169 / 184
最終章 勝利の為なら手段は選ばず
167話 墜落させろガブリエル
しおりを挟む
「アル!あいつが死んだ天使達を操ってるんだよね?」
「そう!ガブリエルが操ってる!他の強くなったエンデの兵士達もガブリエルが操ってるからだよ!」
「そうなの!なら、早めに倒さなきゃいけないね!おいらに良い考えがあるんだけど聞くかい?」
ゴップの考えは、時に状況を大きく変えるチャンスとなる。聞いておいて損はないだろう。
ゴップに耳を傾けて、考えを聞いたアルは、すぐさまゴップの手を握り、笑みを浮かべた。
「それ最高。確率高いし、ガブリエルの尊厳破壊にもなる。どうしてそんなに良い作戦が思いつくんだい?」
「日頃の行いかな?」
「それは言えてるかも。よっしゃやろうか!」
「アルに負担かけちゃうけど、ごめんね!!」
ゴップは予め謝罪を口にすると、手に魔力を集中させ始めた。
「さあ、危険なジャグリングの始まりだ!『ファイアジャグリング』!」
ゴップの両手にお手玉サイズの炎の球が出現。ゴップはそれを、空で自由に舞うガブリエルに向かってぶん投げた。
「おっとぉ、危ないねぇ。やはり小鬼が考えられる事なんてこの程度か。どんなに人間と同レベルの知能を手に入れようが所詮は魔物の域から出ないというわけだ」
「まだまだぁ!!」
空になった手のひらに再び炎の玉が出現する。ファイアジャグリングは、言うなれば、ファイアボールの正統進化。好きな数だけ炎の玉を作り出し、使う事ができるのだ。
「19!20!21!22!!」
「どんなに数投げようが、一度に投げられる炎の玉は人間の体の構造上1つ。球速も大したことは無い。こんなの目を閉じていても避けられるね!」
「32!33!34!35!!」
ゴップが一生懸命炎の玉を投げる中、アルは、1人でゾンビ天使達を相手取る。死んでいて倒せないならば、バラバラにすれば良い。アルはいつも以上に敵を切り刻む。
コツコツを切り刻み、ゾンビ天使が全て動かなくなった時には、ゴップは既に今日の分の魔力を全て使い切っていた。それまで投げた炎の玉の数は256。しかし、どれもガブリエルに当たることは無かった。
魔物が一生懸命自分に攻撃しようとしている姿にガブリエルは爆笑。惨めなゴップを馬鹿にする。
「ゴブリン一体が、大天使ガブリエルを倒せるとおもうなよ!バーカッ!!」
「1人?ねえ、大天使ガブリエル。いつおいらは1人で倒すって言った?」
「?何を言っているんだ?」
「上を見ろ!!おおまぬけ!」
ガブリエルより更に上。空の方向には、小さな炎の玉が256個浮かんで・・・否、キャッチされていた。アルが出していた256本のシャドウ・ハンドによって。
「炎の玉が落ちてこないことに違和感も感じなかったの?あ、そっか!天界にいたから、下界の常識を知らないだね!!」
「な、何をする気!?ま、まさかこの玉全てを─────」
「「ぶつかるのさ!!」」
シャドウ・ハンドがキープしていた炎の玉が、再びガブリエルに向かって投げられる。4本の翼で空でも圧倒的な機動力を有するガブリエルでも避け切る事はできなかった。
「ギャアァァァァォォォォォォ!!」
焼き鳥ならぬ焼き天使となったガブリエルが地面に墜落してくる。地面をキスした時には、既に息はなく、心臓の音も鳴っていなかった。
「最高だね、アル」
「それ以外の言葉が見つからないな。ゴップ」
親友2人はグータッチして魔王軍の元へと戻っていった。叫び喜ぶのはまた後でのお楽しみだ。
「そう!ガブリエルが操ってる!他の強くなったエンデの兵士達もガブリエルが操ってるからだよ!」
「そうなの!なら、早めに倒さなきゃいけないね!おいらに良い考えがあるんだけど聞くかい?」
ゴップの考えは、時に状況を大きく変えるチャンスとなる。聞いておいて損はないだろう。
ゴップに耳を傾けて、考えを聞いたアルは、すぐさまゴップの手を握り、笑みを浮かべた。
「それ最高。確率高いし、ガブリエルの尊厳破壊にもなる。どうしてそんなに良い作戦が思いつくんだい?」
「日頃の行いかな?」
「それは言えてるかも。よっしゃやろうか!」
「アルに負担かけちゃうけど、ごめんね!!」
ゴップは予め謝罪を口にすると、手に魔力を集中させ始めた。
「さあ、危険なジャグリングの始まりだ!『ファイアジャグリング』!」
ゴップの両手にお手玉サイズの炎の球が出現。ゴップはそれを、空で自由に舞うガブリエルに向かってぶん投げた。
「おっとぉ、危ないねぇ。やはり小鬼が考えられる事なんてこの程度か。どんなに人間と同レベルの知能を手に入れようが所詮は魔物の域から出ないというわけだ」
「まだまだぁ!!」
空になった手のひらに再び炎の玉が出現する。ファイアジャグリングは、言うなれば、ファイアボールの正統進化。好きな数だけ炎の玉を作り出し、使う事ができるのだ。
「19!20!21!22!!」
「どんなに数投げようが、一度に投げられる炎の玉は人間の体の構造上1つ。球速も大したことは無い。こんなの目を閉じていても避けられるね!」
「32!33!34!35!!」
ゴップが一生懸命炎の玉を投げる中、アルは、1人でゾンビ天使達を相手取る。死んでいて倒せないならば、バラバラにすれば良い。アルはいつも以上に敵を切り刻む。
コツコツを切り刻み、ゾンビ天使が全て動かなくなった時には、ゴップは既に今日の分の魔力を全て使い切っていた。それまで投げた炎の玉の数は256。しかし、どれもガブリエルに当たることは無かった。
魔物が一生懸命自分に攻撃しようとしている姿にガブリエルは爆笑。惨めなゴップを馬鹿にする。
「ゴブリン一体が、大天使ガブリエルを倒せるとおもうなよ!バーカッ!!」
「1人?ねえ、大天使ガブリエル。いつおいらは1人で倒すって言った?」
「?何を言っているんだ?」
「上を見ろ!!おおまぬけ!」
ガブリエルより更に上。空の方向には、小さな炎の玉が256個浮かんで・・・否、キャッチされていた。アルが出していた256本のシャドウ・ハンドによって。
「炎の玉が落ちてこないことに違和感も感じなかったの?あ、そっか!天界にいたから、下界の常識を知らないだね!!」
「な、何をする気!?ま、まさかこの玉全てを─────」
「「ぶつかるのさ!!」」
シャドウ・ハンドがキープしていた炎の玉が、再びガブリエルに向かって投げられる。4本の翼で空でも圧倒的な機動力を有するガブリエルでも避け切る事はできなかった。
「ギャアァァァァォォォォォォ!!」
焼き鳥ならぬ焼き天使となったガブリエルが地面に墜落してくる。地面をキスした時には、既に息はなく、心臓の音も鳴っていなかった。
「最高だね、アル」
「それ以外の言葉が見つからないな。ゴップ」
親友2人はグータッチして魔王軍の元へと戻っていった。叫び喜ぶのはまた後でのお楽しみだ。
1
あなたにおすすめの小説
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる