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第371話 [依頼。]
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「やっぱり此処に居たのか。」
俺がヤマトからアイテムボックス改に直接戻り、洞窟フィールドに行くとドラウが作業をしていた。
「おぉ、シュウトか。海龍の奴らと模擬戦をしてな、海中戦で攻撃を受ける事を少なく出来ねぇかと思って試行錯誤してるんだ。」
「模擬戦?ドラウにしてはルーク達みたいに戦闘狂にでもなったのか?」
「そんなんじゃねぇよ。製作意欲が湧いたってだけだ。」
「まぁそうだろうな。にしても海龍ってやっぱり強かったんだな。」
「リヴィアタン様と側近の海龍以外はそこまで強くは無いがある程度の強さは有るからなぁ、数の暴力だと攻撃を結構受けるんだよ。」
「そんなに協力してもらってたのか?」
「協力ってぇより、お互いの利害の一致ってとこだな。俺はデータを取りてぇし、リヴィアタン様との模擬戦を見て、俺とやりてぇって奴らが居たからな。」
「それなら良いか。」
「それで終わったのか?それとも何か必要なもんが有るのか?」
「終わったぞ。」
「じゃあ、どうしたんだ?」
「いや、2つほど見てもらいたい物があってさ。」
「見てもらいたい?神の瞳で殆どもんを見れるシュウトがそう言うってぇ事は何か造るのか?それとも直すのか?」
「1つはコレだ。」
俺はそう言うと台座付きの陰陽玉を手渡した。するとドラウは陰陽玉を壊れ物を扱うかの様に持ち、射る様な視線でじっくりと陰陽玉と台座を観察していた。
「コレは・・・俺に台座を造れって事か?玉の方はどうせシュウトが偶然造っちまったんだろ?」
「よく分かったな。」
「当たり前だろ。玉・・・陰陽玉か、コレは俺にどうこう出来る代物じゃねぇからな。台座の方は素材は特殊だが、素材さえあれば今の俺なら出来ねぇ事もねぇしな。って事は依頼は台座って事になるじゃねぇか。」
「そうなんだよ。一応事情を言うと・・・・・。」
俺はそう言うとヤマトでの状態や今後の事を話した。
「なるほどなぁ・・・俺は里から殆ど出てねぇから他国の事は分かんねぇが、めんどくせぇ国もあんだな。まぁいいや、ただな・・・。」
ドラウはそう言うと片眉を上げて困った様子で黙ってしまった。
「素材か?」
「おうよ。」
「一応揃うはずだぞ。」
「そりゃあ世界樹は在るし、オリハルコンもヒヒイロカネは手持ちで在るが、神龍様の素材はどうすんだよ。」
「それなら一緒に貰ってきた。」
俺はそう言うとドサドサドサ・・・っと神龍様の素材を全て空いてるスペースに置いた。
「在るのかよ!って!そんな無造作に置くんじゃねぇ!」
ドラウは少し怒りながらそう言いつつ、1種類ずつ残して残りの神龍素材を自分のアイテムボックスへと収納した。
「悪い。それで出来そうか?」
「あぁ。神龍様の鬣に鱗が在るし、問題ねぇ・・・あっ、でもお前の世界樹から新芽、そうだなぁ・・・世界樹だから在るかは分かんねぇが懐枝や逆さ枝になりそうなのか、蘖みてな若芽を貰ってきてくれ。後は俺がなんとかするからよぅ。」
「新芽な。う~ん・・・誰か聞こえるか?」
俺がそう言うと土幻精霊のエダが土の中からヌゥーっと出て来た。
「どうされたのじゃ?」
「世界樹の新芽とかって要らない部分って在るのか?」
「ユグドラシル様も大きい枠組みでは木の精霊じゃから在りますぞ。ただユグドラシル様は御自身で剪定され、その貴重な新芽を御自身の養分として吸収されておりますがな。」
「こっちだとどうなんだ?」
「シュウト様の世界樹であれば養分にする必要性は皆無じゃな。その労力よりもシュウト様の魔力や神気を取り込む事で成長出来ますからな。」
「そうなのか?」
「そうじゃよ。伸び伸びと成長されておるわい。」
「それは良いけど、今のところ剪定とかはしなくて良いのか?」
「儂らがユグドラシル様に聞いてしておりますぞ。」
「そうなのか。それならドラウに新芽か若芽を渡してやってくれ。」
「御意。」
エダはそう言うとドラウの方を見た。
