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カタカタとドアが揺らされるたびに、鍵が緩くなっていた。
もし、そのまま鍵が開くことなく、彼の罪を突き付ける事ができるなら私は見て見ぬふりをできるでしょうが、鍵が開かれてしまえば私は私を偽らなければならなくなる。 そうでなければ、彼はきっと私を警戒するでしょう。
彼は、私が完全に自分の支配下にあると考えているからこそ暴力を納め、興味を失いつつも利用価値を見出し囲い込もうとしているのですから。
穏便に済ませなければいけません。
「マルクル兄様なのですか?」
怖い……。
それでも私は喜ばなければいけない。
上手く笑えているか自信がない。
「ようやく扉を開けてくれましたね」
細い細い月は、微かに冷ややかなマルクルの笑みを浮かべているけれど、私と同様に彼の笑みは嘘っぽく歪んでいる。 ただ、歪んで見えるのか? それとも……彼も私と同じように不本意を抱いているのか?
向かい合う私達。
彼は少しだけその背をかがめ私の顔に顔を近寄せ、彼は私の耳元に甘く優しく囁く。
その声は短い一言であっても何処までも甘美に心をくすぐる。
「ありがとう……」
指先が私の頬にかかる髪をそっと退け口づけた。
恐怖と嫌悪に背中がゾワリとし、私は震える。
「ゴメンなさい……怖かったの……だってここは王宮よ。 バルコニーから人が訪れるなんてありえないもの。 だから怖かったの」
「そう……」
謝罪は無い。
それでも彼は、腕を伸ばし彼は私を抱きしめる。
その腕はとても冷たくて、今の私には彼の心そのものにすら思えてしまう。 これではまるで行き過ぎた被害妄想。 そう思うとしながら、私はその胸の中に身を寄せる。
「兄様、お茶を淹れますわ。 随分と冷えているようだわ」
そう言って、強引に腕の中から逃れた。 彼もまた私を強く腕にとどめようとはしておらず、私は容易にそこから抜け出す事が出来た。
「私達は妨害に対して立ち向かわなければいけない」
背を向けた私を再び抱きしめて、耳元で囁く。
「妨害等ではありませんわ。 私は……いえ、お姫様だって私と兄様を共有したいだなんて思わないはずだもの。 お母様が言った事は妥当だと思うわ」
「嫉妬しているのかい? あぁ、お茶は要りませんよ。 貴方自身で私を温めてくれればそれでいいのですから」
「そう、嫉妬ですわ。 嫉妬をして当然なだもの」
「それは気づかなかった。 私の姫君は貴方も愛する事が出来ると言っていましたからね。 幼稚で子供のような我侭は止めて、広い心を持つべきでしょう。 それが、王族としての本来の在り方と言うものですからね」
声に苛立ちが混ざるのはお母様を考えているのでしょう。
「えぇ、私は子供ですもの。 幼稚で幼く我侭な子供……嫌なの……我慢できないの」
「そこまで私を愛しているなら、なぜ、私から離れても良いと考えるのですか? 私に追わせたいと考えるならソレは浅はかな、それこそ子供の考え……私は試される事が嫌いなのですから」
「……それでも、私は耐えられないの。 私にだって譲れないものはあるわ」
抑えきれない本音は声色に乗り、今までのような孤独を演じる事が出来ない……どうしよう。
背中から抱きしめられ、生ぬるい感触が首筋に触れた。 ぞわぞわとする……あぁ、コレはナメクジの落とし穴に落とされた時の……あのとき、肌が酷い事になったのよね。
嫌悪感が酷い。
「兄様……なにを……なさっているの?」
私は嫌悪に震える。
「貴方に私を刻み込みましょう」
「意味が、分からないわ」
恐怖に身体は震える事に、困惑し喋り過ぎてしまう。
「何も、怖がることなんてありません。 私は……貴方を愛しているのですよ。」
背後から身体がまさぐられ、その不快さに小さく悶えた。
「レーネ、私が留学している間に随分と美しくなりましたね」
「その言葉は、お姫様に言って差し上げて下さい」
「彼女は違う。 彼女は魔皇石が採掘される土地を与えられている。 それがあれば民のために大きな力となる。 ですから、私は彼女を連れ帰った。 それだけですよ」
