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第370話 [アーティファクト。]
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「・・・広いですねぇ・・・。」
俺が宝物庫の中があまりにも広い事に驚いてそう言うとノブツナさんが微笑みながら声を掛けてきた。
「そうじゃろう、そうじゃろう。儂もシュウト殿と同じ様に先代の父上に連れて来られた際には圧倒されたのを思い出すわい。」
「誰でも驚くと思いますよ。」
「そうでもないぞ。現にタケノミヤ様は驚かんだしのぅ。」
「そうなんですか?」
「皇家の屋敷にも似た広さの宝物庫がございますので。」
「あぁ、そういう事ですか・・・でも此処ってどの位の広さがあるんですか?」
「そうじゃのぅ・・・高さはそこまで無いが、幅だけを考えれば城と同じのはずじゃ。まぁ、出力を上げれば更に広く出来るそうじゃが、維持する為の魔力を増やさねばならん故、この程度の広さにはなるかの。」
「あっ、空間拡張ですか。」
「仰る通りじゃ、さっ、ゆるりと見てもらって欲しい物があれば・・・そうじゃ、どうしても譲れぬ物もある故、1度教えて貰えると有り難いのぅ。」
「あぁ、それは勿論。元々何か欲しくてって訳ではないですし・・・じゃあ見て来ますね。」
俺がそう言うとノブツナさんが頷いたので宝物庫の中を歩いていると絵画や壺などの芸術品の他、変わった魔道具、魔力を帯びた玉、かなりの付与が施されている武具などが規則正しく並んでいた。
俺は一先ず今後に役立つ物か、仲間が喜ぶ物がないか、見ていると何かに引き寄せられる様な感覚を覚え、それに従う様に進んで行った。
その感覚を頼りに暫く進むとガラスケースの様な物がズラりと並び、そのガラスケース1つ毎に1体の人形が入っていた。
「コレが・・・。」
「シュウト殿が思っておる通り、これらがカヤ様の人形達じゃ。」
「何故ケースに?他のとは違って壊れやすいんですか?」
「そうではないのじゃ、アレは結界を施してある水晶板でのぅ、あの様に常に結界で遮断しておかねば周囲の魔力を吸収し人形それぞれが持つスキルが暴走するんじゃよ。」
「スキルが暴走?動くって事ですか?」
「それは無い。しかしながら混乱の波長や魅惑、最悪なのは限界水準まで到達すると自爆するのじゃ。しかも城門を一撃で消滅させる勢いでの。」
「凄まじい威力ですねぇ・・・けど、それってどうやって分かったんですか?鑑定とかのスキルをお持ちの方が?それともカヤ様の遺言か何かですか?」
「鑑定は出来んよ。入らせる訳にはいかんでのぅ。」
「じゃあ・・・。」
「確かに口伝で伝えられてはおるが、1番の原因は先々代のご兄弟が暴走したのじゃ。」
「暴走?」
「そうじゃ、今は無いが人形を調べる名目で結界を解いて離れに持ち込み、その結果離れごと爆発されて木っ端微塵じゃ。恐らく結界を解いた時点で何らかのスキルに操りれてしまったのじゃろうて。じゃからその事件の後、結界を強固な物にしたんじゃよ。」
「なるほど・・・でもそんな事件があったのに廃棄はしなかったんですね。」
「出来んよ。カヤ様の作品じゃしな。まぁ、次に解くとしたら儂らの子孫にカヤ様と同じパペットマスターのスキルを授かる者が生まれてくれば解くじゃろうな。」
「パペットマスター?」
「そうじゃ、普通の人形使いというスキルを極限まで鍛えて進化した先に在るというスキルじゃ。」
「普通の人形使いじゃ駄目なんですか?」
「無理じゃな。それでは人形のスキルに負けてしまうからのぅ。」
「・・・っていう事は試してみた事があると?」
「うむ。兵器利用を考えてしまう程の力があるでな。」
「パペットマスターなら平気なんですね。」
「そうじゃよ。しかしシュウト殿のその様子から考えるとお仲間の方にパペットマスターでも居るのか?」
「あっ、自分が持ってます。」
「おお、では全ては勘弁してもらいたいが、何体かお好きな人形を貰ってもらえますかな?」
「カヤ様の人形って家宝とかですよね。」
「そうじゃが、カヤ様の作品は口伝によるとCランクの魔物であっても一撃で倒す事の出来る人形であるぞ。」
