36 / 42
36. なに?闇バイトでもすんの?
しおりを挟む
…タブレットを、操作していた。
告白されてごめんなさいをしたけど理人との関係は変わらない。よく考えればお互い告白し合っている。つまり両思いということだ。でも俺と違うのは、理人は進路を見据えた上で告白した。こちらは向こう見ずなで勢いを優先した。気持ちは同じでもうまく混ざらないこともある。
「靴が欲しいの?」
「違う。理人の誕プレ考えてた」
いつの間にか理人が隣にいた。タブレットを覗き込んできたからそっとブラウザを閉じる。新しい靴を履いたら新しい場所に行ける気がした。お揃いの靴を買えば同じ所に行けるかもしれない。我ながらロマンチックな発想である。
「あぁ、プレゼントか。残念ながら売ってないんだよ」
「え?欲しいものあんの?」
理人はお金持ちだから欲しいものは自分で買える。主役にお金を出してもらい食事やプチ旅行に行くのが恒例である。さすがに今年のハワイは無償では受け取れないけど。微笑まれた。
「戸籍」
「戸籍かぁ~」
つい笑い返してしまう。何を言っているのか分からない。
「スオの戸籍が欲しい」
「なに?闇バイトでもすんの?」
理人だってもちろん国籍は持っているはず。俺の分まで欲しがるということは何かコトを起こそうとしているのだろう。身内を犯罪者にするわけにはいかない。
「闇バイトより高待遇だよ」
まるで経験者の語り口である。理人がタブレットを取り上げた。
「で、赤点は大丈夫そう?」
「………まじでごめん」
「ま、追試で合格すればいいよ」
軽々と言う。理人がタブレットを操作し始める。検索履歴を確認していてちょっと気持ち悪い。確かに補習前の追試に合格すれば事態は回避される。ちなみに今まで一度で合格できたことはない。
「スオは自分のこと馬鹿だと思ってるけど、実際そうでもないよ」
タブレットから顔を上げる。
「学校のレベルが高いから赤点を取るだけ。学力は普通だよ」
「……フォローとかいらないけど」
「本当のことだよ。大学も色々あるから」
文系の偏差値一覧を見せられる。俺の頭脳レベルの辺りを指さしてくれる。確かに色々な大学がある。
「やりたいことが決まってるなら専門学校もいいと思う」
「…専門か」
周りが大学進学者ばかりだから選択肢になかった。母親は看護師だ。それは無理でも医療系の学校に行けば選択肢が広がる。高卒で彼の親の病院に就職するより、できることが増える。
「ま、それは追々考えよう。今は勉強」
「テストが終わったばかりなのに…?」
「終わったばかりだから、だよ」
知識が抜けない内に叩き込むらしい。死ぬ気の追い討ちを掛けること数日。なんと初めて、追試に一発で合格できた。
告白されてごめんなさいをしたけど理人との関係は変わらない。よく考えればお互い告白し合っている。つまり両思いということだ。でも俺と違うのは、理人は進路を見据えた上で告白した。こちらは向こう見ずなで勢いを優先した。気持ちは同じでもうまく混ざらないこともある。
「靴が欲しいの?」
「違う。理人の誕プレ考えてた」
いつの間にか理人が隣にいた。タブレットを覗き込んできたからそっとブラウザを閉じる。新しい靴を履いたら新しい場所に行ける気がした。お揃いの靴を買えば同じ所に行けるかもしれない。我ながらロマンチックな発想である。
「あぁ、プレゼントか。残念ながら売ってないんだよ」
「え?欲しいものあんの?」
理人はお金持ちだから欲しいものは自分で買える。主役にお金を出してもらい食事やプチ旅行に行くのが恒例である。さすがに今年のハワイは無償では受け取れないけど。微笑まれた。
「戸籍」
「戸籍かぁ~」
つい笑い返してしまう。何を言っているのか分からない。
「スオの戸籍が欲しい」
「なに?闇バイトでもすんの?」
理人だってもちろん国籍は持っているはず。俺の分まで欲しがるということは何かコトを起こそうとしているのだろう。身内を犯罪者にするわけにはいかない。
「闇バイトより高待遇だよ」
まるで経験者の語り口である。理人がタブレットを取り上げた。
「で、赤点は大丈夫そう?」
「………まじでごめん」
「ま、追試で合格すればいいよ」
軽々と言う。理人がタブレットを操作し始める。検索履歴を確認していてちょっと気持ち悪い。確かに補習前の追試に合格すれば事態は回避される。ちなみに今まで一度で合格できたことはない。
「スオは自分のこと馬鹿だと思ってるけど、実際そうでもないよ」
タブレットから顔を上げる。
「学校のレベルが高いから赤点を取るだけ。学力は普通だよ」
「……フォローとかいらないけど」
「本当のことだよ。大学も色々あるから」
文系の偏差値一覧を見せられる。俺の頭脳レベルの辺りを指さしてくれる。確かに色々な大学がある。
「やりたいことが決まってるなら専門学校もいいと思う」
「…専門か」
周りが大学進学者ばかりだから選択肢になかった。母親は看護師だ。それは無理でも医療系の学校に行けば選択肢が広がる。高卒で彼の親の病院に就職するより、できることが増える。
「ま、それは追々考えよう。今は勉強」
「テストが終わったばかりなのに…?」
「終わったばかりだから、だよ」
知識が抜けない内に叩き込むらしい。死ぬ気の追い討ちを掛けること数日。なんと初めて、追試に一発で合格できた。
17
あなたにおすすめの小説
ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために
ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話
※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
勇者様への片思いを拗らせていた僕は勇者様から溺愛される
八朔バニラ
BL
蓮とリアムは共に孤児院育ちの幼馴染。
蓮とリアムは切磋琢磨しながら成長し、リアムは村の勇者として祭り上げられた。
リアムは勇者として村に入ってくる魔物退治をしていたが、だんだんと疲れが見えてきた。
ある日、蓮は何者かに誘拐されてしまい……
スパダリ勇者×ツンデレ陰陽師(忘却の術熟練者)
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
俺にだけ厳しい幼馴染とストーカー事件を調査した結果、結果、とんでもない事実が判明した
あと
BL
「また物が置かれてる!」
最近ポストやバイト先に物が贈られるなどストーカー行為に悩まされている主人公。物理的被害はないため、警察は動かないだろうから、自分にだけ厳しいチャラ男幼馴染を味方につけ、自分たちだけで調査することに。なんとかストーカーを捕まえるが、違和感は残り、物語は意外な方向に…?
⚠️ヤンデレ、ストーカー要素が含まれています。
攻めが重度のヤンデレです。自衛してください。
ちょっと怖い場面が含まれています。
ミステリー要素があります。
一応ハピエンです。
主人公:七瀬明
幼馴染:月城颯
ストーカー:不明
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
内容も時々サイレント修正するかもです。
定期的にタグ整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
胎児の頃から執着されていたらしい
夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。
◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。
◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
海月 ぴけ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる