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第三章:アイゼン・ガルドの平穏な日々
ハーフエルフ、ドワーフの親方と契約を結ぶ
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シャルマーニからアイゼン・ガルドの俯瞰図を譲り受け、ランスローネは部屋を出る。
外ではエーリカと、未だ手形で両頬を腫れさせたロランドが待っていた。
「……ローネさん、それは?」
エーリカはランスローネが手に持つ丸めた羊皮紙を見る。
「ああ、これはアイゼン・ガルドを空から見下ろす視点で描いた図や。姫さんにこの街を、アイゼン・ガルドを、王都キヨスを凌ぐ都市に作り変えろって命ぜられてな。必要やから貰ってん」
「この街を、王都キヨスを凌ぐ都市に!? なんてまた気宇壮大な──ま、まさか、それを三日以内にやれと!?」
「うん、言われた」
「───!」
「云われたけど、それは冗談やった。でも、三日ごとに何かしら成果は見せなあかん」
絶句するエーリカに、ランスローネは首を竦めて微笑む。
「工兵長になって、早速大役を仰せつかったのだな」
ロランドは真摯な眼差しを向ける。
「ランスローネ。拙者に出来ることがあれば、協力するぞ」
「あんたがうちのために働くのは当然や!」
ランスローネは右手でロランドの左耳朶を摘んでグイッと引き寄せた。
「い、痛い!」
ロランドはランスローネに耳朶を抓られて痛がる。
「やかましいわ! この程度で千切れる耳朶してへんやろ。シャルマーニ殿下が、あんたはうちの専属騎士にするって言いはったわ」
「せ、拙作を其方の専属騎士に!?」
「せや! 美味いお肉食って酒に酔った勢いとはいえ、うちとあんだけまぐわった対価は高くつくで、ロランドはん。あんたが老衰で死ぬまで、一生使い倒したるから覚悟しいや!」
「痛い痛い! 分かった、わかったから離してくれ、耳が千切れる!」
「エーリカ、シュミットはんは何処や?」
ランスローネはロランドの耳朶を抓ったままエーリカに尋ねる。
「まだ、下の食堂で麦酒飲んでますよ。ドワーフ種族って、ほんと麦酒大好きなんですね」
「ほな、下に行こか。うちの手伝いするのも面白そうだって言うてたしな。盛大に手伝ってもらおうやんけ。姫さんは人員も必要なだけ要求してええって言いはったからな」
ランスローネとロランドとエーリカは、シャルマーニの私室前から一階の大広間に場所を移した。
「ガハハハ! いいぜ、思い切り手伝ってやろうじゃねえか」
シュミットは麦酒を飲みながら快諾する。
「その代わり、条件があるぞ」
「麦酒が尽きずにすぐに飲めるように、工場でも建てろかいな?」
「お! 分かってるじゃねえか!」
「伊達にハーフエルフやって彼方此方旅してへんわ。うちの手伝いをしてくれる限り、あんたには美味い麦酒飲ましたるで」
「ガハハハ! 契約成立だ!」
ランスローネとシュミットは、音を立てて握手を交わした。
「ほな早速仕事に入ろか。うちはこの街に来てまだ日が浅いから、何をどう作り変えたらええか分からん。まずは街を見て回ることから始めようと思うねん。ロランドはん、シュミットはん、エーリカ。うちを案内してくれへん?」
ランスローネは、先ずはアイゼン・ガルドの街を見て回ることにした。
外ではエーリカと、未だ手形で両頬を腫れさせたロランドが待っていた。
「……ローネさん、それは?」
エーリカはランスローネが手に持つ丸めた羊皮紙を見る。
「ああ、これはアイゼン・ガルドを空から見下ろす視点で描いた図や。姫さんにこの街を、アイゼン・ガルドを、王都キヨスを凌ぐ都市に作り変えろって命ぜられてな。必要やから貰ってん」
「この街を、王都キヨスを凌ぐ都市に!? なんてまた気宇壮大な──ま、まさか、それを三日以内にやれと!?」
「うん、言われた」
「───!」
「云われたけど、それは冗談やった。でも、三日ごとに何かしら成果は見せなあかん」
絶句するエーリカに、ランスローネは首を竦めて微笑む。
「工兵長になって、早速大役を仰せつかったのだな」
ロランドは真摯な眼差しを向ける。
「ランスローネ。拙者に出来ることがあれば、協力するぞ」
「あんたがうちのために働くのは当然や!」
ランスローネは右手でロランドの左耳朶を摘んでグイッと引き寄せた。
「い、痛い!」
ロランドはランスローネに耳朶を抓られて痛がる。
「やかましいわ! この程度で千切れる耳朶してへんやろ。シャルマーニ殿下が、あんたはうちの専属騎士にするって言いはったわ」
「せ、拙作を其方の専属騎士に!?」
「せや! 美味いお肉食って酒に酔った勢いとはいえ、うちとあんだけまぐわった対価は高くつくで、ロランドはん。あんたが老衰で死ぬまで、一生使い倒したるから覚悟しいや!」
「痛い痛い! 分かった、わかったから離してくれ、耳が千切れる!」
「エーリカ、シュミットはんは何処や?」
ランスローネはロランドの耳朶を抓ったままエーリカに尋ねる。
「まだ、下の食堂で麦酒飲んでますよ。ドワーフ種族って、ほんと麦酒大好きなんですね」
「ほな、下に行こか。うちの手伝いするのも面白そうだって言うてたしな。盛大に手伝ってもらおうやんけ。姫さんは人員も必要なだけ要求してええって言いはったからな」
ランスローネとロランドとエーリカは、シャルマーニの私室前から一階の大広間に場所を移した。
「ガハハハ! いいぜ、思い切り手伝ってやろうじゃねえか」
シュミットは麦酒を飲みながら快諾する。
「その代わり、条件があるぞ」
「麦酒が尽きずにすぐに飲めるように、工場でも建てろかいな?」
「お! 分かってるじゃねえか!」
「伊達にハーフエルフやって彼方此方旅してへんわ。うちの手伝いをしてくれる限り、あんたには美味い麦酒飲ましたるで」
「ガハハハ! 契約成立だ!」
ランスローネとシュミットは、音を立てて握手を交わした。
「ほな早速仕事に入ろか。うちはこの街に来てまだ日が浅いから、何をどう作り変えたらええか分からん。まずは街を見て回ることから始めようと思うねん。ロランドはん、シュミットはん、エーリカ。うちを案内してくれへん?」
ランスローネは、先ずはアイゼン・ガルドの街を見て回ることにした。
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