「まぁ確かにこれだけのスペックならCランクの魔物くらいは一撃で倒す事は可能だと思いますけど・・・。」
「スペック?鑑定をされたのか?」
「あっ、すいません勝手に。」
「それは良いのじゃが、鑑定されてもその様子・・・シュウト殿の戦いには力不足という事かのぅ?」
「正直にいえば、その通りです。確かに此処にある人形は自動で周囲の魔力を取り込む事でパペットマスターの補助を受ければ他の人形使いでも操作可能ですが、問題は自分だと壊してしまう可能性が非常に高いという点もあります。」
「壊してしまうとはどういう事じゃ?」
「魔力の受け皿が1億しかないんですよ。」
「1億?それは凄い・・・ん?もしやそれを壊すという事はシュウト殿は瞬時にそれだけの、いや、それ以上の魔力を込めれるという事かのぅ?」
「まぁ、それも出来ますけど、問題は人形の魔力吸収スピードなんですよ。」
「吸収スピードとはどういう意味じゃ?」
「戦場の違いで戦術や操作性が変わらない様にする為に周囲の魔力濃度に関わらず一定のスピードで吸収し、濃度が低い、弱い相手だった場合、人形のスペックで倒し、魔力濃度の高い場所だった場合、相手の魔法を無効化、もしくは阻害する為に周囲の魔力を吸収してスキルを多様する様に設計されてますので、自分の周りというか、環境下だと自爆のリスクがあまりにも高いと言わざるを得ないですね。」
「それ程の・・・それではシュウト殿の迷惑にしかならんのぅ・・・。」
「すいません。」
「シュウト殿が謝られる必要は無い・・・じゃが、此処まで見てもらったが、シュウト殿の琴線に触れる様な物があった様には見受けられんかったからのぅ・・・そうじゃ、戦闘に役立つ物を作る為に結界ごと持って帰ってもらっても良いぞ。カヤ様には申し訳ないがバラバラにしても使徒様のお役に立つなら怒られはせんじゃろうしのぅ。」
「それって大丈夫なんですか?」
「シュウト殿、儂らは使徒様のお役に立てたというだけでもかなり名誉な事なんじゃよ。まぁ、他の皇族がどう思うかは別じゃがな。」
「それな・・・ん?・・・。」
俺はノブツナさんに返答しようとする際に魔力が吸われる感覚が強くなった事でケースの1つが壊れたのかと思い、魔力の流れる先を見るとケースにも入っていない前世で神事に際して特別な神楽衣装を身に纏った人形が鎮座していた。
「ノブツナさん、あのケースに入ってない人形は?」
「あの人形は武甕槌(タケミカヅチ)という名を持つアーティファクトで、あの人形だけはカヤ様の作品ではなく、あのアーティファクトを元にカヤ様は御自身の人形を造られたのじゃ。」
「じゃあ使われてないという事ですか?」
「いや、実際に使われとったと聞いておるが、カヤ様が御逝去されて数年後には壊れて自動修復する事も無くなった・・・ん?経年劣化でボロボロだった・・・修復されてきておる・・・シュウト殿、何かされたのか?」
アーティファクトが徐々に修復されてきているのに驚いて俺の方を見てきたが、首を横に振りながら答えた。
「壊れていた訳ではなく、特殊な魔力じゃないと吸収しない様にしてあるみたいですよ。」
「特殊な魔力とな?」
ノブツナさんがそう言うと後ろで少し間を空けて着いてきていたタケノミヤさんが近付いてきた。
「シュウト殿、もしかして陰陽玉と同じなのでしょうか?」
「陰陽玉の方は自動的に吸収する割合がかなり少ないので普通の魔力でも吸収してくれますが、こちらの人形、武甕槌は自動吸収する代わりに普通の魔力は反射してしまいます。」
「反射ですか?」
「はい。ですので、戦闘時に魔物や敵の魔法や魔力を帯びたスキルは放ってきた相手に向かってそのまま反射します。」
「それは呪術もという事でしょうか?」
「その呪術が魔力を帯びていればそうなります。と言っても人形自体に干渉しなければパペットマスターで操作している者には効果は出てしまうと思います。」
「ん?シュウト殿、武甕槌の修復は終了したのかのぅ?」
タケノミヤさんと話している俺にノブツナさんがそう言ってきたので武甕槌を見ると腕が欠け、衣の裾や袖がまだボロボロの状態で修復が止まっていた。
「・・・自己修復能力は有りますけど大きく欠けている部分には素材が必要になってくるみたいですね。」