私は、確信に繋がるだろう疑問から遠ざかる。 彼が疑いを持たないように。 幼く愚かで子供らしい会話を……。
「お兄様、どうして身体に触れるの……今日の兄様はなんだか怖いわ」
「大丈夫、大丈夫です。 愛していますよ。 こちらへいらしてください」
手が差し出された。 初めてのエスコートがコレかと思えば……馬鹿馬鹿しさに笑いたくなる。
ベッドの側までリードされ、私は軽く押し倒された。
足をベッドの外に投げ出した形で横になり、私は顔を背ける。
見下ろすマルクルの顔は笑みを浮かべているけれど……ガラスのように無機質で美しい。 そう言えば……ガラスを研磨する事で宝石になるのでは? 余計な事を考えるのは、この状況を理解したくないから。
艶めかしい姫君と彼の行為、それが自分にも起こるのかと思えば怖いし気持ち悪いし嫌だった。
「いや!! 怖い!! 止めて!!」
もうダメだ。
私は叫んだ。
叫べば、部屋に入って来て、私を助けるように伝えてある。 相手がマルクルだから、それは完璧にはいかないだろうけど……。
「「「「「レーネ様!!」」」」」
最初に救援を依頼していただけあって、いっせいに護衛がなだれこみ、次に箒を持った侍女達が入ってきた。 総勢20名ほどいるでしょうか? その人達が私とマルクルを見て凍り付いた。
「不躾な使用人ですね……」
マルクルはベッドから顔を上げ、飛び込んできた護衛に向かって美しく冷酷に微笑んだ。
「去りなさい。 私が誰か分からないとは言いませんよね」
使用人達は凍り付いたようにぎこちなく私に助けを求める。
いえ、私が助けを求めているんですから……。
「それとも……見たいのですか?」
クスクスとマルクルは笑った。
部屋になだれ込んだ人達は、責任を誰が取るか? 誰が判断するのかとお互いの顔を見て、最終的にとても情けない顔で私を見た。 まぁ、最初から期待はしていませんでしたけど……。
寝間着の上から身体を撫で触れ、マルクルは懐からナイフを出し……私の寝間着を裂き……顔の横にナイフを突き刺した。
「いやだ、怖い。 怖いよ、兄様、やめて!!」
「動くと、綺麗な顔に傷がつきますよ?」
そう言い終わるか終わらないかにナイフは引き抜かれ、マルクルの腕は掴まれ、私から引きはがすように力任せに引っ張られ、宙を飛ぶようにベッドから落とされた。
「王妃様に既に離縁したと考えるよう言われていたよな」
「馬鹿は力任せでしか語れないもののようですね。 母上が何を言おうと、今はまだ夫婦咎める法はありません。 それとも……貴方は王太子である私の妻への横恋慕ゆえに暴走する不届き者と言う事でしょうか?」
嘲笑うようにクスクスとマルクルは笑いふざけるが、床の上に尻もちをついている状態では恰好はつかない。
「フェルザー、私は嫌なの!! 他の女性を妻にするような人は嫌!! 私は私だけを愛してくれる人がいいの!!」
「だそうだ」
正当性が成立し、マルクルはこの瞬間不当な輩として確定された。 護衛や使用人達はその心と責任をフェルザーの影に隠しながらも、侮蔑の視線をマルクルに注ぐ。
「王妃様の命令に逆らい、元妻を強姦しようとした罪を」
フェルザーが全て言い切る前に私は止めた。
「止めて下さい。 私は、お兄様が……姫君を連れていらした事で……嫉妬しているのは確かですが、兄様を責める気などないのですから……罪に問うのは止めて下さい。 兄様今日の所はお帰り下さい」
「ぁ、あぁ、分かった……」
フェルザーは私を一度見て、マルクルを睨んだ。
「二度とこんな間違いは犯させはしない」
「だが、彼女が望めば別ですよね」
「兄様!! 早く……お母様が……いらっしゃいますわ」
そして、私はマルクルを追い払った。
この程度の罪は容易にくつがえすか……或いは無かった事にできる。 だから……まだ、私が兄様に好意があると誤解させなければいけない。
だからこその決断で……私はマルクルが消えたのを確認したのち、安堵でフェルザーに縋りつき泣いた。
怖かったのだから……だから、フェルザーとノーラが添い寝をしていても許されるはずですよね?
