88 / 414
第87話 [修理と改良]
しおりを挟む
「ねぇ、リョウマ、シュウトちゃんっていつもあんな感じなの?」
「今回はまだマシな方でござるよ。」
「マシって?」
「ダンジョンにいる時は戦ってる最中に薪が物凄いスピードで飛んできたでござる。」
「え?何それ・・・無茶苦茶じゃない。」
「拙者も最初はそう思ったでござるが、魔物が湧く部屋でやられた時は死ぬかと思ったでござる。」
「はぁ?でも思ったって過去形なのね。」
「そうでござる。お陰で魔物と戦ってる時に見えないはずの魔物が襲ってきたでござるが難なく倒せた時に理解出来たでござる。まぁその時も拙者が喜んで油断した瞬間にも薪は飛んできたでござるが。」
「もう滅茶苦茶ね。貴方も含めて。」
「何故でござるか?」
「貴方、今の状況を普通に納得してるでしょ。」
「あっ、そうでござるな。シュウトに毒されてるかもしれないでござるな。」
キールさんは苦笑いをしながら言葉を続けた。
「貴方は弟子になる子にするんじゃないわよ。」
「何故で・・・そうでござるな。今の実力だと死人が出そうでござるな。」
「今のって毒されてるけど分かってるみたいで良かったわ。」
「当たり前でござる。やるならちゃんと弟子のレベルを上げて問題ない敵の時にするでござる。」
キールさんはリョウマの返答に首を横に振りながら呆れていた。するとバトさんがキールさんに声を掛けていた。
「なるほど、良い事を聞けましたねキール。」
バトさんがそう言うとキールさんは青ざめ返答していた。
「し、師匠、私はもう冒険者じゃないので大丈夫です。」
「何を言っているんですか?いつ何時敵が襲ってくるか、その時に対処出来る様にしておくのは良い事ですよ。」
「はい。」
バトさんの返答にキールさんは肩を落としながら弱々しく返事をしていた。俺は流石に可哀想になったので、声を掛けた。
「キールさん、此処に2つとも出して良いんですか?」
「へ?あっ!そうね。魔力収束砲はそこに出して、スカイボードはそのまま私に渡してくれるかしら。」
突然声を掛けられて一瞬戸惑っていたが直ぐに復活した様子だったので、俺はキールさんの言う通りに2つの魔道具を出して渡した。
キールさんは先ずは受け取ったスカイボードを調べると声を掛けてきた。
「シュウトちゃん、魔力がかなり上がったんじゃない?」
「え?何でですか?」
「今は全然問題ないんだけど、この子の消耗が思ったよりも進んでたからね。とりあえず交換と強化はしておいたけど次、大幅にレベルアップした時は私が見るまでは一寸気にしてあげてね。」
「分かりました。次にまた大幅なレベルアップした時はキールさんに会うまでは気を付けて使います。」
俺がそう言うとキールさんは微笑みながらスカイボードを俺に渡し、今度は魔力収束砲を調べ始めた。
「この子は問題なさそうね。聞いてた話の割には損傷が少ないわね。まぁでも予想してた箇所の強化はしておいた方が良さそうだから少し弄るわね。」
「はい。お願いします。」
俺がそう言うとキールさんは黙々と作業を始めた。
俺がキールさんの作業を見ているとハロルドさんが声を掛けてきた。
「おお、そうでした。シュウト様、王都を守って頂けてありがとうございます。そして、妻だけでなく、バットまで救って頂けた事、誠にありがとうございます。アレには重責を任せてしまった所為で好きな研究に没頭させてやる事も出来なかったので、シュウト様に救って頂いた事で肩の荷が降りた心持ちでございます。」
「いえいえ、お気になさらずに使命を果たしただけですし、自分もお陰で強くなれましたし。」
「相変わらずですな、シュウト様は。」
そう言いながらハロルドさんが微笑んでいるとキールさんから声が掛かった。
「出来たわよ。」
呼ばれて振り向くとそこには以前付いては無かったパーツが色々付いた収束砲があった。
「とりあえずシュウトちゃんの事だからまた今回の様な事が起こったら人に貸すだろうから誰でも使える様にアンカーを付けておいたわよ。後、以前の威力で倒すのが無理な敵が現れた時に対応出来る様に1発で全ての魔力を放出出来る様に切り替えるボタンも付けといたからね。」