「素材とは何が必要なのじゃ?」
「・・・これは・・・。」
俺がそう言い淀んでいるとノブツナさんが再び声を掛けてきた。
「素材が必要なのであれば儂が用意するが・・・。」
「いや、その素材なんですけど、神鉄って多分オリハルコンなんで何とかなりますし、世界樹の枝も持ってますけど、もう1つが流石に・・・。」
「・・・その2つを調達出来るとはシュウト殿は流石じゃのぅ・・・して、シュウト殿でも調達出来ぬ最後の1つとはなんじゃ?」
ノブツナさんが呆れながらもそう言ってきたので言って良いものか少し悩みながらも答える事にした。
「神龍の素材です。」
「神龍様ですかな?」
「はい。ですので、流石に神龍様に会って素材を下さいっていう訳にもいきませんし。」
「会う?シュウト殿は・・・まぁよい、それよりも神龍様の素材ならばあるぞ。」
「えっ?」
「彼処じゃ。」
ノブツナさんがそう言いながら指さす方を見ると白金のかなり大きい素材が積み重なった状態で置いてあった。
「・・・神龍様の素材なのにあんな風に乱雑に置いておいて良いんですか?」
「見ての通り大きい物はかりじゃし、数も多いからのぅ。それに素材とはいえ誰も扱えないのであれば飾るしかないしのぅ。」
「扱えないですか・・・確かにエルダードワーフの中でも一握りってところでしょうね。」
「ほう流石シュウト殿じゃのぅ。エルダードワーフまで知っておるとは、その様子じゃと彼らの里にも行った事があるのかのぅ?」
「まぁそうですね。というか、眷属の1人がエルダードワーフなんで。」
「という事は話しておった造る専門の眷属様かのぅ?」
「そうですね。」
「ならばシュウト殿への礼の品は決まりじゃな。」
「えっ?」
「目星い物は無かったじゃろう?」
「ま、まぁ・・・。」
「ではシュウト殿への礼の品は武甕槌とその修復に必要な神龍様の素材全てで決定じゃ。なんせ儂らが持っていようと飾る以外の方法はないからのぅ。」
「・・・良いんですか?」
「よいよい、これからの戦いに役立つか、分からんが持って行ってくれたら儂らも喜ばしい限りじゃて。」
「分かりました、有り難く頂きます。」
俺はそう言うと3人に御礼を言って自分のアイテムボックス改に戻って行った。
俺が宝物庫の中があまりにも広い事に驚いてそう言うとノブツナさんが微笑みながら声を掛けてきた。
「そうじゃろう、そうじゃろう。儂もシュウト殿と同じ様に先代の父上に連れて来られた際には圧倒されたのを思い出すわい。」
「誰でも驚くと思いますよ。」
「そうでもないぞ。現にタケノミヤ様は驚かんだしのぅ。」
「そうなんですか?」
「皇家の屋敷にも似た広さの宝物庫がございますので。」
「あぁ、そういう事ですか・・・でも此処ってどの位の広さがあるんですか?」
「そうじゃのぅ・・・高さはそこまで無いが、幅だけを考えれば城と同じのはずじゃ。まぁ、出力を上げれば更に広く出来るそうじゃが、維持する為の魔力を増やさねばならん故、この程度の広さにはなるかの。」
「あっ、空間拡張ですか。」
「仰る通りじゃ、さっ、ゆるりと見てもらって欲しい物があれば・・・そうじゃ、どうしても譲れぬ物もある故、1度教えて貰えると有り難いのぅ。」
「あぁ、それは勿論。元々何か欲しくてって訳ではないですし・・・じゃあ見て来ますね。」
俺がそう言うとノブツナさんが頷いたので宝物庫の中を歩いていると絵画や壺などの芸術品の他、変わった魔道具、魔力を帯びた玉、かなりの付与が施されている武具などが規則正しく並んでいた。
俺は一先ず今後に役立つ物か、仲間が喜ぶ物がないか、見ていると何かに引き寄せられる様な感覚を覚え、それに従う様に進んで行った。
その感覚を頼りに暫く進むとガラスケースの様な物がズラりと並び、そのガラスケース1つ毎に1体の人形が入っていた。
「コレが・・・。」
「シュウト殿が思っておる通り、これらがカヤ様の人形達じゃ。」
「何故ケースに?他のとは違って壊れやすいんですか?」
「そうではないのじゃ、アレは結界を施してある水晶板でのぅ、あの様に常に結界で遮断しておかねば周囲の魔力を吸収し人形それぞれが持つスキルが暴走するんじゃよ。」
