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23. おかずって何?
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足の長さも速さも違う。
人混みを掻き分けて校舎を目指すがすぐにTシャツを掴まれた。ぐぇ!と変な声が出る。伸縮性の限界を感じたところで立ち止まった。
「オカズって何?」
「ちが、俺のオカズじゃない。穂積のオカズ」
肩で息をしながら無罪を主張するように両手を挙げた。間違ってはいない。本人に許可は取っていないが高校生の性欲は無尽蔵。色々と嗜みたいこともあるだろう。理人は胡散臭そうにこちらを見た。
「どうしてスオが聞いたの」
「ゔ、穂積と姫野は知り合いじゃないから…」
「…今はそれでいいや。それより大変なんだ」
言い訳を探す。確かにオカズが欲しい本人が言うべきことである。続く言葉を考えていたら、急に雰囲気が変わった。えらく深刻そうな顔をする。
「マネージャーが消えた」
「マネージャー?」
いつの間に芸能人になったのだろう。顎に指を当て思案する。
「テニスの。決勝までに代理を用意しないと不戦敗になる」
「はぁ!?誰?探してくる!」
「…残念だけど時間がないんだ」
球技大会にマネージャーなどいるはずがない。でもテニスは別なのかもしれない。とりあえず理人を不戦敗にする訳にはいかない。おもむろにスマホで時間を確認している。そして首を振った。
「1分以内にコートに戻らないと不戦敗になる。探してる暇がないからスオで」
「いや、いやいやいや!俺はクラスが違うだろ!?」
「大丈夫」
衝撃が走る。今からで間に合うか…?なんて考えていると腕を掴まれた。理人は言い切ったが絶対大丈夫じゃないと思う。相手が俺のクラスだったら気まずすぎるだろ。しかし、理人は俺を引き摺りながら走り出した。まるで借り物競走の借りられる方である。
***
「遅いよ西園寺」
ギャラリーの隙間を抜けてテニスコートに入る。ベンチには姫野が居てすぐに俺に気づいた。
「…本当に連れてきたんだ」
苦笑しながらベンチを空けてくれる。さっきのことを気にしている様子はない。お礼を言う暇もなく理人に肩を掴まれて座らされた。そして左手にドリンク、右手にタオルを持たされる。
「スマホは禁止ね」
額にデコピンを食らう。どうして最後に記憶を蘇らせるようなことを言うんだ。ラケットを握ると、リストバンドの位置を気にしながらコートに向かう。相手は本当に俺のクラスだった。気まず過ぎて理人のタオルを頭から被った。…めっっっちゃ好きな勾いがする。
挨拶をしてそれぞれの位置につく。サーブは姫野らしい。高々とボールを上げた。後ろからだとボールが追えない。パコン!という音でラリーが続いてるか判断する。サービスゲームはサーブだけで沈めている。どうか相手のボールが俺に飛んでこない事を祈った。
「ドリンクちょうだい」
「斎賀くんボクの分もお願い」
「え!?」
ちょこちょこ理人がくる。急いでタオルを渡すと片手からドリンクが消えていく。すぐ隣を見るとベンチに姫野のらしきドリンクがあった。断る理由もないからドリンクに手を伸ばそうとすると別の手が伸びる。
「桜水は専属だから」
代わりに理人が手渡す。だったらいいや、と姫野は受け取らない。目の前でイチャイチャするな。
「じゃ、ちょっと勝ってくる」
ちょっと出かけてくる、のノリである。自信過剰だが裏付けされた実力がある。本当にあっという間にゲームが終わった。こうして二人は無事に三連覇を果たした。
***
「ところで斎賀くん、おかずってなに?」
少し持っててくれる?とタオルを渡された。丁度小物を片付けていたのでハンガー代わりに首に掛けてもらう。理人はすぐそこで俺が来るのを待っている。
「夕飯の話!姫野の意見も聞きたくて!」
「平凡受けかな」
「平凡受けか~」
知らない料理名だ。姫野はアスリートだから意識が高い料理を食べているのだろう。つい感心してしまう。
「聞いたってことは、ボクにもお弁当を作ってくれるの?」
「え?」
「西園寺に聞いたんだ」
理人の方を見る。理人はその後ろを見る。違う、お前のことだ。二人でどんな会話してんの、ともう一度理人の方を見る。気づいたらすぐ隣まで来ていた。
「実行委員は集合だって」
「それは残念。斎賀くん、またね」
姫野はさっさと準備を終えると爽やかにコートを後にした。悔しいけど行動と言動がかっこいい。つい最後まで見送ってしまう。…あいつと3Pするのかぁ
