370 / 418
第369話 [宝物庫。]
しおりを挟む
帰ろうとした俺を呼び止めたタケノミヤさんに案内されて陰陽寮を出ると一台の馬車が停車していた。
「どうぞ、あちらへ。」
タケノミヤさんにそう言われた俺はタケノミヤさんの言われるがままに馬車へと乗り込んだ。
「先程は申し訳ありませんでした。」
「何の事ですか?」
「いえ、人目がありましたので、陰陽師として親王として媚びへつらう様な行動を示す訳には行きませんでしたのでしたし、その様な状況ではシュウト殿も断りづらいかと思いまして。」
「あぁ、別に気にしないで下さい。というか、気を遣わせてしまった自分の方が悪いと・・・まぁ、それより1つ、質問して良いですか?」
俺が否定してしまうとタケノミヤさんが更に恐縮してしまいそうな顔をしていたので、話題を変えると少し困った顔をしていたタケノミヤさんの顔が引き締まった。
「如何なさいましたでしょうか?」
「そんなに畏まらなくても良いですよ。これから何処へ行くのかなぁって思って。」
「城へ向かいます。」
「城?」
「はい。ノブツナ殿が御礼をしたいとの事でしたので。」
「そんな事、気にする事ない・・・って訳には行かないんですよね。」
「当然です。今は非公式とはいえ、使徒様に助けられて何もしないというのは他の者に知られた時に問題になりますので。」
「・・・出会う人皆んなそう言いますけど、もしかして陰陽師の力で自分が使徒って事を皆んなに知られるって分かるんですか?」
「はい。ですがシュウト殿を観ている訳ではないので、ハッキリとした時期までは分かりませんが直ぐにという訳ではないのは確かですね。」
「自分の事は見れなかったんですか?」
「存在値も何もかも圧倒的に違い過ぎて私の力では何も観る事は出来ませんでした。」
「じゃあ・・・。」
俺がそう言うとタケノミヤさんはノブテルさんの方を見た。
「ヤクマル家のお2人を観た結果になります。」
「・・・。」
俺が無反応だった事に不思議に思ったのか首を傾げながら質問してきた。
「どうされましたか?」
「いや、何時の間に・・・いや、そもそも了解も得ずに出来る?しても良いものなんですか?」
「儀式としてキチンと行っている訳ではないですが、確認し、了承も得てますのでご安心下さい。それにノブツナ殿からの依頼でしたので。」
「ノブツナさんが?」
「はい。シュウト殿が毛嫌いする様な事は有ってはならんという事、御礼の有無での吉凶を知りたいとの事でしたので。」
「やっぱり知ってはいましたが、使徒って気を遣わせるものなんですね。」
「他の方はいさ知らず、先を知れるのは助かると仰るので、良かったのではないですか?それにシュウト殿が人を助ける事を当たり前と思っていらっしゃるのと同じで、御礼をする方々も当たり前だと思っている事と思いますので、逆にしなければ心苦しい思いをされるのではないでしょうか?」
「まぁ、そうですよね。分かりました。関係ないんですけど後1つ良いですか?」
「如何なさいましたか?」
「移動の手段って馬車というか、魔物に引かせている今乗ってる様な物しか無いんですか?」
「それはどういう・・・?」
タケノミヤさんがそう言いながら不思議そうな顔をしていたので、身振り手振りを踏まえながら室町時代に在ったとされる牛車の他、時代劇とかで出て来る駕籠、人力車を説明した。
「あぁ、シュウト殿がギュウシャと呼ばれる物でしたら半々ぐらいの割合で見られますよ。それと駕籠や人力車は短距離で高速移動を必要とされている際によく利用されていますね。」
「高速?・・・あぁ、魔法やスキルがあれば速いって事ですね。」
「はい。まぁその分、移動の際に必要な費用が桁違いに多いですので、常時となると専属の者を雇い、見栄を張る者もいますが。」
「まぁ、そういう人は何処の世界でも同じですね。」
俺達はその後も色んな話をしながらノブツナさんの居る城へと入って行くと人が殆ど居ない場所で馬車が停車し、俺はタケノミヤさんに言われるがままに下車した。すると城の中からノブツナさんが1人で現れた。
「非公式じゃで出迎えも無くしたが、良かったかのぅ?」
「自分が居る事で色々有りそうなんで問題無いですよ。」
「そう言うて貰えると有り難いのぅ。人払いも済ませておる故、着いて来てもらえるかのぅ。」
ノブツナさんにそう言われた俺達が着いて行くと幾つもの鍵や閂、それに数種類の魔法陣が描かれている荘厳な扉の前に到着した。
