
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数日後、僕とシームさんと、スネイクさんは今シフォンヌ領を馬車で出ていた。領主不在でこれから起きるであろう混乱に巻き込まれない為である。
「僕とシームさんはともかく、貴方が出ていって良かったんですか?スネイクさん」
「良いんだよ、そっちの方が面白くなりそうだから」
スネイクさんの態度はアダムさんの時とほとんど変わらないけど、性格がはっきりと分かるようになった。
彼は人の不幸で飯が美味いタイプの人間らしい。特にその性格が発揮されるのが、魔族以外の種族の時。イヴ領主の夫になったのも数日前の裏切りの為だったらしい。
「食事会に招待されてから、イヴ領主殺害までの流れは全てスネイクさんの仕業って事で良いんですよね?」
「正解♪君達に引っ込んでもらったのは数年かけて企てた計画を邪魔してもらいたくなかったからさ」
「貴方とイヴ領主が結婚したのは5年前。結婚する前の交際期間を考えるに、6年以上前から計画していた事なんですか?」
「6年4か月と11日だね。だから、君達にどうしても邪魔してほしくなかった」
「もし邪魔していたら?」
「殺してたかも☆」
かなり冗談っぽく言ってはいるが、目がマジの人の目をしている。何も行動を起こさずに観光にいそしんでいて良かった。
「ビーストマンを狂暴化させる薬も貴方が?」
「半分かな?エクレイヌが作ってた薬にちょちょいと手を加えたらあんなになったんだ」
「元の薬はどんなのだったんですか?後学の為に知っておきたいんですが・・・」
「えっと・・・確か、滋養強壮だったかな?」
一体何を入れたら、バーサーカーを作る薬になるんだろうか・・・。
「因みに何であんな事を?」
「何でだって?それは勿論、イヴのあの顔を見る為だけど?」
「えっ?領地を奪い取ってやるとかじゃないんですか?」
「いらない!いらない!!だって、魔王が目を付けてるんでしょ?私、同種族とはあまり殺し合いはしたくないからさ」
僕が新魔王軍所属という情報だけでなく、魔王様が狙っている事も知っているだなんて。一体、どんな情報網を持っているんだ・・・?
「君も魔族でなくても、魔族の仲間なんだからあのイブの顔は最高だと感じただろう?」
「いや・・・すみません。僕はそういう趣味は無くて・・・」
「そっか・・・君は面白い奴だが、趣味は合わないみたいだな。まあ良い。これからついに他の魔族とご対面だ。趣味仲間はそこで探そう」
「そうですか・・・え?来るんですか?バール領に?」
「うん、そのつもりだけど?駄目かな?」
「いやぁ・・・どうでしょう?」
「魔族だから大丈夫じゃないかな?これから帰るまでの数日間よろしく~~」
「・・・裏切らないで下さいよ?」
「裏切らない、裏切らないって!」
まあ、シフォンヌ領攻略の手伝いをしてくれたと言えば、バール様達と敵対する事は無いだろうし、良いか。
安心したアルは揺れる馬車の中で爆睡を決め込んだ。
「僕とシームさんはともかく、貴方が出ていって良かったんですか?スネイクさん」
「良いんだよ、そっちの方が面白くなりそうだから」
スネイクさんの態度はアダムさんの時とほとんど変わらないけど、性格がはっきりと分かるようになった。
彼は人の不幸で飯が美味いタイプの人間らしい。特にその性格が発揮されるのが、魔族以外の種族の時。イヴ領主の夫になったのも数日前の裏切りの為だったらしい。
「食事会に招待されてから、イヴ領主殺害までの流れは全てスネイクさんの仕業って事で良いんですよね?」
「正解♪君達に引っ込んでもらったのは数年かけて企てた計画を邪魔してもらいたくなかったからさ」
「貴方とイヴ領主が結婚したのは5年前。結婚する前の交際期間を考えるに、6年以上前から計画していた事なんですか?」
「6年4か月と11日だね。だから、君達にどうしても邪魔してほしくなかった」
「もし邪魔していたら?」
「殺してたかも☆」
かなり冗談っぽく言ってはいるが、目がマジの人の目をしている。何も行動を起こさずに観光にいそしんでいて良かった。
「ビーストマンを狂暴化させる薬も貴方が?」
「半分かな?エクレイヌが作ってた薬にちょちょいと手を加えたらあんなになったんだ」
「元の薬はどんなのだったんですか?後学の為に知っておきたいんですが・・・」
「えっと・・・確か、滋養強壮だったかな?」
一体何を入れたら、バーサーカーを作る薬になるんだろうか・・・。
「因みに何であんな事を?」
「何でだって?それは勿論、イヴのあの顔を見る為だけど?」
「えっ?領地を奪い取ってやるとかじゃないんですか?」
「いらない!いらない!!だって、魔王が目を付けてるんでしょ?私、同種族とはあまり殺し合いはしたくないからさ」
僕が新魔王軍所属という情報だけでなく、魔王様が狙っている事も知っているだなんて。一体、どんな情報網を持っているんだ・・・?
「君も魔族でなくても、魔族の仲間なんだからあのイブの顔は最高だと感じただろう?」
「いや・・・すみません。僕はそういう趣味は無くて・・・」
「そっか・・・君は面白い奴だが、趣味は合わないみたいだな。まあ良い。これからついに他の魔族とご対面だ。趣味仲間はそこで探そう」
「そうですか・・・え?来るんですか?バール領に?」
「うん、そのつもりだけど?駄目かな?」
「いやぁ・・・どうでしょう?」
「魔族だから大丈夫じゃないかな?これから帰るまでの数日間よろしく~~」
「・・・裏切らないで下さいよ?」
「裏切らない、裏切らないって!」
まあ、シフォンヌ領攻略の手伝いをしてくれたと言えば、バール様達と敵対する事は無いだろうし、良いか。
安心したアルは揺れる馬車の中で爆睡を決め込んだ。
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