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小魚、歓迎される
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「お、お前たちは!?」
門番に少し近づくと、俺たちのことに気がついたらしい。目をまん丸にして俺たちのところを慌てて走ってきた。
「え、え?」
「私も知らないよ。ここに来たのなんて初めてだし」
答えを求めてリズを見たが、検討も付いていないようだった。門番が来るのを身構えて待っていると、目の前に来た門番は俺たちの前に跪いた。
「あ、あなたは堕天使……!? それに、あなたは……!? 一緒にきたということは……そういうことですか!」
どうやらリズが気になって突っ込んできたらしい。ただ、俺のことを見ても何やら驚いている。
確かに、リズは大きな翼が生えているので、魚人なんかが泳いでいるこの場所ではかなり目立つ。それに気付いて声をかけてきたってことか。
あと、俺と一緒に来たことがポイントになっているようだ。
「私が魚と来たから何? 最後までしっかり話してもらわないと分からないわ」
肝心な言葉を伏せて話す門番にリズが少し怒ったように話す。すると、門番はもともと青い顔を白くして話し始めた。
「この城は、かつて地上を追放された民で作られたのです。堕天使さまは、我らと再び手を取るために来ていただいたのでは?」
「まぁ、そうね。あなた達と再び交流をはかっても良いかと思ってきたの」
!!?
何言ってんだこいつ。
平然な顔してほら吹きやがった。
「ほ、本当ですか!? では、あなたもそのつもりで」
続いて俺の方を見てきた。
いや、リズに関してはどうして驚いていたのか分かったけど、俺に関しては全く分かってない。
「俺にもはっきり君の言葉を聞かせてくれたまえ」
リズに続き、俺も不遜な態度をとる。
すると、門番は俺についても説明をしてくれた。
ざっくりまとめると、俺は選ばれし魚らしい。
小さな体で地と海を繋ぐ魚が現れると伝承が残っているとのことだった。
何言ってんだこいつ……。とは思ったけど、歓迎してくれるというのなら甘んじて受けよう。
正直ただの小魚であることを言うのはやめて、門番の言った通りにリズと演じる。
「それで、俺たちに何かすべきことがあるんじゃないか?」
「そうね。これからの事も話したいし?」
「もちろんです! 姫に会っていただこうと思いますので、ついてきていただけますか?」
適当に話を合わせていると、城の主人である姫にあうことになった。ここから想定するのは玉手箱を貰うぐらいだけど、どうなるかなぁ。
門番の案内に従い、俺たちは姫のいる部屋に向かうことになった。
◆
「ようこそいらっしゃいました!! 私は乙姫といいます。あなた達にこの城に来ていただけるなんて思ってもいませんでした」
「す、すごいな」
「び、びっくりね」
案内されたのは、とんでもなく豪華絢爛な部屋だ。
あらゆる場所に宝石や、美しい絵画などが置かれている。
金を感じる部屋だった。
成金丸出しでかなり趣味が悪い。
「こんな日がくるなんて夢にも思っていませんでした! 本当に嬉しいです」
しかし、そこにいる姫は人魚だ。
黒く長い髪に整った顔立ちをしている。
着物を着ていて、部屋の雰囲気とは逆に清楚な雰囲気を感じる。
挨拶を済ませた後、俺たちは本題に入った。
「ねぇ、この辺りって面白いものが手に入れられる場所ある?」
「このあたりで、ですか……。手に入るかは分かりませんが、恐ろしい場所のお話ならありますよ」
「どんな場所なんだ?」
恐らくどのプレイヤーも行ったことのない場所のはずだ。
どんな場所か分からないが、ちょっかいを出してみたい。
「海底洞窟なのですが、そこに恐ろしい悪魔が潜んでいるのです。奥には秘宝が眠っていると聞きますので、きっとお眼鏡に叶うものが見つかるかと」
良い話だ。
モンスターを倒してレベルも上げられるし、レアアイテムも手に入れられるビッグチャンス。
チラリとリズを見ると同じことを思っていたらしく、いやらしく笑みを浮かべていた。
「その場所を教えてくれ。俺たちで行ってみよう」
「そうね。サクッと倒してきちゃうわ」
「本当ですか!? もし倒せたなら、私たちにとってもめでたいことですので教えていただいただけると嬉しいです」
「分かったわ。何か褒美でも用意してくれるかしら?」
「ももももちろんです! 何でもします。そうだ。堕天使さまが水にずっと潜っていることは出来ないと思うので、これを渡しますね。」
乙姫がリズに渡したのは竹だ。
くわえることでリズも水中で動き続けられるようになるようだ。
便利なアイテムだな。
これで時間をかけてダンジョンに潜れる。
「ありがとう。色々楽しみにしてるわね」
「早速向かうから、場所を教えてくれるか?」
「はい! この城の近くにありますので、場所を教えさせていただきますね!」
こうして、俺たちは乙姫に教えられた海底洞窟に向かうことにした。クリアはもちろんのことだが、リズのおかげでその後の褒美も期待できそうだ。
門番に少し近づくと、俺たちのことに気がついたらしい。目をまん丸にして俺たちのところを慌てて走ってきた。
「え、え?」
「私も知らないよ。ここに来たのなんて初めてだし」
答えを求めてリズを見たが、検討も付いていないようだった。門番が来るのを身構えて待っていると、目の前に来た門番は俺たちの前に跪いた。
「あ、あなたは堕天使……!? それに、あなたは……!? 一緒にきたということは……そういうことですか!」
どうやらリズが気になって突っ込んできたらしい。ただ、俺のことを見ても何やら驚いている。
確かに、リズは大きな翼が生えているので、魚人なんかが泳いでいるこの場所ではかなり目立つ。それに気付いて声をかけてきたってことか。
あと、俺と一緒に来たことがポイントになっているようだ。
「私が魚と来たから何? 最後までしっかり話してもらわないと分からないわ」
肝心な言葉を伏せて話す門番にリズが少し怒ったように話す。すると、門番はもともと青い顔を白くして話し始めた。
「この城は、かつて地上を追放された民で作られたのです。堕天使さまは、我らと再び手を取るために来ていただいたのでは?」
「まぁ、そうね。あなた達と再び交流をはかっても良いかと思ってきたの」
!!?