「スキルが暴走?動くって事ですか?」
「それは無い。しかしながら混乱の波長や魅惑、最悪なのは限界水準まで到達すると自爆するのじゃ。しかも城門を一撃で消滅させる勢いでの。」
「凄まじい威力ですねぇ・・・けど、それってどうやって分かったんですか?鑑定とかのスキルをお持ちの方が?それともカヤ様の遺言か何かですか?」
「鑑定は出来んよ。入らせる訳にはいかんでのぅ。」
「じゃあ・・・。」
「確かに口伝で伝えられてはおるが、1番の原因は先々代のご兄弟が暴走したのじゃ。」
「暴走?」
「そうじゃ、今は無いが人形を調べる名目で結界を解いて離れに持ち込み、その結果離れごと爆発されて木っ端微塵じゃ。恐らく結界を解いた時点で何らかのスキルに操りれてしまったのじゃろうて。じゃからその事件の後、結界を強固な物にしたんじゃよ。」
「なるほど・・・でもそんな事件があったのに廃棄はしなかったんですね。」
「出来んよ。カヤ様の作品じゃしな。まぁ、次に解くとしたら儂らの子孫にカヤ様と同じパペットマスターのスキルを授かる者が生まれてくれば解くじゃろうな。」
「パペットマスター?」
「そうじゃ、普通の人形使いというスキルを極限まで鍛えて進化した先に在るというスキルじゃ。」
「普通の人形使いじゃ駄目なんですか?」
「無理じゃな。それでは人形のスキルに負けてしまうからのぅ。」
「・・・っていう事は試してみた事があると?」
「うむ。兵器利用を考えてしまう程の力があるでな。」
「パペットマスターなら平気なんですね。」
「そうじゃよ。しかしシュウト殿のその様子から考えるとお仲間の方にパペットマスターでも居るのか?」
「あっ、自分が持ってます。」
「おお、では全ては勘弁してもらいたいが、何体かお好きな人形を貰ってもらえますかな?」
「カヤ様の人形って家宝とかですよね。」
「そうじゃが、カヤ様の作品は口伝によるとCランクの魔物であっても一撃で倒す事の出来る人形であるぞ。」
「まぁ確かにこれだけのスペックならCランクの魔物くらいは一撃で倒す事は可能だと思いますけど・・・。」
「スペック?鑑定をされたのか?」
「あっ、すいません勝手に。」
「それは良いのじゃが、鑑定されてもその様子・・・シュウト殿の戦いには力不足という事かのぅ?」
「正直にいえば、その通りです。確かに此処にある人形は自動で周囲の魔力を取り込む事でパペットマスターの補助を受ければ他の人形使いでも操作可能ですが、問題は自分だと壊してしまう可能性が非常に高いという点もあります。」
「壊してしまうとはどういう事じゃ?」
「魔力の受け皿が1億しかないんですよ。」
「1億?それは凄い・・・ん?もしやそれを壊すという事はシュウト殿は瞬時にそれだけの、いや、それ以上の魔力を込めれるという事かのぅ?」
「まぁ、それも出来ますけど、問題は人形の魔力吸収スピードなんですよ。」
「吸収スピードとはどういう意味じゃ?」
「戦場の違いで戦術や操作性が変わらない様にする為に周囲の魔力濃度に関わらず一定のスピードで吸収し、濃度が低い、弱い相手だった場合、人形のスペックで倒し、魔力濃度の高い場所だった場合、相手の魔法を無効化、もしくは阻害する為に周囲の魔力を吸収してスキルを多様する様に設計されてますので、自分の周りというか、環境下だと自爆のリスクがあまりにも高いと言わざるを得ないですね。」
「それ程の・・・それではシュウト殿の迷惑にしかならんのぅ・・・。」
「すいません。」
「シュウト殿が謝られる必要は無い・・・じゃが、此処まで見てもらったが、シュウト殿の琴線に触れる様な物があった様には見受けられんかったからのぅ・・・そうじゃ、戦闘に役立つ物を作る為に結界ごと持って帰ってもらっても良いぞ。カヤ様には申し訳ないがバラバラにしても使徒様のお役に立つなら怒られはせんじゃろうしのぅ。」
「それって大丈夫なんですか?」
「シュウト殿、儂らは使徒様のお役に立てたというだけでもかなり名誉な事なんじゃよ。まぁ、他の皇族がどう思うかは別じゃがな。」
「それな・・・ん?・・・。」
俺はノブツナさんに返答しようとする際に魔力が吸われる感覚が強くなった事でケースの1つが壊れたのかと思い、魔力の流れる先を見るとケースにも入っていない前世で神事に際して特別な神楽衣装を身に纏った人形が鎮座していた。