なるほど、確かに前の威力だと俺が対応してなかったらトロールにやられてたかもしれないしな。
俺がそう思いながら魔道具を片付けているとハロルドさんが話し掛けてきた。
「シュウト様、そろそろ私共はこの後、商談に行き、キールとリョウマ殿は移動式家屋の改装の打ち合わせを行って行きますがシュウト様はこの後何かご予定は有りますでしょうか?」
「え?リョウマがキールさんと2人でですか?」
「なによ。流石の私も妻子持ちは狙わないわよ。」
「ホントですか?」
「当たり前じゃない!そんなの子供が可哀想でしょ!」
「なら、良かったです。」
キールさんがそう言ったのでセバスさんを見ると頷いてくれたので俺は納得してハロルドさんの方を向いた。
「とりあえず自分は離れでやりたい事が有るんで今日は此処から出るつもりは無いですけど何か有りましたか?」
「いえいえ別にこれといって用がある訳ではないのですが、食事等はどうなさるかと。」
「あぁお昼にはまだ早いと思いますがコレからお願いしようかと。夜は此処で一緒に食べませんか?」
「承知致しました。ではその様に。」
そう言うとハロルドさん達は離れから去っていった。
「バトさん、昼食って今から用意出来ますか?」
「はい。それでしたら今、サーシャが取りにいっております。」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
バトさんから返答を受けているとキールさんが近づいてきた。
「ねぇ、この家の感じはわかったから移動式家屋を外で出してくれない?」
「えっ?此処の外でやるんですか?」
「そんな事する訳ないじゃない。出してくれたら私のマジックバックに入れて持っていくに決まってるでしょ。」
「そういう事ですか。」
俺はそう言うと外で言われた通りに移動式家屋を出し、キールさんが仕舞っている間にリョウマに声を掛けた。
「リョウマ、一寸良いか?」
「何でござるか?」
「ダンジョンから持ってきた木で加工し易い木ってどれだ?」
俺はそう言うと全ての種類を出そうとするとリョウマに止められた。
「シュウト、もしかして全部の種類を出そうとしたのでござるか?」
「そうだけど?」
「なら、6階層の分だけって出来るでござるか?」
「あぁそれならこの5本だな。」
「すぐ出せるのは凄いでござるな。」
「そうか?階層毎に分けておけば必要な物を必要な場所に取りに行けるから時間の無駄を省けるだろ。」
「まぁそうでござるが、普通はそんな事しないでござるよ。」
「そんなものか。で、どれなんだ?」
「コレでござる。コレならば柔らか過ぎて建築材には使えないでござるが、節もなく彫刻なんかには使い勝手が良いでござるよ。」
「なるほどなぁ。じゃあ食器とかに使える1番良い木は?」
「それなら18階層の木を出してもらえないでござるか?」
そう言われたので15種類の木を出した。
「そうでござるな。これなら硬くて壊れにくいでござるし、水も通さないでござるよ。」
「水を通さないのかぁ・・・なら、水を通し易いのはどれだ?」
「水を通し易いでござるか?それならこの木でござるが水を通してしまったら食器としては使えないでござるよ。」
「それで良いんだよ。ありがとな。コレで試してみるよ。」
「そうでござるか?まぁシュウトが良いなら言う事はないでござる。」
俺達の話が終わるとキールさんも仕舞い終わったのか話し掛けてきた。
「リョウマ、そろそろ行きましょ。」
「分かったでござる。それじゃあシュウトまたでござる。」
「おう。よろしくな。」
リョウマ達がそう言って去って行くとタイミング良くサーシャさんが食事を持ってきてくれたので離れに入って食事を終わらせた。
「そうだ真司、暫く暇になるけど真司はどうしたい?」
『う~ん、そとでゴロゴロしてようかなぁ。』
「そうか、ならそうしろ。もし、何かやりたい事があるなら此処に居るから来なさい。」
『は~い。』
息子はそう言うと外へ出ていった。
「バトさん、一寸そっちの囲炉裏がある部屋で木を削りたいんですけど、何か下に敷く物ってありますか?」