「凄いですねぇ・・・。」
俺が驚きながらそう言うとノブツナさんは微笑みながら声を掛けてきた。
「宝物庫じゃよ。」
「宝物庫?」
「そうじゃ。儂はシュウト殿が何が欲しいか分からんからのぅ。この中から幾つか持っていって貰おうかと思っての。」
「えっ!?それは流石に・・・。」
俺がそう言うとノブツナさんは「気にせんでも良いのじゃ。」と言いながら印籠の様な物を取り出し、魔法陣の方へ向けた。すると印籠の様な物が光り魔法陣へと放たれた。
おぉ、アレが鍵なのかぁ・・・。
俺がそう思っているとカチャっと音が鳴り、近くの小窓が開いた。
「ん?」
そう言いながら疑問に思っているとノブツナさんが音の鳴った小窓に手を伸ばして開いた。するとそこには無数の鍵がぶら下がっていた。
「凄い数の鍵ですね。明らかに鍵の数が多いですけど、そこから扉を開ける為の鍵を選ぶんですか?」
「ん?まぁソレを開けるのには必要じゃが、宝物庫に入る為の鍵ではないぞ。」
「へっ?」
俺がそう言うとノブツナさんは脇差しの鯉口をきって刃の部分を少し出すと人差し指の腹を少し切った。
俺がその様子を何も言わずに見ているとノブツナさんは血の出た指先を無数の鍵を避ける様に奥に突っ込んだ。すると今度はガチャガチャガチャ・・・・・と音を立てながら扉の前の床が下がっていき、階段が現れた。
「・・・。」
俺がその様子を唖然とした表情で見ていると「ホッホッホッ」っと笑いながらノブツナさんが声を掛けてきた。
「シュウト殿を驚かせる事が出来た様じゃのぅ。」
「・・・コレで驚かない人は居ないと思いますが・・・こちらは宝物庫の扉じゃなかったんですか?」
「コレも宝物庫じゃよ。但し、家来への褒美や他の藩主に譲れる様な物しか、入っておらんがのぅ。」
「じ、じゃあこっちは・・・。」
「家宝や皇族へ献上する様な宝が保管してあるのじゃ。じゃから印籠と登録者の血が必要になってくるのじゃよ。」
「えっ?まさか・・・。」
「まさかも何もシュウト殿に貰って貰いたい物はこの先の本当の宝物庫の物じゃよ。」
「えっ?そこまでしてもらわなくても・・・。」
「何を言っておるのじゃ。こっちの宝物庫は絵画や壺、後は多少の付与が施されておる武具、金塊が置いてあるだけじゃ。一国一城の主でもあるシュウト殿に対して、金で買える様な物を渡すはずがなかろうて。その様な事をすれば、後々他の者から何を言われるか分からんし、タケノミヤ様の占いの結果から本当の宝物庫の方が吉とも出たしの。」
「まぁ、そういう事なら・・・。」
俺はそう言いながらノブツナさんに案内されるがままに階段を降りていき、古い扉の前まで来た。
「何となくですけど、城から脱出する為の隠し通路みたいですね。」
「よく分かったのぅ。もしかしてシュウト殿のスキルかのぅ?」
「あ、違いますよ。スキルは使ってないので。ただ単にそれっぽいなぁと思っただけで。」
「なるほどのぅ、まぁ確かに埃だらけじゃし、そう見えても不思議じゃないのぅ。」
ノブツナさんはそう言うと再び印籠を掲げた。すると印籠が光り出し、壁に在る家紋に当たると埃が全て消え、普段から磨き上げられているが如く、通路が綺麗になった。
「おぉ~。」
「すまんのぅ。普段は隠し通路の様にしておく必要がある故、埃を除去するのを忘れておったわ。」
「いえいえ、別に気にしなくても良かったですよ。」
「そういう訳にもいかんよ。シュウト殿は勿論、タケノミヤ様も居るしのぅ。」
「あっ、そうですね。」
そう言いながら歩いているとノブツナさんが古ぼけた扉の前で立ち止まった。
「此処が本当の宝物庫じゃ。」
「例え賊が入ってきたとしても普通の扉か、物置にしか見えない様にしてるんでしょうが・・・。」
「何じゃ?・・・おぉ、シュウト殿が言いたい事はわかるぞ。だが心配せんでいい。」
ノブツナさんはそう言うとノブを捻って扉を開けて中を見る様に促してきた。
「あれ?本当に物置みたいですね・・・もしかして奥に別の扉でもあるんですか?」
「そうではないのじゃ。まぁ見ておれ。」
ノブツナさんはそう言うと再び扉を閉めて、扉の模様の1つを動かすと先程と同じ様にガチャっと音が鳴り、扉の横の壁がスゥ~と開いた。
「ほぉ~。まるでカラクリ部屋みたいですね。」
「おぉ、流石シュウト殿じゃのぅ。初代様の奥方様もメモリーホルダーじゃったそうでのぅ。その奥方、カヤ様が前世の知識で造り上げたという話じゃ。」