「どの程度必要なのじゃ?」
「逆にどんだけ用意出来るんだ?」
「そうじゃのぅ、今すぐと言うのであれば、ホレそこのミスリルくらいかのぅ。」
エダが指しさ方向には丘の様に積み重なったミスリル鉱石が在った。
「凄ぇ量だなぁ・・・何でそんなに在るんだ?」
「ユグドラシル様から精霊以外が使う回復薬等の素材になるから残しておきなさいって言われとったからのぅ。」
「なるほどな。ただなぁ・・・。」
「何じゃ?」
「それは俺達に言わねぇと意味ねぇだろ?」
ドラウにそう言われたエダはハッとした顔をして俺の方を見てきた。
「申し訳ないのじゃ。」
「まぁ、態と隠してた訳じゃないだろ?」
「はい・・・。」
「自分達に必要な事じゃなかったら事が起こらない限り、気付かないだろうし、良いんじゃないか?ドラウもそう思うだろ?」
「まぁ、そうだな。それで世界樹の素材で他に言わなきゃいけねぇと思うやつはねぇのか?」
「また出来た世界樹の実はナビコに渡してある・・・後は葉っぱや枝かのぅ。」
「じゃあ直ぐに出せっつうか、世界樹の素材で此処の世界樹に必要ねぇもんが在ったら持ってこい。俺達には必要ねぇもんでも国のヤツらには必要になってくるもんもあるだろうからな。」
「何か作るつもりなのか?」
「万能薬は俺達も必要だが、国のヤツらの為のもんは、状態異常の回復薬だな。それさえあれば生存率は上がるだろうし、万能薬も希釈して濃度を薄くすりゃあその辺の上級回復薬よりも良いもんになるだろうしな。」
「そんなにあるのに態々希釈する必要があるのか?」
「何言ってんだ?俺らみたいに体力があるやつは良いがBやCランクの魔物を相手にしてるヤツらだと回復量が多すぎてへたしたら内部から爆発しちまう可能性だってあるんだぞ。」
「そうなのか、それは希釈した方が良いな。」
「だろ。それに万能薬なんてもんは王城なんかで数本保管されてる様なもんって聞いた事あるしな。ばらまけるもんでもねぇんだよ。」
「あぁ、そうか。ならその辺はルークやレイにどうするか聞いてみてくれ。」
「おうよ。まぁなんにせよ、1つ目は任せろ。そんでもう1つは何なんだ?」
「こっちは貰い物なんだが、先ずは見てくれ。」
俺はそう言うと武甕槌を取り出してドラウに渡した。するとドラウは陰陽玉の時と同じ様に扱い、溜め息を吐くと俺の方を見てきた。
「コイツは合成素材を造るだけだな。」
「そうなんだが、出来そうか?」
「問題ねぇ、コイツには世界樹の枝と葉が必要だが、今エダがあるって言ってたからなぁ。」
「じゃあ頼むな。」
「おうよ。んで、相談なんだが、そのタケミカヅチだったか、完全修復したら少しそのまま俺に預けといてもらえねぇか?」
「研究でもするのか?」
「研究もそうなんだが、人形使いが武器として使ってたって所に違和感があってな。」
「違和感?」
「あぁ、確かに性能分析からしたら戦闘人形として使うのも適してるんだが、それ以外もありそうな気がしてな。」
「気がするって事は何かしらの可能性を見付けたけど、それがどう作用するモノか分からないって事で良いのか?」
「あぁ、なんつうか血が騒ぐ感じって言ったら分かるか?」
「未知への挑戦って感じか?」
「まぁ、概ねそうだな。」
「一応、貰い物だしな、壊さないって言うなら任せるぞ。」
「それは問題ねぇ。」
「なら任せた。研究結果が出たら教えてくれ。」
「任せろ。」
ドラウはそう言うと工房の中に入っていった。
数日後、ドラウに呼び止められた俺はドラウと共に洞窟フィールドへと来ていた。
「陰陽玉の台座は出来たぞ。」
「おぉ、そっくりだな。」
「見た目はな。」
「そうは言ってもドラウが造ったんだ、性能は良いんだろ?」
「まぁな。性能テストは俺も見に行って良いのか?」
「それは・・・聞いてくる。」
「(聞いてなかったのかよ・・・。)」
ドラウの呟きを他所にタケノミヤさんの居場所を神の瞳で確認するとまた地獄山で修行していたので、邪魔にならない様に近くに転送した。
「突然すいません。」
「これはこれはシュウト殿、如何なさいましたか?」
「その陰陽玉の台座が出来たんで使用感を隣りで聞きたいと製作した者が言っているのですが・・・。」
