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「北海道さんて、いつ目が覚めたんですか?」
「え?」
「長崎で」
北海道さんが薄く目を開けた。
「キスしてるときですか? ……それとも」
「…………」
北海道さんが目をつぶり、寝たふりを始めた。
その顔を両手で掴み、強引に唇を合わせ、さらに舌を入れてやった。
「…………っ」
北海道さんに肩を叩かれたが、そのまま馬乗りになって口の中を貪った。
この人にとっては何年好きだろうが、どれだけ好きだろうが関係がないんだ。俺の気持ちが伝わることはない。何をしても何もなかったことにされてしまうんだ。
Tシャツをめくり、パジャマ代わりに貸した俺のスウェットにも手をかけたが、北海道さんに抵抗された。
髪を引っ張られながら、めくれたTシャツから現れた乳首に吸い付いた。
「……しまねくんっ……やめてっ……」
小さな乳首はすぐに勃ち上がった。尖った先を舌で舐め回した。
「……あぁぁっ……」
体を仰け反らせた北海道さんの乳首をさらに攻め立てた。乳首に歯を当て、もう片方の乳首は指で挟んで揉み潰すと、北海道さんが体を震わせた。
時間をかけて両方の乳首を舐め回してから顔を上げると、抵抗するのをやめた北海道さんが両手の甲で顔を隠して、緩んだ口元だけを見せていた。
「…………」
スウェットを下着ごと下ろし、すでに勃ち上がっている北海道さんのそれを掴んで先端をじっくりと舐め、舌を這わせて根元から舐め上げてから、ゆっくりと喉の奥まで口に含んだ。
薄い陰毛に顔を埋め、北海道さんの匂いを吸い込み、ジュブジュブと音をたててしゃぶった。
「……しま、ねくんっ……!」
……北海道さんが俺で感じてる。
勃起している北海道さんのものを口でするのは初めてだった。それは想像の中の北海道さんよりもずっと硬くて、形も大きさも男らしかった。
「……あっ……あっ……あっ……あっ……!」
喘ぐ声も甘くていやらしい。
これが本物の北海道さんなんだ。本物の北海道さんも俺で感じるんだ。そう思うと、夢中になった。もっと北海道さんを気持ち良くしたかった。激しく顔を動かし、何度も何度も音をたてて北海道さんを攻めたてた。
「……あぁっ……んぁっ……んぁっ……あぁっ………あぁっ……!」
最後は北海道さんが腰を震わせて俺の口の中に放った。
「……あぁぁっ‼ ……」
想像の中の北海道さんよりも多く溢れ出た精液を飲み干してから口を離した。
ソファに倒れていた北海道さんは、片足を背もたれに上げ、顔を手の甲で隠し、胸を上下させて荒い息をしていた。
「…………」
ようやく呼吸がおさまった北海道さんは起き上がってシャツを直し、片足だけ脱げていた下着とスウェットを履き直し、ソファに座り直した。
「北海道さん」
そして北海道さんは乱れていた髪を直し、ソファの下に座る俺を冷たく見下ろして言った。
「……二度と顔を見せるな」
「…………」
テレビの中では大阪駿馬が格好をつけて歌を歌っている。野放しになっている犯罪者のくせに。
テレビを消すと、自分の顔が画面に映った。
「お兄ちゃん、大丈夫? 大分げっそりしてるけど」
「…………」
あれから一度も北海道さんから連絡がない。当たり前だ。あんなに怒った顔をした北海道さんの顔を初めて見た。震えるほど冷たい目だった。
また俺は勘違いしたんだ。北海道さんが俺で感じて喜んでくれてるって。また調子に乗ってしまったんだ。今度こそもう無理だ。今度こそ本当に嫌われてしまったんだ……。
右手に温もりを感じて下を見ると、義弟の幸知がしゃがんで俺の手を握っていた。
「お義兄さん、辛いことがあるなら僕らに言ってくださいね。助けになりますから」
……言えるわけがない。
