未成年囚人達のソーシャルサービス

SAKAHAKU

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第七十四話(奉仕作業。万引きGメン 其の3)

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--面壁九年。

一つのことに忍耐強く専念する。その四字熟語はそんな感じの意味だった筈だ。

万引きGメンの仕事を任されてからどれ程の時をこの場所で過ごしてきただろう。
通算すれば奉仕作業歴が2年以上にまで上る日影も、一ヶ月近く同じ職場に就いたのは今回が初めての経験だ。単調で代わり映えしない日常にもそろそろ飽きてきた。

--いつもなら一日~一週間くらいで別の仕事場に移動してたのにな……。

傍若無人で王様気取りなツクネ指揮の元、これまで仕方無しに言う事を聞いてきた日影にテイルに万の三名。現状は低迷するばかりで活路は一向に見出せない。

四週間目の月曜を迎えた昨日、未だに万引き犯を捕まえられないのは何故なのか、何がいけないのか、どうすれば事態は好転するのか、自分なりに考えてみた。結論は直ぐに出た。

--何事にも終わりはやってくるものだ。

指揮者をツクネから万に変更して挑んだ本日、それらしい星の男をモニター越しに捉えた彼女から指示が飛び、現場に急行。テイルと日影の二名で挟み討ちにし逃げ場を塞いだ。
猶、勝手気儘なツクネさんは都合の悪いことにおトイレタイム中だったようで確保には協力せず。相手が年嵩の爺さんだからよかったものの、若者なら無理してでも逃走するケースが考えられた。こういう時こそ頼りになるツクネの超能力だってのに結局は正攻法だ。結果オーライだし、文句を言うつもりはないんだが……、

「お前さ、それ何やってんの?」

「日影は底無しの馬鹿だよなー。あれに決まってんだろ。悪戯だよ。い・た・ず・ら。今からテイルの間抜け面が頭に浮かぶな」

現在、一仕事終えた四人がいるのはスーパー佐々木屋の慣れ親しんだ休憩室。
万引き犯逮捕に貢献したお礼にと、店長が細やかながらプレゼントしてくれた飲み物やお菓子に舌鼓を打っている真っ最中。
「トイレに行ってくる」と言って席を立ったテイルの缶ジュース(メロンソーダ)をツクネがシャカシャカとシェイクし始めたのだ。
その行為には流石の日影も見るに見兼ねて声を掛けたのだが、彼の注意など彼女は聞く耳を持たない。毎回のことで慣れてはいるが、説得するのは一筋縄ではいかない骨が折れる相手である。
何も知らずに帰ってきて煮え湯を飲まされるテイルが不憫なのは明瞭で、何より温情の欠片もない悪辣な悪戯を見て見ぬ振りはできない。

「それ、テイルに開けさせる気か?ほんと、お前は容赦ねーよな」

「分かるだろ。勿論分かるよな。このミッションを成功させるには何よりお前等の協力が重要何だ。絶対に黙っとけよ」

開いた口がふさがらないな。こいつからのお願い事はこれ又毎回「命令」に同じだ。二の足を踏む気は更々ないらしい。
いつもならツクネのくだらない行動を真っ先に止めてくれる寛大で頼りになる万だが、何やら考え事をしている様子で顎に手を当て首を捻っていらっしゃる。
そうなると、夜郎自大な振る舞いを止められるのは自ずと一人に絞られる。そう、木ノ下日影一択だ。
 
「本当に……あの人が犯人、だったのかな?」

どうやら万は捕まえた相手の正体が腑に落ちないらしく、素直に心中の思いを漏らす。耳を欹てたつもりはないが、彼女の悩み事の様な独り言が耳朶に触れた。偶然にしろ聞いてしまった訳で、どう返答をしてやるべきなのか日影が考えていたそんな時、喜色満面で見るからに嬉しそうなテイルが休憩室に茶色の紙袋を抱えて戻ってきた。具現化させた狼の尻尾はまるで、飼い主に甘える愛犬と同じ様にばたついている。