「もう出来たというのですか!!?」
タケノミヤさんがかなり驚いてそう言うと後ろにいたノブテルさんも目を見開いて驚いていた。
「そうですね。それで・・・。」
「・・・。」
「タケノミヤさん?」
「ハッ!・・・申し訳ありません。ど、どうぞ、いらしてください。」
「分かりました。それにしてもお連れの方はノブテルさんだけって色々と大丈夫なんですか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは少し暗い顔をして押し黙ってしまった。
「タケノミヤさん?」
「あ、あぁ、申し訳ありません。」
「あっ、言い難い事なら・・・。」
「いえ、私事ですので。御心配お掛けして申し訳ございません。」
「いえいえ、自分もズケズケとものを言ってしまい申し訳ありません。」
「いえ、問題ありません。実はあの後、陰陽玉を使い、大量の魂の捕獲、その後、一気に転生させる事で私の職業スキルである陰陽師が進化し、阿部童子というスキルに成る事が出来たのです。」
「ん?それは良くない事だったんですか?」
「いえ、良過ぎたのです。」
「良過ぎた?」
「はい。歴史上においても泰山府君様以降数人しか成れなかったスキルなのです。」
「凄いじゃないですか。」
「はい。ですがその所為で生き残った弓兵の者達がより責任を感じてしまい、『今後、お役に立つにはコレしかございません』と言って自害してしまったのです。」
「じ、自害!?」
「はい。陰陽寮のあの事件に加え、私がダンジョンに囚われてしまった件が重なり、あの者共にも疑いを掛けられ、一族存続の危機になってしまったのも有るのでしょう。私とノブテルがあの者共の為に奔走している間に・・・。」
「そうだったんですね・・・。」
「助けて頂いたのにこんな事になってしまい申し訳ございません。」
「いえいえ、自分の力が至らないばかりに・・・。」
「そんな事はございません。シュウト殿がいらっしゃらなければ私共は此処に立っている事もありませんでしたので。」
「・・・分かりました。ですが、ご冥福をお祈りします。」
俺がそう言うとタケノミヤさんは印を組んで呪を唱え始めた。
俺がヤマトからアイテムボックス改に直接戻り、洞窟フィールドに行くとドラウが作業をしていた。
「おぉ、シュウトか。海龍の奴らと模擬戦をしてな、海中戦で攻撃を受ける事を少なく出来ねぇかと思って試行錯誤してるんだ。」
「模擬戦?ドラウにしてはルーク達みたいに戦闘狂にでもなったのか?」
「そんなんじゃねぇよ。製作意欲が湧いたってだけだ。」
「まぁそうだろうな。にしても海龍ってやっぱり強かったんだな。」
「リヴィアタン様と側近の海龍以外はそこまで強くは無いがある程度の強さは有るからなぁ、数の暴力だと攻撃を結構受けるんだよ。」
「そんなに協力してもらってたのか?」
「協力ってぇより、お互いの利害の一致ってとこだな。俺はデータを取りてぇし、リヴィアタン様との模擬戦を見て、俺とやりてぇって奴らが居たからな。」
「それなら良いか。」
「それで終わったのか?それとも何か必要なもんが有るのか?」
「終わったぞ。」
「じゃあ、どうしたんだ?」
「いや、2つほど見てもらいたい物があってさ。」
「見てもらいたい?神の瞳で殆どもんを見れるシュウトがそう言うってぇ事は何か造るのか?それとも直すのか?」
「1つはコレだ。」
俺はそう言うと台座付きの陰陽玉を手渡した。するとドラウは陰陽玉を壊れ物を扱うかの様に持ち、射る様な視線でじっくりと陰陽玉と台座を観察していた。
「コレは・・・俺に台座を造れって事か?玉の方はどうせシュウトが偶然造っちまったんだろ?」
「よく分かったな。」
「当たり前だろ。玉・・・陰陽玉か、コレは俺にどうこう出来る代物じゃねぇからな。台座の方は素材は特殊だが、素材さえあれば今の俺なら出来ねぇ事もねぇしな。って事は依頼は台座って事になるじゃねぇか。」
「そうなんだよ。一応事情を言うと・・・・・。」
俺はそう言うとヤマトでの状態や今後の事を話した。
「なるほどなぁ・・・俺は里から殆ど出てねぇから他国の事は分かんねぇが、めんどくせぇ国もあんだな。まぁいいや、ただな・・・。」
