結 ~むすび~

依空

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空虚2

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 お姉ちゃんの再発が見つかった翌日。
 僕は変わらず学校へ行った。
 でも、違った。
 クラスの雰囲気が違った。
 穴が空いていた。
 人と人の間。席と席の間。クラスとクラスの間。先生と生徒の間。
 全ての隣合うものに穴が見えた。
 その穴が広がる前にー。
 僕は守りの僕を作った。

 話しかけられたら反応はする。でも、自分からは話しかけない。自分の事を自分から話すと、いずれ後悔してしまう。
 そんな変な考えが、僕の心を蝕んでいく。
 辛いよ。分からないよ。
 でも、今、お姉ちゃんに相談していいのか。お姉ちゃんも自分の事で手一杯だろう。
 乃々ー。乃々に話そう。


 今日もまた、病院へ向かう。今日は乃々の病室に一目散に行った。
 「乃々」
 乃々は動かない体の代わりに目でつたえてくれる。
 「僕の心の中に、穴ができちゃったみたい。今日、学校に行った時、隣合うもの全てに穴が空いているように見えたの」
 「それでね、お姉ちゃんに相談しようとしたの。僕は変な事を考えてしまうんだって事を」
 「でもさ、お姉ちゃんは今、再発が見つかったから悲しんでるのに、僕のたったこんな相談をしてもいいのかなって迷っちゃって」
 「一番辛いのはお姉ちゃんなのに、僕の変な相談を聞かされても耳障りなだけだよね」
 「きっとそうだよね…」
 乃々は、涙を流していた。
 乃々が何を伝えたいのか、小学生の僕には分からなかった。
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