制御できなくて、ついに起きている北海道さんまで襲ってしまったなんて。もはや性欲モンスターだ。
「どうせまた北海道さんでしょ? さっさと告白して二人で探偵でも何でもやればいいのに」
「…………」
俺はもう北海道さんに会ってはいけない。危険だから。
でも俺の方はいつの間にか仕事以外の全てを北海道さんに捧げてしまっていた。北海道さんがいなければ存在する価値のない人間になっていた。完全に抜け殻だ。
他人のような自分の顔が映っているテレビを見ていると、テーブルに置いていたスマホが鳴った。画面を見ると千葉からだった。
千葉は今、北海道さんに雇われているらしい。
……俺のことは雇ってくれなかったくせに。
「はい」
電話に出ると、まずザワザワとした人混みの音が聞こえた。
『し、島根さん、大変です』
「どうした?」
千葉の声は相変わらず自信がなさそうだった。きっと今も子犬のように目を潤ませているに違いない。
『北海道さんが交通事故に遭いました』
「…………」
「お義兄さん、大丈夫ですか?」
いつの間にか手からスマホが落ちていた。幸知に拾ってもらい、もう一度耳に当てた。
「よ、容態は?」
『右手と右足を骨折しました。全治三ヶ月です』
……良かった。怪我で済んで。
「北海道さんが言うには、黒塗りの車に追いかけられて逃げたら最後は轢かれたらしいです」
「…………」
危ない依頼ばかり受けていたせいだ。
きっと大阪に北海道さんの素性がバレたんだ。
『それで、あの、今入院中なんですけど、北海道さんの事務所に着替えを取りに行ってもらえませんか?』
「……俺が?」
『……お願いします。次叔母さんの視界に入ったら山に埋めるって言われてるんです』
あのババァならやりかねない。
「あと北海道さんが島根さんの店のお弁当が食べたいって言ってます。持ってきてもらえますか?」
「……俺が?」
「は、配達してるんですよね?」
千葉に自信なさげに聞かれた。
そうだった。俺の仕事だった。病院に配達だけして会わずに帰ろう。
「え?」
「長崎で」
北海道さんが薄く目を開けた。
「キスしてるときですか? ……それとも」
「…………」
北海道さんが目をつぶり、寝たふりを始めた。
その顔を両手で掴み、強引に唇を合わせ、さらに舌を入れてやった。
「…………っ」
北海道さんに肩を叩かれたが、そのまま馬乗りになって口の中を貪った。
この人にとっては何年好きだろうが、どれだけ好きだろうが関係がないんだ。俺の気持ちが伝わることはない。何をしても何もなかったことにされてしまうんだ。
Tシャツをめくり、パジャマ代わりに貸した俺のスウェットにも手をかけたが、北海道さんに抵抗された。
髪を引っ張られながら、めくれたTシャツから現れた乳首に吸い付いた。
「……しまねくんっ……やめてっ……」
小さな乳首はすぐに勃ち上がった。尖った先を舌で舐め回した。
「……あぁぁっ……」
体を仰け反らせた北海道さんの乳首をさらに攻め立てた。乳首に歯を当て、もう片方の乳首は指で挟んで揉み潰すと、北海道さんが体を震わせた。
時間をかけて両方の乳首を舐め回してから顔を上げると、抵抗するのをやめた北海道さんが両手の甲で顔を隠して、緩んだ口元だけを見せていた。
「…………」
スウェットを下着ごと下ろし、すでに勃ち上がっている北海道さんのそれを掴んで先端をじっくりと舐め、舌を這わせて根元から舐め上げてから、ゆっくりと喉の奥まで口に含んだ。
薄い陰毛に顔を埋め、北海道さんの匂いを吸い込み、ジュブジュブと音をたててしゃぶった。
「……しま、ねくんっ……!」
……北海道さんが俺で感じてる。
勃起している北海道さんのものを口でするのは初めてだった。それは想像の中の北海道さんよりもずっと硬くて、形も大きさも男らしかった。
「……あっ……あっ……あっ……あっ……!」