ドラウはそう言うと片眉を上げて困った様子で黙ってしまった。
「素材か?」
「おうよ。」
「一応揃うはずだぞ。」
「そりゃあ世界樹は在るし、オリハルコンもヒヒイロカネは手持ちで在るが、神龍様の素材はどうすんだよ。」
「それなら一緒に貰ってきた。」
俺はそう言うとドサドサドサ・・・っと神龍様の素材を全て空いてるスペースに置いた。
「在るのかよ!って!そんな無造作に置くんじゃねぇ!」
ドラウは少し怒りながらそう言いつつ、1種類ずつ残して残りの神龍素材を自分のアイテムボックスへと収納した。
「悪い。それで出来そうか?」
「あぁ。神龍様の鬣に鱗が在るし、問題ねぇ・・・あっ、でもお前の世界樹から新芽、そうだなぁ・・・世界樹だから在るかは分かんねぇが懐枝や逆さ枝になりそうなのか、蘖みてな若芽を貰ってきてくれ。後は俺がなんとかするからよぅ。」
「新芽な。う~ん・・・誰か聞こえるか?」
俺がそう言うと土幻精霊のエダが土の中からヌゥーっと出て来た。
「どうされたのじゃ?」
「世界樹の新芽とかって要らない部分って在るのか?」
「ユグドラシル様も大きい枠組みでは木の精霊じゃから在りますぞ。ただユグドラシル様は御自身で剪定され、その貴重な新芽を御自身の養分として吸収されておりますがな。」
「こっちだとどうなんだ?」
「シュウト様の世界樹であれば養分にする必要性は皆無じゃな。その労力よりもシュウト様の魔力や神気を取り込む事で成長出来ますからな。」
「そうなのか?」
「そうじゃよ。伸び伸びと成長されておるわい。」
「それは良いけど、今のところ剪定とかはしなくて良いのか?」
「儂らがユグドラシル様に聞いてしておりますぞ。」
「そうなのか。それならドラウに新芽か若芽を渡してやってくれ。」
「御意。」
エダはそう言うとドラウの方を見た。
「どの程度必要なのじゃ?」
「逆にどんだけ用意出来るんだ?」
「そうじゃのぅ、今すぐと言うのであれば、ホレそこのミスリルくらいかのぅ。」
エダが指しさ方向には丘の様に積み重なったミスリル鉱石が在った。
「凄ぇ量だなぁ・・・何でそんなに在るんだ?」
「ユグドラシル様から精霊以外が使う回復薬等の素材になるから残しておきなさいって言われとったからのぅ。」
「なるほどな。ただなぁ・・・。」
「何じゃ?」
「それは俺達に言わねぇと意味ねぇだろ?」
ドラウにそう言われたエダはハッとした顔をして俺の方を見てきた。
「申し訳ないのじゃ。」
「まぁ、態と隠してた訳じゃないだろ?」
「はい・・・。」
「自分達に必要な事じゃなかったら事が起こらない限り、気付かないだろうし、良いんじゃないか?ドラウもそう思うだろ?」
「まぁ、そうだな。それで世界樹の素材で他に言わなきゃいけねぇと思うやつはねぇのか?」
「また出来た世界樹の実はナビコに渡してある・・・後は葉っぱや枝かのぅ。」
「じゃあ直ぐに出せっつうか、世界樹の素材で此処の世界樹に必要ねぇもんが在ったら持ってこい。俺達には必要ねぇもんでも国のヤツらには必要になってくるもんもあるだろうからな。」
「何か作るつもりなのか?」
「万能薬は俺達も必要だが、国のヤツらの為のもんは、状態異常の回復薬だな。それさえあれば生存率は上がるだろうし、万能薬も希釈して濃度を薄くすりゃあその辺の上級回復薬よりも良いもんになるだろうしな。」
「そんなにあるのに態々希釈する必要があるのか?」
「何言ってんだ?俺らみたいに体力があるやつは良いがBやCランクの魔物を相手にしてるヤツらだと回復量が多すぎてへたしたら内部から爆発しちまう可能性だってあるんだぞ。」
「そうなのか、それは希釈した方が良いな。」
「だろ。それに万能薬なんてもんは王城なんかで数本保管されてる様なもんって聞いた事あるしな。ばらまけるもんでもねぇんだよ。」
「あぁ、そうか。ならその辺はルークやレイにどうするか聞いてみてくれ。」
「おうよ。まぁなんにせよ、1つ目は任せろ。そんでもう1つは何なんだ?」
「こっちは貰い物なんだが、先ずは見てくれ。」