「カヤ・・・カヤ・・・何か聞き覚えのある・・・あっ!賀陽親王か!あれ?でも賀陽親王といえばカラクリはカラクリでもカラクリ人形の方じゃ無かったっけ?」
「おぉ、前世でも有名な方じゃったか。というか、親王という事は前世でも皇族じゃったのか?」
「そうですって事はカヤ様もそうだったんですね。」
「そうじゃ、人形使いとしても無類の強さを持っておったそうじゃ。宝物庫には、そのカヤ様の造ったとされておる人形も数多くあるが、今は誰も使い手は居らんがのぅ。当のカヤ様も戦に出ぬ様になってからは人形を一体以外は使う事なく、城自体にカラクリ装置を設置するのが趣味になったそうで、この宝物庫もその時のままじゃ。」
「整備はされてないんですか?」
「せずとも良い様に城全体に魔法が付与されておるんじゃよ。じゃから儂らは魔力供給用の結晶に魔力を込めるだけじゃ。カヤ様のノウハウも失伝しておるしのぅ。」
「そうだったんですね。」
「さっ、中に入られよ。」
ノブツナさんにそう言われて全員で中に入っていった。
「どうぞ、あちらへ。」
タケノミヤさんにそう言われた俺はタケノミヤさんの言われるがままに馬車へと乗り込んだ。
「先程は申し訳ありませんでした。」
「何の事ですか?」
「いえ、人目がありましたので、陰陽師として親王として媚びへつらう様な行動を示す訳には行きませんでしたのでしたし、その様な状況ではシュウト殿も断りづらいかと思いまして。」
「あぁ、別に気にしないで下さい。というか、気を遣わせてしまった自分の方が悪いと・・・まぁ、それより1つ、質問して良いですか?」
俺が否定してしまうとタケノミヤさんが更に恐縮してしまいそうな顔をしていたので、話題を変えると少し困った顔をしていたタケノミヤさんの顔が引き締まった。
「如何なさいましたでしょうか?」
「そんなに畏まらなくても良いですよ。これから何処へ行くのかなぁって思って。」
「城へ向かいます。」
「城?」
「はい。ノブツナ殿が御礼をしたいとの事でしたので。」
「そんな事、気にする事ない・・・って訳には行かないんですよね。」
「当然です。今は非公式とはいえ、使徒様に助けられて何もしないというのは他の者に知られた時に問題になりますので。」
「・・・出会う人皆んなそう言いますけど、もしかして陰陽師の力で自分が使徒って事を皆んなに知られるって分かるんですか?」
「はい。ですがシュウト殿を観ている訳ではないので、ハッキリとした時期までは分かりませんが直ぐにという訳ではないのは確かですね。」
「自分の事は見れなかったんですか?」
「存在値も何もかも圧倒的に違い過ぎて私の力では何も観る事は出来ませんでした。」
「じゃあ・・・。」
俺がそう言うとタケノミヤさんはノブテルさんの方を見た。
「ヤクマル家のお2人を観た結果になります。」
「・・・。」
俺が無反応だった事に不思議に思ったのか首を傾げながら質問してきた。
「どうされましたか?」
「いや、何時の間に・・・いや、そもそも了解も得ずに出来る?しても良いものなんですか?」
「儀式としてキチンと行っている訳ではないですが、確認し、了承も得てますのでご安心下さい。それにノブツナ殿からの依頼でしたので。」
「ノブツナさんが?」
「はい。シュウト殿が毛嫌いする様な事は有ってはならんという事、御礼の有無での吉凶を知りたいとの事でしたので。」
「やっぱり知ってはいましたが、使徒って気を遣わせるものなんですね。」
「他の方はいさ知らず、先を知れるのは助かると仰るので、良かったのではないですか?それにシュウト殿が人を助ける事を当たり前と思っていらっしゃるのと同じで、御礼をする方々も当たり前だと思っている事と思いますので、逆にしなければ心苦しい思いをされるのではないでしょうか?」
「まぁ、そうですよね。分かりました。関係ないんですけど後1つ良いですか?」
「如何なさいましたか?」
「移動の手段って馬車というか、魔物に引かせている今乗ってる様な物しか無いんですか?」
「それはどういう・・・?」
タケノミヤさんがそう言いながら不思議そうな顔をしていたので、身振り手振りを踏まえながら室町時代に在ったとされる牛車の他、時代劇とかで出て来る駕籠、人力車を説明した。
「あぁ、シュウト殿がギュウシャと呼ばれる物でしたら半々ぐらいの割合で見られますよ。それと駕籠や人力車は短距離で高速移動を必要とされている際によく利用されていますね。」
「高速?・・・あぁ、魔法やスキルがあれば速いって事ですね。」
