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プロローグ
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村に病が流行り、俺は神に救いを求めるために村からの供物として神の生贄になった。
はりつけられ、身動きを一切取れない状態にされている。
「トール、すまない……。本当にすまない……」
村長は泣きながら俺に謝る。
俺が生贄になったのは、神が村で一番の魔力を持っている人間を欲したからだ。
村の中で圧倒的な魔力を持つ俺は、議論の余地なくしてこうして供物として神にささげられている。
「仕方ないよ。俺の犠牲で村が救われるなら本望だ」
「しかし……。くっ!! さらばだっ!!!」
強がりだと思ったのかもしれない。
村長は涙を堪えながら、生贄の祭壇から去っていった。
◆
『お前が供物か。我の要望以上の、素晴らしい供物だ』
しばらくすると、頭の中に声が響いてきた。
周りを見ても何もいないけど、おそらくこれが神の御業なるものなんだろう。
俺は素直に返答することにした。
「俺が犠牲になれば村のみんなを助けてくれるんですよね。頼みますよ、神様」
『あぁ? 何故我が人間の言うことなど聞かなければならないのだ。我はただ供物を喰らいにきただけだ。そもそも病を流行らせたのは我であるしなぁ』
な、なんだって!?
俺が生贄になれば村を救ってくれるって話だからこうして俺は生贄になったのに、そもそもの原因はこいつだったっていうのか!
「なんで村にそんなことをしたんだ!!」
『我も人間という供物が欲しくなってな。少し脅しをかけたまでよ。そんなことよりも我はお前を喰らいたい。我の力の一旦となるが良い』
神様は勝手なことを言ってくる。
しかし、姿も形も見えないし、なにせ俺は縛られているせいで身動き一つとることが出来ない。
「い、、いやだ!! そんなことなら生贄になるのなんてお断りだ!!」
『そんな勝手な事を許すと思うか! 貴様は我が今から取り込むのだ』
神様が怒った口調になると同時に、俺の少し上空にどす黒い雲が出現する。
辺りは晴れているのに俺の真上だけ真っ暗だ。これが、生贄の儀式か!
「やだやだやだやだやだ!!」
こんな無駄な死に方なんてしたくない。
村のみんなにこの事実を伝えなくては、このままではみんな死んでしまう!
俺はなんとか逃げ出そうともがく。
『死ねぇ!!!』
しかし神様はそれを許さなかった。
雲からは真っ白な雷が放たれる。
放たれた雷は一瞬で俺の体を突き抜ける。
「ああっがあがががえああががががががああああ!!!!?」
『いい声だぁ!! 鳴け! もっとその声を我に聞かせろ!!』
衝撃が俺の突き抜けているのを、神様はあざ笑う。
しかし、俺はとある異変に気付いた。
「あ、あれ……?」
身体を突き抜け、最初は激痛が走っていた雷も次第に慣れてきていたのだ。
30秒ほどたった今、むしろ雷は俺の身体に浸透し、何かを満たしてすらいるように感じる。
「貴様!! どうして我の雷を浴びてピンピンしておるのだ!!」
俺をはりつけにしていた台は壊れて俺は自由の身となったが身体はピンピンしている。
この事態はおかしいようで、神様の動揺した声が聞こえてきた。
「あれ……力が漲ってくる!!」
手の足から足の先まで、今までに感じたことのないエネルギーを纏っていたのだ。
こんな感覚は初めてだ。
『我が実体化していないせいでおかしなことになっていたようだな。貴様のような人間は消してる!!!」』
神様が俺の前に現れた。
そして、さらなる一撃を俺に与えてくる。
ただ、それはさっきまでとは明らかに力の入れ方が違うものだった。
真っ黒な雲は数キロ単位で広がり、今度は真っ黒な雷が雲から俺に向かって放たれる。
「あぁぁあああああああ!!! すごいぃぃぃぃぃぃいいい!!!!」
さっきとは比べ物にならないほどの快感が俺の体を駆け巡る。
今までの殻が破壊され、新たな自分に生まれ変わったような感じだ。
『なぜ、なぜ神の雷を受けて平気で立っておるのだ!! 貴様、本当に人間なのか!?』
何度も何度も雷を放った神様だったが、ついに俺には何の効果もないと悟ったらしくついに雷を放つのをやめた。
周りを見てみると、怒りで闇雲に雷を放ったようで、辺りは悲惨なことになっていた。
近くに見える大地全てが真っ黒に焦げていたのだ。
『くそぉぉぉぉぉ!!! こんな人間、相手にしていられるか!!』
俺の吸収能力? に神様は恐れをなしたらしい。
地団駄を踏んだあと、姿を消した。
「やった! あいつがいなくなれば村は救われる!!」
病原菌をばらまいていた奴がいなくなったんだ。もしかしたら村人の病気も治っているかもしれない。
俺は雷に焼かれて全裸になっていることも気にせずに村へ戻ることにした。
はりつけられ、身動きを一切取れない状態にされている。
「トール、すまない……。本当にすまない……」
村長は泣きながら俺に謝る。
俺が生贄になったのは、神が村で一番の魔力を持っている人間を欲したからだ。
村の中で圧倒的な魔力を持つ俺は、議論の余地なくしてこうして供物として神にささげられている。
「仕方ないよ。俺の犠牲で村が救われるなら本望だ」
「しかし……。くっ!! さらばだっ!!!」
強がりだと思ったのかもしれない。
村長は涙を堪えながら、生贄の祭壇から去っていった。
◆
『お前が供物か。我の要望以上の、素晴らしい供物だ』
しばらくすると、頭の中に声が響いてきた。
周りを見ても何もいないけど、おそらくこれが神の御業なるものなんだろう。
俺は素直に返答することにした。
「俺が犠牲になれば村のみんなを助けてくれるんですよね。頼みますよ、神様」
『あぁ? 何故我が人間の言うことなど聞かなければならないのだ。我はただ供物を喰らいにきただけだ。そもそも病を流行らせたのは我であるしなぁ』
な、なんだって!?