バトさんは俺の言葉に頷くと囲炉裏のある部屋に入っていった。暫くすると用意が出来たのか、呼ばれたので入ってみるとそこには、先程キールさんが出していた布と座布団が置かれていた。
「あっ!バトさんもその布持ってるんですね。」
「はい。元々は私がキールに教えた物ですので。」
「あっそうなんですね。でも自分が今からする事は結構汚れてしまいますよ?」
「木屑でしたらそのまま囲炉裏の方へ放ってもらって結構ですよ。」
「はい。分かりました。ただコレから実験するのは染料と言ったらいいのか塗装と言ったらいいのか、兎に角、色移りしてしまう可能性がある事なので、出来れば捨ててもいい物の方が良いんですけど。」
「そうなのですか?まぁそれでも問題ありませんよ。その布は例えその上でゴブリンを解体しようとも汚れも匂いも付きませんので。」
「この世界にもゴブリンって居るんですね。」
「・・・何処にでもいますが、シュウト様はシンジ様と居らっしゃるので、彼奴らは弱い者には集団で襲ってきますが、強者の気配に敏感なので身を潜めるか早めに逃げ出していたのではないでしょうか。後、シュウト様はDランク以下のダンジョンにも入った事が無いようですね。」
「Dランク以下だと出るんですか?」
「はい。その通りです。もし討伐されるのであれば、接近戦はお止めになった方が良いかと思われます。」
「・・・そうします。」
「シュウト様、話は変わりますがその木を染める作業をされる様ですので、作業着を御用意致しますね。」
「え!?良いんですか?」
「はい。御滞在の際に何処も行かないのであれば部屋着にと御用意した物がありますので。」
「そうなんですね。何から何までありがとうございます。」
「いえいえ、では御用意致しますので奥でお着替えになって下さい。」
「今回はまだマシな方でござるよ。」
「マシって?」
「ダンジョンにいる時は戦ってる最中に薪が物凄いスピードで飛んできたでござる。」
「え?何それ・・・無茶苦茶じゃない。」
「拙者も最初はそう思ったでござるが、魔物が湧く部屋でやられた時は死ぬかと思ったでござる。」
「はぁ?でも思ったって過去形なのね。」
「そうでござる。お陰で魔物と戦ってる時に見えないはずの魔物が襲ってきたでござるが難なく倒せた時に理解出来たでござる。まぁその時も拙者が喜んで油断した瞬間にも薪は飛んできたでござるが。」
「もう滅茶苦茶ね。貴方も含めて。」
「何故でござるか?」
「貴方、今の状況を普通に納得してるでしょ。」
「あっ、そうでござるな。シュウトに毒されてるかもしれないでござるな。」
キールさんは苦笑いをしながら言葉を続けた。
「貴方は弟子になる子にするんじゃないわよ。」
「何故で・・・そうでござるな。今の実力だと死人が出そうでござるな。」
「今のって毒されてるけど分かってるみたいで良かったわ。」
「当たり前でござる。やるならちゃんと弟子のレベルを上げて問題ない敵の時にするでござる。」
キールさんはリョウマの返答に首を横に振りながら呆れていた。するとバトさんがキールさんに声を掛けていた。
「なるほど、良い事を聞けましたねキール。」
バトさんがそう言うとキールさんは青ざめ返答していた。
「し、師匠、私はもう冒険者じゃないので大丈夫です。」
「何を言っているんですか?いつ何時敵が襲ってくるか、その時に対処出来る様にしておくのは良い事ですよ。」
「はい。」
バトさんの返答にキールさんは肩を落としながら弱々しく返事をしていた。俺は流石に可哀想になったので、声を掛けた。
「キールさん、此処に2つとも出して良いんですか?」
「へ?あっ!そうね。魔力収束砲はそこに出して、スカイボードはそのまま私に渡してくれるかしら。」
突然声を掛けられて一瞬戸惑っていたが直ぐに復活した様子だったので、俺はキールさんの言う通りに2つの魔道具を出して渡した。
キールさんは先ずは受け取ったスカイボードを調べると声を掛けてきた。
「シュウトちゃん、魔力がかなり上がったんじゃない?」
「え?何でですか?」
「今は全然問題ないんだけど、この子の消耗が思ったよりも進んでたからね。とりあえず交換と強化はしておいたけど次、大幅にレベルアップした時は私が見るまでは一寸気にしてあげてね。」