喘ぐ声も甘くていやらしい。
これが本物の北海道さんなんだ。本物の北海道さんも俺で感じるんだ。そう思うと、夢中になった。もっと北海道さんを気持ち良くしたかった。激しく顔を動かし、何度も何度も音をたてて北海道さんを攻めたてた。
「……あぁっ……んぁっ……んぁっ……あぁっ………あぁっ……!」
最後は北海道さんが腰を震わせて俺の口の中に放った。
「……あぁぁっ‼ ……」
想像の中の北海道さんよりも多く溢れ出た精液を飲み干してから口を離した。
ソファに倒れていた北海道さんは、片足を背もたれに上げ、顔を手の甲で隠し、胸を上下させて荒い息をしていた。
「…………」
ようやく呼吸がおさまった北海道さんは起き上がってシャツを直し、片足だけ脱げていた下着とスウェットを履き直し、ソファに座り直した。
「北海道さん」
そして北海道さんは乱れていた髪を直し、ソファの下に座る俺を冷たく見下ろして言った。
「……二度と顔を見せるな」
「…………」
テレビの中では大阪駿馬が格好をつけて歌を歌っている。野放しになっている犯罪者のくせに。
テレビを消すと、自分の顔が画面に映った。
「お兄ちゃん、大丈夫? 大分げっそりしてるけど」
「…………」
あれから一度も北海道さんから連絡がない。当たり前だ。あんなに怒った顔をした北海道さんの顔を初めて見た。震えるほど冷たい目だった。
また俺は勘違いしたんだ。北海道さんが俺で感じて喜んでくれてるって。また調子に乗ってしまったんだ。今度こそもう無理だ。今度こそ本当に嫌われてしまったんだ……。
右手に温もりを感じて下を見ると、義弟の幸知がしゃがんで俺の手を握っていた。
「お義兄さん、辛いことがあるなら僕らに言ってくださいね。助けになりますから」
……言えるわけがない。
制御できなくて、ついに起きている北海道さんまで襲ってしまったなんて。もはや性欲モンスターだ。
「どうせまた北海道さんでしょ? さっさと告白して二人で探偵でも何でもやればいいのに」
「…………」
俺はもう北海道さんに会ってはいけない。危険だから。
でも俺の方はいつの間にか仕事以外の全てを北海道さんに捧げてしまっていた。北海道さんがいなければ存在する価値のない人間になっていた。完全に抜け殻だ。
他人のような自分の顔が映っているテレビを見ていると、テーブルに置いていたスマホが鳴った。画面を見ると千葉からだった。
千葉は今、北海道さんに雇われているらしい。
……俺のことは雇ってくれなかったくせに。
「はい」
電話に出ると、まずザワザワとした人混みの音が聞こえた。
『し、島根さん、大変です』
「どうした?」
千葉の声は相変わらず自信がなさそうだった。きっと今も子犬のように目を潤ませているに違いない。
『北海道さんが交通事故に遭いました』
「…………」
「お義兄さん、大丈夫ですか?」
いつの間にか手からスマホが落ちていた。幸知に拾ってもらい、もう一度耳に当てた。
「よ、容態は?」
『右手と右足を骨折しました。全治三ヶ月です』
……良かった。怪我で済んで。
「北海道さんが言うには、黒塗りの車に追いかけられて逃げたら最後は轢かれたらしいです」
「…………」
危ない依頼ばかり受けていたせいだ。
きっと大阪に北海道さんの素性がバレたんだ。
『それで、あの、今入院中なんですけど、北海道さんの事務所に着替えを取りに行ってもらえませんか?』
「……俺が?」
『……お願いします。次叔母さんの視界に入ったら山に埋めるって言われてるんです』
あのババァならやりかねない。
「あと北海道さんが島根さんの店のお弁当が食べたいって言ってます。持ってきてもらえますか?」
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