「デリカのおばちゃんにお別れの挨拶に行ったらね、またいっぱいコロッケくれたんだ。皆で食べよ」

帰ってくるのが少しばかり遅いんじゃないかと心配していたら、店内にまで足を運んでいたらしい。
まあ、犯人らしき人間がお縄に掛かった以上、今日で此処の奉仕作業も終わりだし、お別れを伝えに行くなら今の内か。

「テイルはデリカのおばちゃんと仲良かったもんな。これで惣菜くれたの何回目だっけ?まるで、目に入れても痛くない孫にお小遣いでも渡す祖母みたいだ」

「はあ?何言ってんのお前?孫何か目に入れたら痛いに決まってんだろ。本当、真正の馬鹿だな」

肩を竦めてやれやれと嘆息し、日影を潮笑うツクネ。
真正の馬鹿と呼ぶに相応しいのは、こんなにも簡単な比喩すら知らないツクネさんの方だと思うが、どうだろう。

片言隻語で人をイラつかせ、感情を逆撫でするのが彼女の得意分野であり、それは最早日常茶飯事だ。いちいち言い返していたらキリがない。心の広い寛容な人間相手でなければ、言い争いになるのは目に見えて分かる。何より日影の体は、何十日にも及んだ万引きGメンの仕事で疲労困憊していて、そんな元気は残っていない。 

「目に入れても痛くないってのは、ことわざであってだな--」

「あの婆さん、お前の何処をそんなに気に入ったんだろうな。正直、ルックスは最悪だと思うが」

ツクネはテイルの腕から紙袋を取り上げてコロッケを口へぱくり。暴言は止まることを知らずに、日影の言葉を気にかけず、標的をテイルへ切り替えた。

「自分が世界一可愛い」が常套句で、常日頃からその様に豪語する彼女は、耳や尻尾が十二分に似合っている狼娘を決して美少女とは認めない。

「るっくす?」

ツクネの粗言に対し、テイルは頭に?マークを浮かべている。

「見た目のことだよ。気にすんな。俺から言わせて貰えば、テイルは誰かさんと違って数倍可愛いぞ」

日影の軽薄なお世辞に、至純なテイルは顔に紅葉を散らす。

あまり気にしている様子は感じられなかったが、一応フォローは入れて置いた。
メロンソーダの缶ジュースのプルタブを開けてから手渡してやると欣欣然として顔を綻ばせる。
その光景をただ一人瞿然とした表情で眺めているツクネさん。何故なのか、どうしてなのか、信じられないといった顔つきだ。

「……日影、お前、どんなマジックを使った?あたしがあれだけシェイクしたってのに、何で炭酸が吹き出ない?」

「大袈裟なことは何もしてないぞ。暇を持て余していた自宅警備員時代に、TV番組から享受した技の一つを使ったまでさ」

日影はツクネさんの疑問に答えるために、自分の缶ジュースを手に取り理解し易いようにレクチャー。缶の周りを一周軽くデコピンして見せる。たったこれだけの軽作業で炭酸の噴出を防いだと言うのだ。
どうしても悪戯を成功させたかったツクネは露骨に不機嫌そうだった。

************************ 

午前中に万引きGメンとしての役目を終えた日影達には、護送車が迎えにやって来るまでの間、数多の時間が残っていた。
どうせ、レジか品出し辺りを任されるのだろうと、内心げんなりして構えていたのだが、店長に何か手伝える仕事はあるかと聞いたところ、思いもよらない言葉が返ってきた。

(ボールペンの組み立てとかいつ以来だろ……ルナとペアの頃やらされた記憶があるから……おそらく……)