どんどん姫野に敵わない気持ちが強くなっていく。
人混みを掻き分けて校舎を目指すがすぐにTシャツを掴まれた。ぐぇ!と変な声が出る。伸縮性の限界を感じたところで立ち止まった。
「オカズって何?」
「ちが、俺のオカズじゃない。穂積のオカズ」
肩で息をしながら無罪を主張するように両手を挙げた。間違ってはいない。本人に許可は取っていないが高校生の性欲は無尽蔵。色々と嗜みたいこともあるだろう。理人は胡散臭そうにこちらを見た。
「どうしてスオが聞いたの」
「ゔ、穂積と姫野は知り合いじゃないから…」
「…今はそれでいいや。それより大変なんだ」
言い訳を探す。確かにオカズが欲しい本人が言うべきことである。続く言葉を考えていたら、急に雰囲気が変わった。えらく深刻そうな顔をする。
「マネージャーが消えた」
「マネージャー?」
いつの間に芸能人になったのだろう。顎に指を当て思案する。
「テニスの。決勝までに代理を用意しないと不戦敗になる」
「はぁ!?誰?探してくる!」
「…残念だけど時間がないんだ」
球技大会にマネージャーなどいるはずがない。でもテニスは別なのかもしれない。とりあえず理人を不戦敗にする訳にはいかない。おもむろにスマホで時間を確認している。そして首を振った。
「1分以内にコートに戻らないと不戦敗になる。探してる暇がないからスオで」
「いや、いやいやいや!俺はクラスが違うだろ!?」
「大丈夫」
衝撃が走る。今からで間に合うか…?なんて考えていると腕を掴まれた。理人は言い切ったが絶対大丈夫じゃないと思う。相手が俺のクラスだったら気まずすぎるだろ。しかし、理人は俺を引き摺りながら走り出した。まるで借り物競走の借りられる方である。
***
「遅いよ西園寺」
ギャラリーの隙間を抜けてテニスコートに入る。ベンチには姫野が居てすぐに俺に気づいた。
「…本当に連れてきたんだ」
苦笑しながらベンチを空けてくれる。さっきのことを気にしている様子はない。お礼を言う暇もなく理人に肩を掴まれて座らされた。そして左手にドリンク、右手にタオルを持たされる。
「スマホは禁止ね」
額にデコピンを食らう。どうして最後に記憶を蘇らせるようなことを言うんだ。ラケットを握ると、リストバンドの位置を気にしながらコートに向かう。相手は本当に俺のクラスだった。気まず過ぎて理人のタオルを頭から被った。…めっっっちゃ好きな勾いがする。
挨拶をしてそれぞれの位置につく。サーブは姫野らしい。高々とボールを上げた。後ろからだとボールが追えない。パコン!という音でラリーが続いてるか判断する。サービスゲームはサーブだけで沈めている。どうか相手のボールが俺に飛んでこない事を祈った。
「ドリンクちょうだい」
「斎賀くんボクの分もお願い」
「え!?」
ちょこちょこ理人がくる。急いでタオルを渡すと片手からドリンクが消えていく。すぐ隣を見るとベンチに姫野のらしきドリンクがあった。断る理由もないからドリンクに手を伸ばそうとすると別の手が伸びる。
「桜水は専属だから」
代わりに理人が手渡す。だったらいいや、と姫野は受け取らない。目の前でイチャイチャするな。
「じゃ、ちょっと勝ってくる」
ちょっと出かけてくる、のノリである。自信過剰だが裏付けされた実力がある。本当にあっという間にゲームが終わった。こうして二人は無事に三連覇を果たした。
***
「ところで斎賀くん、おかずってなに?」
少し持っててくれる?とタオルを渡された。丁度小物を片付けていたのでハンガー代わりに首に掛けてもらう。理人はすぐそこで俺が来るのを待っている。
「夕飯の話!姫野の意見も聞きたくて!」
「平凡受けかな」
「平凡受けか~」
知らない料理名だ。姫野はアスリートだから意識が高い料理を食べているのだろう。つい感心してしまう。
「聞いたってことは、ボクにもお弁当を作ってくれるの?」
「え?」
「西園寺に聞いたんだ」
理人の方を見る。理人はその後ろを見る。違う、お前のことだ。二人でどんな会話してんの、ともう一度理人の方を見る。気づいたらすぐ隣まで来ていた。
「実行委員は集合だって」
「それは残念。斎賀くん、またね」
姫野はさっさと準備を終えると爽やかにコートを後にした。悔しいけど行動と言動がかっこいい。つい最後まで見送ってしまう。…あいつと3Pするのかぁ
どんどん姫野に敵わない気持ちが強くなっていく。
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