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4章 魔王の肩書きを持つ少女
81話 大天使の能力の弱点
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「かすり傷ぐらいはしてもらっても良いんじゃないかな?」
「翼への一撃は今でもジンジンと痛いです」
天秤の付いた杖の石突きを、今度はアスタロト様に向ける。すると、次は土色の魂が2つの皿に現れる。
色が違う。あの色はアスタロト様の魔法属性の色。魔法属性で体重を操作しているのか?
いや、この際原理なんかはどうだって良い。どうやったらあの能力が発動するのかが、問題だ。あの魔力の玉は何をしたらでてきた?
ミカエルは何をしてた?
「石突きをアスタロト様に向けていた・・・それが、発動条件か!!」
ミカエルが石突きで対象を指した時、魔力の玉が出てきていた。ならば、あの杖自体破壊すれば良いのでは?
いや、破壊しなくても別に良いのでは?
「マズイッッ!!させるかっ!!」
「愚鈍。遅いです」
熟考しているうちに、ミカエルによって、体重操作が行われ、アスタロト様は重心が右となり、右方向に倒れてしまった。
「終止符を打ちます。光は邪悪を貫く『ライトニングショット』」
ミカエルの指先に大きな光が集まる。恐らく魔法名からして、光を弾丸のように放つ技だ。あの魔法を止めなければアスタロト様が死ぬ・・・!!
「殺させぬ!!闇は光すらも飲み込む『ダーク・シールド』!!」
闇と光は互いに相殺する関係。魔王様の起点によって生み出された闇の盾は、光の弾丸を受け止め、砕け散った。
「今だっ!!闇より出し黒き手よ、冷たいその手で包み込め!『シャドウ・ハンド』!!
アルが放ったのは、シャドウ・ハンド。無機物である杖を破壊するにはやや役不足の魔法だ。しかし、アルは速攻の破壊を狙ってはいなかった。
「無駄です。貴方ではこの杖は壊せない」
「壊すつもりは毛頭ないよっ!!」
杖と剣も僕達が知らない技術で作られている可能性が高い。もしかしたら、僕達では壊す事はほぼ不可能な強度を誇っているかも。
ならば、その手から奪えば良いのだ。
ミカエルは壊される方を予想していたようで、シャドウ・ハンドが天秤の杖に触れる事を許した。お陰で、ミカエルの手から天秤の杖を手放す事に成功した。
「迂闊。返しなさい」
「おっ?戻った!立てるようになった!!」
「アルフォース!余に渡せ!!」
シャドウ・ハンドを操作して、動きの自由を取り戻したアスタロト様に投げ渡す。所有者の手から離れると、能力が解けるみたいだ。
アスタロト様は見事キャッチすると、いつも大弓を引っ張っている剛腕を全力で使い、何とか杖をへし折ってくれた。
「驚愕。まさか、天使の武器がたかが魔物ごときに折られてしまうとは・・・ここは一時撤退を」
「そんな事させるとでも思ったかい?シャドウ・ハンド!!」
僕が杖を奪っている隙にバール様が足元に潜伏させていたシャドウ・ハンドがミカエルの足を掴む。練度の高い為、僕とは比べ物にならないくらい強く掴まれて空へと逃げられないみたいだ。
「「「「魔王様!!トドメを!!」」」」
「陽を知らぬ、暗黒の花よ!吸い取れ『デス・フラワー』!!」
魔王様の人差し指の先から発射された黒い種。ミカエルの皮膚を突き破り、侵入すると、彼女の養分と水分を吸い取り、大きな花へと成長する。
絞り尽くされたミカエルは、美しい姿からミイラのような醜い姿へと変貌を遂げ、その場に倒れた。
「失敗・・・ニグン様。申し訳、ございません・・・」
ミカエルは、恨み言でも侮辱でもなく、真の主人へ謝罪の言葉を述べ、力尽きたのであった。
「翼への一撃は今でもジンジンと痛いです」
天秤の付いた杖の石突きを、今度はアスタロト様に向ける。すると、次は土色の魂が2つの皿に現れる。
色が違う。あの色はアスタロト様の魔法属性の色。魔法属性で体重を操作しているのか?
いや、この際原理なんかはどうだって良い。どうやったらあの能力が発動するのかが、問題だ。あの魔力の玉は何をしたらでてきた?
ミカエルは何をしてた?
「石突きをアスタロト様に向けていた・・・それが、発動条件か!!」
ミカエルが石突きで対象を指した時、魔力の玉が出てきていた。ならば、あの杖自体破壊すれば良いのでは?
いや、破壊しなくても別に良いのでは?
「マズイッッ!!させるかっ!!」
「愚鈍。遅いです」
熟考しているうちに、ミカエルによって、体重操作が行われ、アスタロト様は重心が右となり、右方向に倒れてしまった。
「終止符を打ちます。光は邪悪を貫く『ライトニングショット』」
ミカエルの指先に大きな光が集まる。恐らく魔法名からして、光を弾丸のように放つ技だ。あの魔法を止めなければアスタロト様が死ぬ・・・!!
「殺させぬ!!闇は光すらも飲み込む『ダーク・シールド』!!」
闇と光は互いに相殺する関係。魔王様の起点によって生み出された闇の盾は、光の弾丸を受け止め、砕け散った。
「今だっ!!闇より出し黒き手よ、冷たいその手で包み込め!『シャドウ・ハンド』!!
アルが放ったのは、シャドウ・ハンド。無機物である杖を破壊するにはやや役不足の魔法だ。しかし、アルは速攻の破壊を狙ってはいなかった。
「無駄です。貴方ではこの杖は壊せない」
「壊すつもりは毛頭ないよっ!!」
杖と剣も僕達が知らない技術で作られている可能性が高い。もしかしたら、僕達では壊す事はほぼ不可能な強度を誇っているかも。
ならば、その手から奪えば良いのだ。
ミカエルは壊される方を予想していたようで、シャドウ・ハンドが天秤の杖に触れる事を許した。お陰で、ミカエルの手から天秤の杖を手放す事に成功した。
「迂闊。返しなさい」
「おっ?戻った!立てるようになった!!」
「アルフォース!余に渡せ!!」
シャドウ・ハンドを操作して、動きの自由を取り戻したアスタロト様に投げ渡す。所有者の手から離れると、能力が解けるみたいだ。
アスタロト様は見事キャッチすると、いつも大弓を引っ張っている剛腕を全力で使い、何とか杖をへし折ってくれた。
「驚愕。まさか、天使の武器がたかが魔物ごときに折られてしまうとは・・・ここは一時撤退を」
「そんな事させるとでも思ったかい?シャドウ・ハンド!!」
僕が杖を奪っている隙にバール様が足元に潜伏させていたシャドウ・ハンドがミカエルの足を掴む。練度の高い為、僕とは比べ物にならないくらい強く掴まれて空へと逃げられないみたいだ。
「「「「魔王様!!トドメを!!」」」」
「陽を知らぬ、暗黒の花よ!吸い取れ『デス・フラワー』!!」
魔王様の人差し指の先から発射された黒い種。ミカエルの皮膚を突き破り、侵入すると、彼女の養分と水分を吸い取り、大きな花へと成長する。
絞り尽くされたミカエルは、美しい姿からミイラのような醜い姿へと変貌を遂げ、その場に倒れた。
「失敗・・・ニグン様。申し訳、ございません・・・」
ミカエルは、恨み言でも侮辱でもなく、真の主人へ謝罪の言葉を述べ、力尽きたのであった。
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