「分かりました。次にまた大幅なレベルアップした時はキールさんに会うまでは気を付けて使います。」
俺がそう言うとキールさんは微笑みながらスカイボードを俺に渡し、今度は魔力収束砲を調べ始めた。
「この子は問題なさそうね。聞いてた話の割には損傷が少ないわね。まぁでも予想してた箇所の強化はしておいた方が良さそうだから少し弄るわね。」
「はい。お願いします。」
俺がそう言うとキールさんは黙々と作業を始めた。
俺がキールさんの作業を見ているとハロルドさんが声を掛けてきた。
「おお、そうでした。シュウト様、王都を守って頂けてありがとうございます。そして、妻だけでなく、バットまで救って頂けた事、誠にありがとうございます。アレには重責を任せてしまった所為で好きな研究に没頭させてやる事も出来なかったので、シュウト様に救って頂いた事で肩の荷が降りた心持ちでございます。」
「いえいえ、お気になさらずに使命を果たしただけですし、自分もお陰で強くなれましたし。」
「相変わらずですな、シュウト様は。」
そう言いながらハロルドさんが微笑んでいるとキールさんから声が掛かった。
「出来たわよ。」
呼ばれて振り向くとそこには以前付いては無かったパーツが色々付いた収束砲があった。
「とりあえずシュウトちゃんの事だからまた今回の様な事が起こったら人に貸すだろうから誰でも使える様にアンカーを付けておいたわよ。後、以前の威力で倒すのが無理な敵が現れた時に対応出来る様に1発で全ての魔力を放出出来る様に切り替えるボタンも付けといたからね。」
なるほど、確かに前の威力だと俺が対応してなかったらトロールにやられてたかもしれないしな。
俺がそう思いながら魔道具を片付けているとハロルドさんが話し掛けてきた。
「シュウト様、そろそろ私共はこの後、商談に行き、キールとリョウマ殿は移動式家屋の改装の打ち合わせを行って行きますがシュウト様はこの後何かご予定は有りますでしょうか?」
「え?リョウマがキールさんと2人でですか?」
「なによ。流石の私も妻子持ちは狙わないわよ。」
「ホントですか?」
「当たり前じゃない!そんなの子供が可哀想でしょ!」
「なら、良かったです。」
キールさんがそう言ったのでセバスさんを見ると頷いてくれたので俺は納得してハロルドさんの方を向いた。
「とりあえず自分は離れでやりたい事が有るんで今日は此処から出るつもりは無いですけど何か有りましたか?」
「いえいえ別にこれといって用がある訳ではないのですが、食事等はどうなさるかと。」
「あぁお昼にはまだ早いと思いますがコレからお願いしようかと。夜は此処で一緒に食べませんか?」
「承知致しました。ではその様に。」
そう言うとハロルドさん達は離れから去っていった。
「バトさん、昼食って今から用意出来ますか?」
「はい。それでしたら今、サーシャが取りにいっております。」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
バトさんから返答を受けているとキールさんが近づいてきた。
「ねぇ、この家の感じはわかったから移動式家屋を外で出してくれない?」
「えっ?此処の外でやるんですか?」
「そんな事する訳ないじゃない。出してくれたら私のマジックバックに入れて持っていくに決まってるでしょ。」
「そういう事ですか。」
俺はそう言うと外で言われた通りに移動式家屋を出し、キールさんが仕舞っている間にリョウマに声を掛けた。
「リョウマ、一寸良いか?」
「何でござるか?」
「ダンジョンから持ってきた木で加工し易い木ってどれだ?」
俺はそう言うと全ての種類を出そうとするとリョウマに止められた。
「シュウト、もしかして全部の種類を出そうとしたのでござるか?」
「そうだけど?」
「なら、6階層の分だけって出来るでござるか?」
「あぁそれならこの5本だな。」
「すぐ出せるのは凄いでござるな。」
「そうか?階層毎に分けておけば必要な物を必要な場所に取りに行けるから時間の無駄を省けるだろ。」
