素直に同棲したいって言えよ、負けず嫌いめ!ー平凡で勉強が苦手な子が王子様みたいなイケメンと恋する話ー

美絢

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11. 僕の童貞、貰って

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 風呂で頭を抱えた。とんでもないことを引き受けてしまった。理人と旅行に行きたいのは本当、お金が足りないのも本当。家事代行とエプロンの時点で了承するべきだった。
 特別な時間がどう考えてもやばすぎる。しかも姫野とのえ…っちのための準備を教えるなんて辛すぎる。3P展開になったら俺の分の穴はあるのだろうか。もしかして突っ込まれる方…?やっぱり出たらすぐに断ろう。

「はあああああ~!?」

 風呂から上がってバスタオルに手を伸ばす。炭酸だらけの制服は早々にクリーニングに出した。スウェットとTシャツ、新しい下着をちゃんと確認して風呂に入った。…のに、

「理人!!!!」
「何?」
「しらばっくれるな!お前しかいないだろ!!」
「……はぁ。」

 思わず叫んだ。脱衣所のドアが開く。タオルを巻き付けたまま指さした。ため息をつきたいのはこっちだ。仕方なさそうにパンツだけ返してくれた。

「スウェット!!!」
「残念だけどここの制服は支給制。待ってるから早くして」

 呆れた声でドアを閉めた。言い返そうとしたがどうせ返事はないだろう。静かに制服を広げる。

「……………、きついな」

 鏡に当ててみるがどう考えてもキツい。変態を通り越して一種のホラーである。丸めて洗濯機にインした。

 ***

「制服は?」
「抗議します。油が跳ねたら火傷して危険です」
「…スオにしてはまともな意見だね」

 理人はベッドで別の結婚情報誌を読んでいた。こちらに気づいて顔を上げる。その雑誌にもピンクの付箋がびっしり。雑誌を閉じると、クローゼットから制服のシャツを取り出す。そしてそのまま差し出した?

「掛けとけってこと?」
「着ろって事」

 頭を抱えたくなった。どうして寝るのに制服を着なければならないのか。

「憧れだったんだ、彼シャツ」
「…お前さぁ、」

 ため息をついた。すぐそばまで近寄り高い鼻の先を人差し指でちょんちょんする。

「漫画読みすぎ童貞拗らせすぎ!!!」
「じゃあスオが大人にしてよ」
「え?」

 指差してた手首を掴まれた。急に引っ張られてバランスを崩す。倒れ込む前に、受け止めるように理人は抱きしめた。

「スオが、僕の童貞、貰って」

 耳元で話されて、分かりやすいように区切って言われた。真ん中だけ強調される。顔が熱い。もしかして揶揄われているのだろうか。だって理人が好きなのは…

「………姫野にフラれたらな」
「フラれる訳ないけどね」

 小声で言ったが聞こえたらしくピクっと反応した。…やっぱり姫野か。どこからその自信が来るのかと思ったがこいつは自他共に認める自信家である。理人をどかしてベッドに乗り上がる。

「球技大会の後にしろよ」
「どうして?」
「ダブルス組むのに気まずいじゃん」

 理人は頭がいいのに人間が絡むと後先が考えられなくなる。修学旅行中だって平然と女子を振る。事情を知っている俺はフォローがめちゃくちゃ大変だった。

「何とかするよ」

 でも、今回はどうにかするらしい。理人の成長を感じた。

「ところでこの部屋寒くない?」
「パンツでいるから寒いんじゃない」

 グッと唇を噛んだ。あの制服を着るくらいならパンツ一丁の方がマシだ。布団に包まる。

「ぎゃ!?」

 生命線である布団が剥がされた。そしてすぐ隣に理人が横たわる。急いで寝返りを打った。気にせず体を密着させてくる。

「明日からよろしくね、ハウスキーパーさん」

 耳元で笑い声が聞こえる。腕が回って体に長い足が巻き付く。俺は抱き枕じゃない…し、急に距離感がバクリすぎ!!!
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