「ノブツナさん、あのケースに入ってない人形は?」
「あの人形は武甕槌(タケミカヅチ)という名を持つアーティファクトで、あの人形だけはカヤ様の作品ではなく、あのアーティファクトを元にカヤ様は御自身の人形を造られたのじゃ。」
「じゃあ使われてないという事ですか?」
「いや、実際に使われとったと聞いておるが、カヤ様が御逝去されて数年後には壊れて自動修復する事も無くなった・・・ん?経年劣化でボロボロだった・・・修復されてきておる・・・シュウト殿、何かされたのか?」
アーティファクトが徐々に修復されてきているのに驚いて俺の方を見てきたが、首を横に振りながら答えた。
「壊れていた訳ではなく、特殊な魔力じゃないと吸収しない様にしてあるみたいですよ。」
「特殊な魔力とな?」
ノブツナさんがそう言うと後ろで少し間を空けて着いてきていたタケノミヤさんが近付いてきた。
「シュウト殿、もしかして陰陽玉と同じなのでしょうか?」
「陰陽玉の方は自動的に吸収する割合がかなり少ないので普通の魔力でも吸収してくれますが、こちらの人形、武甕槌は自動吸収する代わりに普通の魔力は反射してしまいます。」
「反射ですか?」
「はい。ですので、戦闘時に魔物や敵の魔法や魔力を帯びたスキルは放ってきた相手に向かってそのまま反射します。」
「それは呪術もという事でしょうか?」
「その呪術が魔力を帯びていればそうなります。と言っても人形自体に干渉しなければパペットマスターで操作している者には効果は出てしまうと思います。」
「ん?シュウト殿、武甕槌の修復は終了したのかのぅ?」
タケノミヤさんと話している俺にノブツナさんがそう言ってきたので武甕槌を見ると腕が欠け、衣の裾や袖がまだボロボロの状態で修復が止まっていた。
「・・・自己修復能力は有りますけど大きく欠けている部分には素材が必要になってくるみたいですね。」
「素材とは何が必要なのじゃ?」
「・・・これは・・・。」
俺がそう言い淀んでいるとノブツナさんが再び声を掛けてきた。
「素材が必要なのであれば儂が用意するが・・・。」
「いや、その素材なんですけど、神鉄って多分オリハルコンなんで何とかなりますし、世界樹の枝も持ってますけど、もう1つが流石に・・・。」
「・・・その2つを調達出来るとはシュウト殿は流石じゃのぅ・・・して、シュウト殿でも調達出来ぬ最後の1つとはなんじゃ?」
ノブツナさんが呆れながらもそう言ってきたので言って良いものか少し悩みながらも答える事にした。
「神龍の素材です。」
「神龍様ですかな?」
「はい。ですので、流石に神龍様に会って素材を下さいっていう訳にもいきませんし。」
「会う?シュウト殿は・・・まぁよい、それよりも神龍様の素材ならばあるぞ。」
「えっ?」
「彼処じゃ。」
ノブツナさんがそう言いながら指さす方を見ると白金のかなり大きい素材が積み重なった状態で置いてあった。
「・・・神龍様の素材なのにあんな風に乱雑に置いておいて良いんですか?」
「見ての通り大きい物はかりじゃし、数も多いからのぅ。それに素材とはいえ誰も扱えないのであれば飾るしかないしのぅ。」
「扱えないですか・・・確かにエルダードワーフの中でも一握りってところでしょうね。」
「ほう流石シュウト殿じゃのぅ。エルダードワーフまで知っておるとは、その様子じゃと彼らの里にも行った事があるのかのぅ?」
「まぁそうですね。というか、眷属の1人がエルダードワーフなんで。」
「という事は話しておった造る専門の眷属様かのぅ?」
「そうですね。」
「ならばシュウト殿への礼の品は決まりじゃな。」
「えっ?」
「目星い物は無かったじゃろう?」
「ま、まぁ・・・。」
「ではシュウト殿への礼の品は武甕槌とその修復に必要な神龍様の素材全てで決定じゃ。なんせ儂らが持っていようと飾る以外の方法はないからのぅ。」
「・・・良いんですか?」
「よいよい、これからの戦いに役立つか、分からんが持って行ってくれたら儂らも喜ばしい限りじゃて。」
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