「まさか、自由時間が貰える何て思わなかったよ。日影が店長に交渉してくれたおかげだね」

「俺は別に交渉何てしてないけどな。ちょうど人手が足りてるから、帰りの時間まで好きなことしてて良いって話だ」

「それでも僕は日影に感謝するよ。もやもやしてて、とても仕事する気分にはなれなかったから」

--棚から牡丹餅。まさにそんな状況だ。

昼寝して日頃の疲れを癒すのはもちろんのこと、テレビで昼ドラやニュース番組を視聴するのも良し。皆でトランプやボードゲームで遊ぶのも良しだ。  
とは言っても眠くも無いし、この休憩室にはテレビもトランプもボードゲームもその全てが存在しない。出来そうなことと言えば「アホ」で「馬鹿」で「性悪」なツクネさんとしりとりをするか、万とテイルがすでに始めていたボールペンの組み立て作業を手伝うかの、その二択。
自由時間だと知らせるより前からツクネは船を漕いでいたようで、全く起きる様子は見受けられない。
ボールペンは一つ作れば1円の半分の作業報奨金が貰える仕組みとなっている。二人よりも三人。三人よりも四人。たくさん量産すれば、自由に使える金がその分多めに手に入るんだ。

「ねぇねぇ。ツクネも一緒にボールペン作りやろ。楽しいよ?」

「そんなん楽しくねぇよ。あたしの自由時間はあたしの物。テイルの稼いだ金もあたしの物だ。小銭稼ぎはお前等に任せる」

「こういう野放図な奴を確か、頭の黒い鼠って言うんだよな」

それまで狸寝入りでもしていたのか、テイルに声を掛けられてあっさりと両目を開けた。大きな御世話だとでも言いたげな口調で、国民的アニメのいじめっ子キャラの様な台詞を平気で吐き捨てる。ミーティングテーブルの上には「赤芯」「青芯」「黒芯」三種類の芯が別々のタッパーに入って並べられている。その三色を本体に順番に差し込んでキャップを閉めれば一本のボールペンが完成だ。それを只管繰り返し量産するこの作業は手際の悪い誰かさんにも簡単に熟せる筈だってのに、やらない何て勿体無いわ。折角誘ってくれたテイルの好意まで無下にしやがって。コイツは厚かましいだけで人を思いやる気持ちが欠けてやしないか?

「手伝ってくれない悪い子には、作業報奨金は分けてあげられないよ。それでも頑なに意地を張るのかな?」

「けっ。別にそれでも構わねーよ。どうせ頑張ったところで五百円が関の山だろ」

日影とテイルの言う事はまるで聞かず、煮ても焼いても食えない彼女だが、年長者の万の言う事だけには偶にではあるが素直に応じたりもする。誘いを断られ灰心喪気状態のテイルを可哀想に感じた万が説得に取り掛かるも、一つ1円の価値もないボールペン組み立てはどうしてもやりたくないご様子だ。悪戯が未遂に終わったことをまだ根に持っているのか機嫌も悪そうだし、本来ならテイルが怒っていいような場面で、完全な逆恨みな訳だが。

--仕方ない。コイツには何が何でも俺達の遊び相手に付き合わせてやろう。

「ツクネ。リンゴ」

「あ?いきなり何だよ。くれんのか?」

「やんねーよ。リンゴ何て高価なもんが囚人の身分で簡単に買えると思うなよ。しりとりだよ。お前みたいな馬鹿でもしりとりくらい出来るだろ?」

「しりとりとか、くだらね。あたしがお前の言う事を素直に聞いてやると思うなよ」

もちろん、頑固なツクネが俺の誘いに簡単に乗るとは思ってない。想定内だ。こういうタイプの人間には利益となる餌をちらつかせてやるのが手っ取り早い。

「そっか。なら、しりとりに付き合ってくれたら、俺の分の作業報奨金をお前に全額差し出すってのはどうだ?」

「自分は無償で働いて、利益はツクネちゃんに全て献上するってか?良い心がけだな。お前に何のメリットがあるのかは知らないが、そこまでしてあたしと遊びたいって言うなら仕方がない。付き合ってやろう。ありがたく思えよな」