「はい。まぁその分、移動の際に必要な費用が桁違いに多いですので、常時となると専属の者を雇い、見栄を張る者もいますが。」
「まぁ、そういう人は何処の世界でも同じですね。」
俺達はその後も色んな話をしながらノブツナさんの居る城へと入って行くと人が殆ど居ない場所で馬車が停車し、俺はタケノミヤさんに言われるがままに下車した。すると城の中からノブツナさんが1人で現れた。
「非公式じゃで出迎えも無くしたが、良かったかのぅ?」
「自分が居る事で色々有りそうなんで問題無いですよ。」
「そう言うて貰えると有り難いのぅ。人払いも済ませておる故、着いて来てもらえるかのぅ。」
ノブツナさんにそう言われた俺達が着いて行くと幾つもの鍵や閂、それに数種類の魔法陣が描かれている荘厳な扉の前に到着した。
「凄いですねぇ・・・。」
俺が驚きながらそう言うとノブツナさんは微笑みながら声を掛けてきた。
「宝物庫じゃよ。」
「宝物庫?」
「そうじゃ。儂はシュウト殿が何が欲しいか分からんからのぅ。この中から幾つか持っていって貰おうかと思っての。」
「えっ!?それは流石に・・・。」
俺がそう言うとノブツナさんは「気にせんでも良いのじゃ。」と言いながら印籠の様な物を取り出し、魔法陣の方へ向けた。すると印籠の様な物が光り魔法陣へと放たれた。
おぉ、アレが鍵なのかぁ・・・。
俺がそう思っているとカチャっと音が鳴り、近くの小窓が開いた。
「ん?」
そう言いながら疑問に思っているとノブツナさんが音の鳴った小窓に手を伸ばして開いた。するとそこには無数の鍵がぶら下がっていた。
「凄い数の鍵ですね。明らかに鍵の数が多いですけど、そこから扉を開ける為の鍵を選ぶんですか?」
「ん?まぁソレを開けるのには必要じゃが、宝物庫に入る為の鍵ではないぞ。」
「へっ?」
俺がそう言うとノブツナさんは脇差しの鯉口をきって刃の部分を少し出すと人差し指の腹を少し切った。
俺がその様子を何も言わずに見ているとノブツナさんは血の出た指先を無数の鍵を避ける様に奥に突っ込んだ。すると今度はガチャガチャガチャ・・・・・と音を立てながら扉の前の床が下がっていき、階段が現れた。
「・・・。」
俺がその様子を唖然とした表情で見ていると「ホッホッホッ」っと笑いながらノブツナさんが声を掛けてきた。
「シュウト殿を驚かせる事が出来た様じゃのぅ。」
「・・・コレで驚かない人は居ないと思いますが・・・こちらは宝物庫の扉じゃなかったんですか?」
「コレも宝物庫じゃよ。但し、家来への褒美や他の藩主に譲れる様な物しか、入っておらんがのぅ。」
「じ、じゃあこっちは・・・。」
「家宝や皇族へ献上する様な宝が保管してあるのじゃ。じゃから印籠と登録者の血が必要になってくるのじゃよ。」
「えっ?まさか・・・。」
「まさかも何もシュウト殿に貰って貰いたい物はこの先の本当の宝物庫の物じゃよ。」
「えっ?そこまでしてもらわなくても・・・。」
「何を言っておるのじゃ。こっちの宝物庫は絵画や壺、後は多少の付与が施されておる武具、金塊が置いてあるだけじゃ。一国一城の主でもあるシュウト殿に対して、金で買える様な物を渡すはずがなかろうて。その様な事をすれば、後々他の者から何を言われるか分からんし、タケノミヤ様の占いの結果から本当の宝物庫の方が吉とも出たしの。」
「まぁ、そういう事なら・・・。」
俺はそう言いながらノブツナさんに案内されるがままに階段を降りていき、古い扉の前まで来た。
「何となくですけど、城から脱出する為の隠し通路みたいですね。」
「よく分かったのぅ。もしかしてシュウト殿のスキルかのぅ?」
「あ、違いますよ。スキルは使ってないので。ただ単にそれっぽいなぁと思っただけで。」
「なるほどのぅ、まぁ確かに埃だらけじゃし、そう見えても不思議じゃないのぅ。」
ノブツナさんはそう言うと再び印籠を掲げた。すると印籠が光り出し、壁に在る家紋に当たると埃が全て消え、普段から磨き上げられているが如く、通路が綺麗になった。
「おぉ~。」
「すまんのぅ。普段は隠し通路の様にしておく必要がある故、埃を除去するのを忘れておったわ。」
「いえいえ、別に気にしなくても良かったですよ。」
「そういう訳にもいかんよ。シュウト殿は勿論、タケノミヤ様も居るしのぅ。」
「あっ、そうですね。」
そう言いながら歩いているとノブツナさんが古ぼけた扉の前で立ち止まった。
「此処が本当の宝物庫じゃ。」