もし、そのまま鍵が開くことなく、彼の罪を突き付ける事ができるなら私は見て見ぬふりをできるでしょうが、鍵が開かれてしまえば私は私を偽らなければならなくなる。 そうでなければ、彼はきっと私を警戒するでしょう。
彼は、私が完全に自分の支配下にあると考えているからこそ暴力を納め、興味を失いつつも利用価値を見出し囲い込もうとしているのですから。
穏便に済ませなければいけません。
「マルクル兄様なのですか?」
怖い……。
それでも私は喜ばなければいけない。
上手く笑えているか自信がない。
「ようやく扉を開けてくれましたね」
細い細い月は、微かに冷ややかなマルクルの笑みを浮かべているけれど、私と同様に彼の笑みは嘘っぽく歪んでいる。 ただ、歪んで見えるのか? それとも……彼も私と同じように不本意を抱いているのか?
向かい合う私達。
彼は少しだけその背をかがめ私の顔に顔を近寄せ、彼は私の耳元に甘く優しく囁く。
その声は短い一言であっても何処までも甘美に心をくすぐる。
「ありがとう……」
指先が私の頬にかかる髪をそっと退け口づけた。
恐怖と嫌悪に背中がゾワリとし、私は震える。
「ゴメンなさい……怖かったの……だってここは王宮よ。 バルコニーから人が訪れるなんてありえないもの。 だから怖かったの」
「そう……」
謝罪は無い。
それでも彼は、腕を伸ばし彼は私を抱きしめる。
その腕はとても冷たくて、今の私には彼の心そのものにすら思えてしまう。 これではまるで行き過ぎた被害妄想。 そう思うとしながら、私はその胸の中に身を寄せる。
「兄様、お茶を淹れますわ。 随分と冷えているようだわ」
そう言って、強引に腕の中から逃れた。 彼もまた私を強く腕にとどめようとはしておらず、私は容易にそこから抜け出す事が出来た。
「私達は妨害に対して立ち向かわなければいけない」
背を向けた私を再び抱きしめて、耳元で囁く。
「妨害等ではありませんわ。 私は……いえ、お姫様だって私と兄様を共有したいだなんて思わないはずだもの。 お母様が言った事は妥当だと思うわ」
「嫉妬しているのかい? あぁ、お茶は要りませんよ。 貴方自身で私を温めてくれればそれでいいのですから」
「そう、嫉妬ですわ。 嫉妬をして当然なだもの」
「それは気づかなかった。 私の姫君は貴方も愛する事が出来ると言っていましたからね。 幼稚で子供のような我侭は止めて、広い心を持つべきでしょう。 それが、王族としての本来の在り方と言うものですからね」
声に苛立ちが混ざるのはお母様を考えているのでしょう。
「えぇ、私は子供ですもの。 幼稚で幼く我侭な子供……嫌なの……我慢できないの」
「そこまで私を愛しているなら、なぜ、私から離れても良いと考えるのですか? 私に追わせたいと考えるならソレは浅はかな、それこそ子供の考え……私は試される事が嫌いなのですから」
「……それでも、私は耐えられないの。 私にだって譲れないものはあるわ」
抑えきれない本音は声色に乗り、今までのような孤独を演じる事が出来ない……どうしよう。
背中から抱きしめられ、生ぬるい感触が首筋に触れた。 ぞわぞわとする……あぁ、コレはナメクジの落とし穴に落とされた時の……あのとき、肌が酷い事になったのよね。
嫌悪感が酷い。
「兄様……なにを……なさっているの?」
私は嫌悪に震える。
「貴方に私を刻み込みましょう」
「意味が、分からないわ」
恐怖に身体は震える事に、困惑し喋り過ぎてしまう。
「何も、怖がることなんてありません。 私は……貴方を愛しているのですよ。」
背後から身体がまさぐられ、その不快さに小さく悶えた。
「レーネ、私が留学している間に随分と美しくなりましたね」
「その言葉は、お姫様に言って差し上げて下さい」
「彼女は違う。 彼女は魔皇石が採掘される土地を与えられている。 それがあれば民のために大きな力となる。 ですから、私は彼女を連れ帰った。 それだけですよ」
私は、確信に繋がるだろう疑問から遠ざかる。 彼が疑いを持たないように。 幼く愚かで子供らしい会話を……。