何言ってんだこいつ。
平然な顔してほら吹きやがった。
「ほ、本当ですか!? では、あなたもそのつもりで」
続いて俺の方を見てきた。
いや、リズに関してはどうして驚いていたのか分かったけど、俺に関しては全く分かってない。
「俺にもはっきり君の言葉を聞かせてくれたまえ」
リズに続き、俺も不遜な態度をとる。
すると、門番は俺についても説明をしてくれた。
ざっくりまとめると、俺は選ばれし魚らしい。
小さな体で地と海を繋ぐ魚が現れると伝承が残っているとのことだった。
何言ってんだこいつ……。とは思ったけど、歓迎してくれるというのなら甘んじて受けよう。
正直ただの小魚であることを言うのはやめて、門番の言った通りにリズと演じる。
「それで、俺たちに何かすべきことがあるんじゃないか?」
「そうね。これからの事も話したいし?」
「もちろんです! 姫に会っていただこうと思いますので、ついてきていただけますか?」
適当に話を合わせていると、城の主人である姫にあうことになった。ここから想定するのは玉手箱を貰うぐらいだけど、どうなるかなぁ。
門番の案内に従い、俺たちは姫のいる部屋に向かうことになった。
◆
「ようこそいらっしゃいました!! 私は乙姫といいます。あなた達にこの城に来ていただけるなんて思ってもいませんでした」
「す、すごいな」
「び、びっくりね」
案内されたのは、とんでもなく豪華絢爛な部屋だ。
あらゆる場所に宝石や、美しい絵画などが置かれている。
金を感じる部屋だった。
成金丸出しでかなり趣味が悪い。
「こんな日がくるなんて夢にも思っていませんでした! 本当に嬉しいです」
しかし、そこにいる姫は人魚だ。
黒く長い髪に整った顔立ちをしている。
着物を着ていて、部屋の雰囲気とは逆に清楚な雰囲気を感じる。
挨拶を済ませた後、俺たちは本題に入った。
「ねぇ、この辺りって面白いものが手に入れられる場所ある?」
「このあたりで、ですか……。手に入るかは分かりませんが、恐ろしい場所のお話ならありますよ」
「どんな場所なんだ?」
恐らくどのプレイヤーも行ったことのない場所のはずだ。
どんな場所か分からないが、ちょっかいを出してみたい。
「海底洞窟なのですが、そこに恐ろしい悪魔が潜んでいるのです。奥には秘宝が眠っていると聞きますので、きっとお眼鏡に叶うものが見つかるかと」
良い話だ。
モンスターを倒してレベルも上げられるし、レアアイテムも手に入れられるビッグチャンス。
チラリとリズを見ると同じことを思っていたらしく、いやらしく笑みを浮かべていた。
「その場所を教えてくれ。俺たちで行ってみよう」
「そうね。サクッと倒してきちゃうわ」
「本当ですか!? もし倒せたなら、私たちにとってもめでたいことですので教えていただいただけると嬉しいです」
「分かったわ。何か褒美でも用意してくれるかしら?」
「ももももちろんです! 何でもします。そうだ。堕天使さまが水にずっと潜っていることは出来ないと思うので、これを渡しますね。」
乙姫がリズに渡したのは竹だ。
くわえることでリズも水中で動き続けられるようになるようだ。
便利なアイテムだな。
これで時間をかけてダンジョンに潜れる。
「ありがとう。色々楽しみにしてるわね」
「早速向かうから、場所を教えてくれるか?」
「はい! この城の近くにありますので、場所を教えさせていただきますね!」
こうして、俺たちは乙姫に教えられた海底洞窟に向かうことにした。クリアはもちろんのことだが、リズのおかげでその後の褒美も期待できそうだ。
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