「例え賊が入ってきたとしても普通の扉か、物置にしか見えない様にしてるんでしょうが・・・。」
「何じゃ?・・・おぉ、シュウト殿が言いたい事はわかるぞ。だが心配せんでいい。」
ノブツナさんはそう言うとノブを捻って扉を開けて中を見る様に促してきた。
「あれ?本当に物置みたいですね・・・もしかして奥に別の扉でもあるんですか?」
「そうではないのじゃ。まぁ見ておれ。」
ノブツナさんはそう言うと再び扉を閉めて、扉の模様の1つを動かすと先程と同じ様にガチャっと音が鳴り、扉の横の壁がスゥ~と開いた。
「ほぉ~。まるでカラクリ部屋みたいですね。」
「おぉ、流石シュウト殿じゃのぅ。初代様の奥方様もメモリーホルダーじゃったそうでのぅ。その奥方、カヤ様が前世の知識で造り上げたという話じゃ。」
「カヤ・・・カヤ・・・何か聞き覚えのある・・・あっ!賀陽親王か!あれ?でも賀陽親王といえばカラクリはカラクリでもカラクリ人形の方じゃ無かったっけ?」
「おぉ、前世でも有名な方じゃったか。というか、親王という事は前世でも皇族じゃったのか?」
「そうですって事はカヤ様もそうだったんですね。」
「そうじゃ、人形使いとしても無類の強さを持っておったそうじゃ。宝物庫には、そのカヤ様の造ったとされておる人形も数多くあるが、今は誰も使い手は居らんがのぅ。当のカヤ様も戦に出ぬ様になってからは人形を一体以外は使う事なく、城自体にカラクリ装置を設置するのが趣味になったそうで、この宝物庫もその時のままじゃ。」
「整備はされてないんですか?」
「せずとも良い様に城全体に魔法が付与されておるんじゃよ。じゃから儂らは魔力供給用の結晶に魔力を込めるだけじゃ。カヤ様のノウハウも失伝しておるしのぅ。」
「そうだったんですね。」
「さっ、中に入られよ。」
ノブツナさんにそう言われて全員で中に入っていった。
25
あなたにおすすめの小説
最強超人は異世界にてスマホを使う
萩場ぬし
ファンタジー
主人公、柏木 和(かしわぎ かず)は「武人」と呼ばれる武術を極めんとする者であり、ある日祖父から自分が世界で最強であることを知らされたのだった。
そして次の瞬間、自宅のコタツにいたはずの和は見知らぬ土地で寝転がっていた――
「……いや草」
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
僕だけ入れちゃうステータス欄 ~追放された凄腕バッファーは、たまたま出会った新人冒険者たちと真の最強パーティーを作り上げる~
めでめで汰
ファンタジー
バッファーの少年カイトのバフスキルは「ステータス欄の中に入って直接数字を動かす」というもの。
しかし、その能力を信じなかった仲間からカイトは追放され迷宮に置き去りにされる。
そこで出会ったLUK(幸運)値の高い少女ハルと共にカイトは無事迷宮から生還。
その後、カイトはハルの両親を探すため地下迷宮の奥へと挑むことを決意する。
(スライム、もふもふ出てきます。女の子に囲まれるけどメインヒロインは一人です。「ざまぁ」もしっかりあります)
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜
namisan
ファンタジー
日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。
かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。
無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。
前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。
アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。
「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」
家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。
立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。
これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる