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第四章:工兵長と消えた依頼書
ハーフエルフ、ギルドマスターと交渉する
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「……ランスローネ。ギルマース殿は、かつては『鋼拳のギルマース』という二つ名で知られた冒険者だった御仁だ」
ロランドが小声でランスローネに耳打ちする。
「ふ~ん、だから見た目感じ悪いオッサンなんや」
ランスローネは、前髪をすべて後ろに持っていって垂らし、額と太い眉を見せた厳つい容姿の壮年男を値踏みするように見る。
「けど、ギルドマスター・ギルマースって韻を踏んでええ響きやん」
「おいおい……ギルマース殿は、アイゼン・ガルド住民の長とも言える人物だ。あまり不躾な物言いをすると、話が拗れてくるぞ」
「別にうちの上司でも客でもないし、謙ってたら舐められるだけや。まあ此処はうちに任せてえな」
ランスローネは不敵に笑い、ギルマースの前に進み出る。
「……ほお、近くでよく見ると、中々イイ女だな。シャルマーニ殿下ほどじゃねえが巨乳だぜ。口も達者なようだ。だがよ、てめえが色気と愛想振り撒いても、新米たちの空きっ腹は膨らまねえんだよ。で、どう責任取るんだ?」
ギルマースは下卑た笑みを浮かべながら凄む。
「なんや鋼拳なんて言われてた割には、そこらのチンピラ風情とあんま変わらへんなあ……はぁ……」
容姿のことを言及されてシャルマーニと比べられても、ランスローネは恥ずかしがったり怒ったりもせず、呆れ混じりの息をつく。
「さっきから責任責任て云うてはるけど、うちが責任取る謂れ全くないで。あんたが言うてんのは、風が吹かへんから凧揚げ出来へんやんけってお天道様に賠償金求める阿呆な言い草とおんなじやで」
「な、何だと!?」
ギルマースは鼻白んで椅子から立ち上がる。
「あんた商魂は逞しそうやから教えたるけど、うちがやったのは所詮は一時凌ぎや。馬車走らせてたりしたら、いずれは荒れてまた凸凹になる。それをならんように維持するには、小まめな点検と、些細な綻びの修繕や。仕事は幾らでもあんねんで」
「……ほ、ほう? 維持、だと?」
ランスローネのペースに嵌ってしまったギルマースは彼女の次の言葉を待つ。
ロランドとシュミットとエーリカは、二人の会話を固唾を呑んで見守る。
ロランドが小声でランスローネに耳打ちする。
「ふ~ん、だから見た目感じ悪いオッサンなんや」
ランスローネは、前髪をすべて後ろに持っていって垂らし、額と太い眉を見せた厳つい容姿の壮年男を値踏みするように見る。
「けど、ギルドマスター・ギルマースって韻を踏んでええ響きやん」
「おいおい……ギルマース殿は、アイゼン・ガルド住民の長とも言える人物だ。あまり不躾な物言いをすると、話が拗れてくるぞ」
「別にうちの上司でも客でもないし、謙ってたら舐められるだけや。まあ此処はうちに任せてえな」
ランスローネは不敵に笑い、ギルマースの前に進み出る。
「……ほお、近くでよく見ると、中々イイ女だな。シャルマーニ殿下ほどじゃねえが巨乳だぜ。口も達者なようだ。だがよ、てめえが色気と愛想振り撒いても、新米たちの空きっ腹は膨らまねえんだよ。で、どう責任取るんだ?」
ギルマースは下卑た笑みを浮かべながら凄む。
「なんや鋼拳なんて言われてた割には、そこらのチンピラ風情とあんま変わらへんなあ……はぁ……」
容姿のことを言及されてシャルマーニと比べられても、ランスローネは恥ずかしがったり怒ったりもせず、呆れ混じりの息をつく。
「さっきから責任責任て云うてはるけど、うちが責任取る謂れ全くないで。あんたが言うてんのは、風が吹かへんから凧揚げ出来へんやんけってお天道様に賠償金求める阿呆な言い草とおんなじやで」
「な、何だと!?」
ギルマースは鼻白んで椅子から立ち上がる。
「あんた商魂は逞しそうやから教えたるけど、うちがやったのは所詮は一時凌ぎや。馬車走らせてたりしたら、いずれは荒れてまた凸凹になる。それをならんように維持するには、小まめな点検と、些細な綻びの修繕や。仕事は幾らでもあんねんで」
「……ほ、ほう? 維持、だと?」
ランスローネのペースに嵌ってしまったギルマースは彼女の次の言葉を待つ。
ロランドとシュミットとエーリカは、二人の会話を固唾を呑んで見守る。
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