「はいはい。崇め敬まえば良いんだろ。分かったから、さっさとしりとり始めようぜ。四人皆で楽しくな」

しりとりを案に出したのはテイルがツクネと一緒にボールペン作りをやりたそうにしていたからだ。我が相棒の可愛い笑顔が見られるなら作業報奨金を丸々手放すくらいどうってことはないだろ。

「リンゴの「ゴ」か。そうだなぁ……五歳児並みの知能、日影」

「誰が五歳児並みの知能だ!?それ最後に俺の名前付け足す必要ねぇだろ……つうか「五歳児」までですでに事足りてるし」

「ごちゃごちゃうるせーなー。お前の我儘に付き合ってやってんだから文句言うなよ。最後に「ン」が付かなきゃなんでも良いだろ」

このお方は単なるお遊びの時ですら他人をディスるのを忘れないようだ。

(……ま、そうだな。細かいことはこの際どうでも良いんだ)

「おいテイル、次は五歳児並みの知能、日影の「ゲ」だ」

そうツクネに促されたテイルの、満面の笑みが見られただけで、目的は達成したも同然なんだから。

--それから彼等は、しりとりをしながら和気藹々とボールペンを組み立て続け、千本以上の数を山の様に作り上げた。

気付けば2時間程が経過し、帰りの時刻も徐々に近付いてきた所で、日影の身に襲いかかってきたのはこの世に生きとし生けるものであれば自然と訪れる尿意。

「すまん。ちょっとトイレ行ってくるわ」

「大便したらちゃんと手洗えよ~」

「どうしてお前は始めから俺が大便するって決めつけんだよ」

--大でも小でも手は洗うだろ。

あいつはまさか、俺がトイレ行った後で手を洗わないタイプの人間だと思っているんじゃあるまいな……、仮にそうだとするなら即刻考えを改めて欲しいものだ。

(ツクネの奴、結局はボールペンの組み立て手伝ってたよな)

厭うばかりで全く手伝おうとしなかった我が儘なツクネにいつも以上に呆れていた日影だったが、矢庭に芯を手に取って組み立て始めた熱心な姿を見て、ちょっとだけだが彼女を見直した。万とテイルの二人はその希代な光景に拍手し賞賛したくらいだ。

(……あれ……どうしてあいつ……あんな所に居るんだ……?)

トイレにて用を済ませた日影は、休憩室に戻るため、食品の収納されているダンボールが山積みになって林立する倉庫内をゆっくりと歩いていた。品出しの際には此処から商品をカートに積んで店内に運び陳列するのだが、誰か店の者に頼まれない限り彼女の姿がこの場に存在するのは多少なりとも違和感を感じた。

「そこで何やってるんだ、テ--」

--そこまで言いかけて言葉が詰まった。

何故俺はこの得体の知れない不審者を我が相棒である「テイル・ブラウニー」と間違えてしまったのだろう。一瞬でもあいつを疑っちまった自分が恥ずかしい。最低だ。何度忸怩しても足りない。もし此処にテイルがいたら思いっきりグーの拳で顔面をぶん殴って欲しいくらいだ。あいつは人様の物を断りもなく盗んで、かてて加えて勝手に開けて食べる様な悪い奴じゃない。

--しかし、何なんだ……コイツは……。

ただ、只管に不気味だった。
今自分の眼前に居るのはダンボールを雑に破り歪曲させ、商品を取り出し、黙々と口へ含み咀嚼する謎の生き物。そいつは見た目だけならテイルにそっくりで耳や尻尾が同じ様に生えている。言うなれば似て非なるものだ。

心を落ち着かせてじっくりとその全容を瞳に映す。万やツクネの口からテイルに兄弟や姉妹がいた何て話は聞いたことがない。

日影はどう対処して良いのか判断が付かずに混乱した。

……あれ、何だろう……何かが脳裏に引っ掛かっている妙な感覚がある。

そういえば……白髪の老人が、テイルの姿を見て何事かを呟いていたよう、な……?

彼が僅かに視線を逸らしたその刹那、ダンボールや商品の残骸を置き去りに、正体不明の対象は不気味な姿を消失させた。





























































































 


























































































































 

















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