「まぁそうでござるが、普通はそんな事しないでござるよ。」
「そんなものか。で、どれなんだ?」
「コレでござる。コレならば柔らか過ぎて建築材には使えないでござるが、節もなく彫刻なんかには使い勝手が良いでござるよ。」
「なるほどなぁ。じゃあ食器とかに使える1番良い木は?」
「それなら18階層の木を出してもらえないでござるか?」
そう言われたので15種類の木を出した。
「そうでござるな。これなら硬くて壊れにくいでござるし、水も通さないでござるよ。」
「水を通さないのかぁ・・・なら、水を通し易いのはどれだ?」
「水を通し易いでござるか?それならこの木でござるが水を通してしまったら食器としては使えないでござるよ。」
「それで良いんだよ。ありがとな。コレで試してみるよ。」
「そうでござるか?まぁシュウトが良いなら言う事はないでござる。」
俺達の話が終わるとキールさんも仕舞い終わったのか話し掛けてきた。
「リョウマ、そろそろ行きましょ。」
「分かったでござる。それじゃあシュウトまたでござる。」
「おう。よろしくな。」
リョウマ達がそう言って去って行くとタイミング良くサーシャさんが食事を持ってきてくれたので離れに入って食事を終わらせた。
「そうだ真司、暫く暇になるけど真司はどうしたい?」
『う~ん、そとでゴロゴロしてようかなぁ。』
「そうか、ならそうしろ。もし、何かやりたい事があるなら此処に居るから来なさい。」
『は~い。』
息子はそう言うと外へ出ていった。
「バトさん、一寸そっちの囲炉裏がある部屋で木を削りたいんですけど、何か下に敷く物ってありますか?」
バトさんは俺の言葉に頷くと囲炉裏のある部屋に入っていった。暫くすると用意が出来たのか、呼ばれたので入ってみるとそこには、先程キールさんが出していた布と座布団が置かれていた。
「あっ!バトさんもその布持ってるんですね。」
「はい。元々は私がキールに教えた物ですので。」
「あっそうなんですね。でも自分が今からする事は結構汚れてしまいますよ?」
「木屑でしたらそのまま囲炉裏の方へ放ってもらって結構ですよ。」
「はい。分かりました。ただコレから実験するのは染料と言ったらいいのか塗装と言ったらいいのか、兎に角、色移りしてしまう可能性がある事なので、出来れば捨ててもいい物の方が良いんですけど。」
「そうなのですか?まぁそれでも問題ありませんよ。その布は例えその上でゴブリンを解体しようとも汚れも匂いも付きませんので。」
「この世界にもゴブリンって居るんですね。」
「・・・何処にでもいますが、シュウト様はシンジ様と居らっしゃるので、彼奴らは弱い者には集団で襲ってきますが、強者の気配に敏感なので身を潜めるか早めに逃げ出していたのではないでしょうか。後、シュウト様はDランク以下のダンジョンにも入った事が無いようですね。」
「Dランク以下だと出るんですか?」
「はい。その通りです。もし討伐されるのであれば、接近戦はお止めになった方が良いかと思われます。」
「・・・そうします。」
「シュウト様、話は変わりますがその木を染める作業をされる様ですので、作業着を御用意致しますね。」
「え!?良いんですか?」
「はい。御滞在の際に何処も行かないのであれば部屋着にと御用意した物がありますので。」
「そうなんですね。何から何までありがとうございます。」
「いえいえ、では御用意致しますので奥でお着替えになって下さい。」
111
あなたにおすすめの小説
神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!
yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。
だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。
創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。
そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる