運命を刻む者たち

ペルシャ猫

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常に頂点に立つ者

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 フェアたちがデストロイと戦っている間【吊るされた男】のウェイト・タイムはパペスキル王国の王宮の屋根に潜んでいた。
「久しぶりだなぁ、デストロイ。今日はお前と決着をつけに来た。待ってろよ」
 不気味な声が響いた。

 デストロイはフェアを切り刻むとパスを向き、また鎌を構えた。デストロイが釜を振り下ろそうとしたその瞬間、デストロイとパスの間に人影が割って入ってきた。ウェイトだ。ウェイトはすぐさまデストロイへと先にナイフをつけた鎖を振り付ける。デストロイは見覚えのある男に目を見開いた。
「ウェイト、お前生きていたのか……首を吊らせたはずだが」
 デストロイは驚愕に身を震わせた。
「どうやって生き残った」
「お前俺の能力知ってるだろ。縄で首が締まらないよう身体を宙に固定したんだよ」
 ウェイトは答えると同時に手の武器を振り回す。デストロイは近づけず一歩後ろに下がった。それに続いてウェイトは追いかけ、デストロイの足に武器を振り付けた。デストロイはそれを後ろに避けると一気に距離を詰めた。しかし、その途端デストロイの姿勢が崩れた。
「何⁉︎ 」
 足元を見ると片足の足首が取れていた。
「まだわからないのか? まあ、無理もない。お前には見せたことない技だもんな。特別に教えてやるよ。空中に斬撃を固定したのさ」
 焦るデストロイの首にウェイトは武器を巻きつけた。デストロイは苦しさに顔を歪める。ウェイトは口の端をつり上げると鎖を力の限り引き上げると、デストロイの首は悲鳴をあげるように血しぶきをあげ、無残に引きちぎられた。
 デストロイは昔吊ったはずの男から吊られてその一つの一生を終わらせた。

 残り、13人。

 No.13 【死神】 デストロイ・リブ
 Ability:【細胞破壊】…触れたところの細胞を腐らせ殺す
 Main Image
正位置:終結、崩壊、終わりと始まり
逆位置:再生、復活、回復
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