俺はそう言うと武甕槌を取り出してドラウに渡した。するとドラウは陰陽玉の時と同じ様に扱い、溜め息を吐くと俺の方を見てきた。
「コイツは合成素材を造るだけだな。」
「そうなんだが、出来そうか?」
「問題ねぇ、コイツには世界樹の枝と葉が必要だが、今エダがあるって言ってたからなぁ。」
「じゃあ頼むな。」
「おうよ。んで、相談なんだが、そのタケミカヅチだったか、完全修復したら少しそのまま俺に預けといてもらえねぇか?」
「研究でもするのか?」
「研究もそうなんだが、人形使いが武器として使ってたって所に違和感があってな。」
「違和感?」
「あぁ、確かに性能分析からしたら戦闘人形として使うのも適してるんだが、それ以外もありそうな気がしてな。」
「気がするって事は何かしらの可能性を見付けたけど、それがどう作用するモノか分からないって事で良いのか?」
「あぁ、なんつうか血が騒ぐ感じって言ったら分かるか?」
「未知への挑戦って感じか?」
「まぁ、概ねそうだな。」
「一応、貰い物だしな、壊さないって言うなら任せるぞ。」
「それは問題ねぇ。」
「なら任せた。研究結果が出たら教えてくれ。」
「任せろ。」
ドラウはそう言うと工房の中に入っていった。
数日後、ドラウに呼び止められた俺はドラウと共に洞窟フィールドへと来ていた。
「陰陽玉の台座は出来たぞ。」
「おぉ、そっくりだな。」
「見た目はな。」
「そうは言ってもドラウが造ったんだ、性能は良いんだろ?」
「まぁな。性能テストは俺も見に行って良いのか?」
「それは・・・聞いてくる。」
「(聞いてなかったのかよ・・・。)」
ドラウの呟きを他所にタケノミヤさんの居場所を神の瞳で確認するとまた地獄山で修行していたので、邪魔にならない様に近くに転送した。
「突然すいません。」
「これはこれはシュウト殿、如何なさいましたか?」
「その陰陽玉の台座が出来たんで使用感を隣りで聞きたいと製作した者が言っているのですが・・・。」
「もう出来たというのですか!!?」
タケノミヤさんがかなり驚いてそう言うと後ろにいたノブテルさんも目を見開いて驚いていた。
「そうですね。それで・・・。」
「・・・。」
「タケノミヤさん?」
「ハッ!・・・申し訳ありません。ど、どうぞ、いらしてください。」
「分かりました。それにしてもお連れの方はノブテルさんだけって色々と大丈夫なんですか?」
俺がそう言うとタケノミヤさんは少し暗い顔をして押し黙ってしまった。
「タケノミヤさん?」
「あ、あぁ、申し訳ありません。」
「あっ、言い難い事なら・・・。」
「いえ、私事ですので。御心配お掛けして申し訳ございません。」
「いえいえ、自分もズケズケとものを言ってしまい申し訳ありません。」
「いえ、問題ありません。実はあの後、陰陽玉を使い、大量の魂の捕獲、その後、一気に転生させる事で私の職業スキルである陰陽師が進化し、阿部童子というスキルに成る事が出来たのです。」
「ん?それは良くない事だったんですか?」
「いえ、良過ぎたのです。」
「良過ぎた?」
「はい。歴史上においても泰山府君様以降数人しか成れなかったスキルなのです。」
「凄いじゃないですか。」
「はい。ですがその所為で生き残った弓兵の者達がより責任を感じてしまい、『今後、お役に立つにはコレしかございません』と言って自害してしまったのです。」
「じ、自害!?」
「はい。陰陽寮のあの事件に加え、私がダンジョンに囚われてしまった件が重なり、あの者共にも疑いを掛けられ、一族存続の危機になってしまったのも有るのでしょう。私とノブテルがあの者共の為に奔走している間に・・・。」
「そうだったんですね・・・。」
「助けて頂いたのにこんな事になってしまい申し訳ございません。」
「いえいえ、自分の力が至らないばかりに・・・。」
「そんな事はございません。シュウト殿がいらっしゃらなければ私共は此処に立っている事もありませんでしたので。」
「・・・分かりました。ですが、ご冥福をお祈りします。」
俺がそう言うとタケノミヤさんは印を組んで呪を唱え始めた。
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