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最終章 勝利の為なら手段は選ばず

156話 魔王様、決意

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「今、現在。我々は天使からの攻撃に晒されている。しかし、ここに集まったと言う事は何とか乗り越えたという事だろう!」

「バール軍のおかげでね。あと少し到着が遅かったら、容易してた武器が全ておじゃんになってたかも?」

「という事は魔族の剣が狙われたという事か。しっかり守れたのか?」

「勿論!何なら、持ってきてもある!見るかい?」

「それは後でにしよう。量産と応用にも成功したみたいだな」

「斧と槍、鎖鎌なんかも作っちゃいました」

 戦争に鎖鎌って使いづらいのでは?という突っ込みは無しだ。

「我々を襲ってきた天使の正体は、男神ニグンが送ってきた刺客という事で間違いないな?」

「拷問した所、良い声で鳴いてくれた後に吐きましたよ。天使の身体能力には驚きですが、痛みなどの耐性は全くないですね。爪一枚剥いだだけで泣き叫んでいましたよ?」

「因みにその天使は?」

「翼の羽を全て剥いで、歯も全部折ってきました。癪に障る個体だったので」

 大分残酷な気もするが、そのボロボロの天使を戦場に持っていけば、相手への挑発となるだろう。

「エンデ王国の援軍というのは天使だったというわけか。他国からの援軍は?」

「無いみたいだねぇ。同盟が110年前だという事もあるし、最近のエンデ王国のヒューム至上主義が祟っているみたいだ」

 エルフやドワーフなどの種族が住んでいるのは、エンデだけではない。隣国のノア公国の人口の6割はヒューム以外の種族が占めている。エンデははっきり言って腫物のような存在なのだ。

「つまりは、正々堂々とエンデを滅ぼしても文句は言われないという事ですね?」

「そうなるな・・・準備は出来ているな?」

 偵察隊の情報によると、エンデ王領には、襲ってきた天使の比ではない数の天使が蔓延っているらしい。僕らが撃退した事を知った天使達は、再び攻めてくるはずだ。

 となると、防衛戦となり、多くの人々が傷つく事となる。何としてでもそれは避けなければならない。

「今すぐ、動ける人を終結させよう。アル、わたしの軍の7割をルシフェル領まで呼びたまえ。残り3割は奇襲対策で待機させておくように。あと、わたしの城の研究員も呼びたまえ。いつも好き勝手研究させてやっているんだ。研究の成果を発揮してもらわねばね」

「駄々を捏ねたら?」

「研究所から追い出すと言っておいてくれ。4日後までには移動を頼むよ」

「おい!クアンタ!お前も今すぐ余の領地に戻り、余の自慢のケンタウロス隊をまこの領地に集合するように声をかけろ!!ケンタウロス隊以外にも参加したい者がいるなら、来ても良いと伝えておけ!伝えおえたら、お前はそのまま領地に残れ!!良いな!」

「は、はいぃぃ・・・!!」

 僕は再び、馬でバール領へと戻るのであった。いつになったら眠れるのだろうと思いながら。
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