俺が生贄になれば村を救ってくれるって話だからこうして俺は生贄になったのに、そもそもの原因はこいつだったっていうのか!
「なんで村にそんなことをしたんだ!!」
『我も人間という供物が欲しくなってな。少し脅しをかけたまでよ。そんなことよりも我はお前を喰らいたい。我の力の一旦となるが良い』
神様は勝手なことを言ってくる。
しかし、姿も形も見えないし、なにせ俺は縛られているせいで身動き一つとることが出来ない。
「い、、いやだ!! そんなことなら生贄になるのなんてお断りだ!!」
『そんな勝手な事を許すと思うか! 貴様は我が今から取り込むのだ』
神様が怒った口調になると同時に、俺の少し上空にどす黒い雲が出現する。
辺りは晴れているのに俺の真上だけ真っ暗だ。これが、生贄の儀式か!
「やだやだやだやだやだ!!」
こんな無駄な死に方なんてしたくない。
村のみんなにこの事実を伝えなくては、このままではみんな死んでしまう!
俺はなんとか逃げ出そうともがく。
『死ねぇ!!!』
しかし神様はそれを許さなかった。
雲からは真っ白な雷が放たれる。
放たれた雷は一瞬で俺の体を突き抜ける。
「ああっがあがががえああががががががああああ!!!!?」
『いい声だぁ!! 鳴け! もっとその声を我に聞かせろ!!』
衝撃が俺の突き抜けているのを、神様はあざ笑う。
しかし、俺はとある異変に気付いた。
「あ、あれ……?」
身体を突き抜け、最初は激痛が走っていた雷も次第に慣れてきていたのだ。
30秒ほどたった今、むしろ雷は俺の身体に浸透し、何かを満たしてすらいるように感じる。
「貴様!! どうして我の雷を浴びてピンピンしておるのだ!!」
俺をはりつけにしていた台は壊れて俺は自由の身となったが身体はピンピンしている。
この事態はおかしいようで、神様の動揺した声が聞こえてきた。
「あれ……力が漲ってくる!!」
手の足から足の先まで、今までに感じたことのないエネルギーを纏っていたのだ。
こんな感覚は初めてだ。
『我が実体化していないせいでおかしなことになっていたようだな。貴様のような人間は消してる!!!」』
神様が俺の前に現れた。
そして、さらなる一撃を俺に与えてくる。
ただ、それはさっきまでとは明らかに力の入れ方が違うものだった。
真っ黒な雲は数キロ単位で広がり、今度は真っ黒な雷が雲から俺に向かって放たれる。
「あぁぁあああああああ!!! すごいぃぃぃぃぃぃいいい!!!!」
さっきとは比べ物にならないほどの快感が俺の体を駆け巡る。
今までの殻が破壊され、新たな自分に生まれ変わったような感じだ。
『なぜ、なぜ神の雷を受けて平気で立っておるのだ!! 貴様、本当に人間なのか!?』
何度も何度も雷を放った神様だったが、ついに俺には何の効果もないと悟ったらしくついに雷を放つのをやめた。
周りを見てみると、怒りで闇雲に雷を放ったようで、辺りは悲惨なことになっていた。
近くに見える大地全てが真っ黒に焦げていたのだ。
『くそぉぉぉぉぉ!!! こんな人間、相手にしていられるか!!』
俺の吸収能力? に神様は恐れをなしたらしい。
地団駄を踏んだあと、姿を消した。
「やった! あいつがいなくなれば村は救われる!!」
病原菌をばらまいていた奴がいなくなったんだ。もしかしたら村人の病気も治っているかもしれない。
俺は雷に焼かれて全裸になっていることも気にせずに村へ戻ることにした。
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