「お兄様、どうして身体に触れるの……今日の兄様はなんだか怖いわ」
「大丈夫、大丈夫です。 愛していますよ。 こちらへいらしてください」
手が差し出された。 初めてのエスコートがコレかと思えば……馬鹿馬鹿しさに笑いたくなる。
ベッドの側までリードされ、私は軽く押し倒された。
足をベッドの外に投げ出した形で横になり、私は顔を背ける。
見下ろすマルクルの顔は笑みを浮かべているけれど……ガラスのように無機質で美しい。 そう言えば……ガラスを研磨する事で宝石になるのでは? 余計な事を考えるのは、この状況を理解したくないから。
艶めかしい姫君と彼の行為、それが自分にも起こるのかと思えば怖いし気持ち悪いし嫌だった。
「いや!! 怖い!! 止めて!!」
もうダメだ。
私は叫んだ。
叫べば、部屋に入って来て、私を助けるように伝えてある。 相手がマルクルだから、それは完璧にはいかないだろうけど……。
「「「「「レーネ様!!」」」」」
最初に救援を依頼していただけあって、いっせいに護衛がなだれこみ、次に箒を持った侍女達が入ってきた。 総勢20名ほどいるでしょうか? その人達が私とマルクルを見て凍り付いた。
「不躾な使用人ですね……」
マルクルはベッドから顔を上げ、飛び込んできた護衛に向かって美しく冷酷に微笑んだ。
「去りなさい。 私が誰か分からないとは言いませんよね」
使用人達は凍り付いたようにぎこちなく私に助けを求める。
いえ、私が助けを求めているんですから……。
「それとも……見たいのですか?」
クスクスとマルクルは笑った。
部屋になだれ込んだ人達は、責任を誰が取るか? 誰が判断するのかとお互いの顔を見て、最終的にとても情けない顔で私を見た。 まぁ、最初から期待はしていませんでしたけど……。
寝間着の上から身体を撫で触れ、マルクルは懐からナイフを出し……私の寝間着を裂き……顔の横にナイフを突き刺した。
「いやだ、怖い。 怖いよ、兄様、やめて!!」
「動くと、綺麗な顔に傷がつきますよ?」
そう言い終わるか終わらないかにナイフは引き抜かれ、マルクルの腕は掴まれ、私から引きはがすように力任せに引っ張られ、宙を飛ぶようにベッドから落とされた。
「王妃様に既に離縁したと考えるよう言われていたよな」
「馬鹿は力任せでしか語れないもののようですね。 母上が何を言おうと、今はまだ夫婦咎める法はありません。 それとも……貴方は王太子である私の妻への横恋慕ゆえに暴走する不届き者と言う事でしょうか?」
嘲笑うようにクスクスとマルクルは笑いふざけるが、床の上に尻もちをついている状態では恰好はつかない。
「フェルザー、私は嫌なの!! 他の女性を妻にするような人は嫌!! 私は私だけを愛してくれる人がいいの!!」
「だそうだ」
正当性が成立し、マルクルはこの瞬間不当な輩として確定された。 護衛や使用人達はその心と責任をフェルザーの影に隠しながらも、侮蔑の視線をマルクルに注ぐ。
「王妃様の命令に逆らい、元妻を強姦しようとした罪を」
フェルザーが全て言い切る前に私は止めた。
「止めて下さい。 私は、お兄様が……姫君を連れていらした事で……嫉妬しているのは確かですが、兄様を責める気などないのですから……罪に問うのは止めて下さい。 兄様今日の所はお帰り下さい」
「ぁ、あぁ、分かった……」
フェルザーは私を一度見て、マルクルを睨んだ。
「二度とこんな間違いは犯させはしない」
「だが、彼女が望めば別ですよね」
「兄様!! 早く……お母様が……いらっしゃいますわ」
そして、私はマルクルを追い払った。
この程度の罪は容易にくつがえすか……或いは無かった事にできる。 だから……まだ、私が兄様に好意があると誤解させなければいけない。
だからこその決断で……私はマルクルが消えたのを確認したのち、安堵でフェルザーに縋りつき泣いた。
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