眠れない男

たいら

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 風が吹くたびに白い砂が青空をバックに舞っている。
「ねぇ、なんでこんなところ選んだの?」
 北海道さんはさっきから砂に足を取られながら愚痴ってばかりいる。
「久しぶりに両足で歩くのを実感したかったんです」
 旅行先は好きに決めていいと言われ、鳥取砂丘を選んだ。砂に足を埋れさせて歩くのは心地良かったが、北海道さんは正反対の反応をしていた。
「北海道さん。ラクダ乗りましょうよ」
「いいよ、僕は。君が乗りなよ。見ててあげるから」
 北海道さんに付添われながらラクダに乗った。広大な砂漠でラクダに乗り、晴天を見上げるのは最高だった。
「北海道さん。次は本物の砂漠に行きましょうよ」
「嫌だよ」
 あっさり断られてしまったが、北海道さんとの初めての旅行は最高な気分だった。






 宿泊に旅館を選んだのも正解だった。食事は美味しいし、貸し切りの部屋は海を見ながら露天風呂に入ることができるし、足の間にいる北海道さんを抱きしめながら入るのも最高だった。
「北海道さん。もう一泊しましょうか」
「しないよ。こんな高いところ」
 北海道さんは珍しい砂漠や美味しい食事や美しい景色では刺激を受けないらしい。そもそも毎日同じ弁当でも飽きない北海道さんは、旅行に興味がないのだ。それなのに約束通りに俺のために一緒に鳥取まで来てくれたのが嬉しかった。
「もう出よう。のぼせちゃうよ」
 北海道さんが足の間からするりと抜け、立ち上がろうとしたのを腕を掴んで抱き寄せた。
「……島根くん、明日は帰るんだから早く寝ないと」
 また逃げようとする北海道さんをがっつり抱きしめて離さなかった。
「そんなに急ぐ必要はないですよ」
 今日だけは何があっても連絡してくるなと千葉に伝えていた。今夜だけは絶対に二人だけで眠れない長い夜を過ごすんだ。
「北海道さん。もちろんご褒美はこれで終わりじゃないですよね?」
 耳元で囁くと、北海道さんが困った顔で振り向いた。
「……島根くん、君さ」
「北海道さん。キスしてもいいですか?」
「……いちいち聞かないでよ」
 また怒り出しそうな北海道さんの顎を掴んでキスをした。






「……あっ、……いやっ……」
 すぐに顔を隠そうとする北海道さんの両手首をを浴衣の紐で縛った。北海道さんは縛られた手を頭の上に上げ、足を広げて、中に挿入っている二本の指の動きを止めようともがいていた。
 指が一本から二本になる間に、北海道さんの乳首が赤く腫れ上がっていた。
「……あっ! ……島根くんっ! ……まって……」
「やめてもいいんですか?」
 俺の手に握り込まれた北海道さんのそれは、さっきから解放を願って雫を垂らしている。そろそろ楽にしてあげようと擦り上げると、北海道さんの足が爪先だった。
「……ぁあぁっ……あぁっ……あああっ……!」
 北海道さんが腰を揺らし、俺の指を締め付けながら、勢いよく射精し、そのあとも腰を揺らしながら断続的に俺の指を締め付け、残りの精液を途切れ途切れに吐き出した。
 その間の表情は苦しげでもあり、普段の北海道さんからは想像もできないほど官能的でもあった。
「…………」
「……北海道さんて、本当はすごくエッチですよね」
「……ちが……」
 俺の家でお世話しているときから思っていた。こんなに感じやすくて勃ちやすい体を、いつもどうやって抑え込んでいるんだろうと。
「……君がさわるから……」
「俺が触るからですか?」
「…………」
 そんなことを言うから勘違いしてしまいそうになるんだ。
 紐を解いて浴衣を脱ぐと、だらしなく足を開いたまま寝そべる北海道さんが、屹立した俺のものを見つめた。
 その仕草も本当は俺を求めているんじゃないかと勘違いしてしまいそうだった。
「…………」
 北海道さんの膝の裏に手を入れてさらに足を開き、窪みに先端を当てた。
「……あ……」
「北海道さん。俺のことを好きにならなくてもいから約束してくれませんか?」
「……何を?」
「俺以外とはしないって」
「……あ……」
 当てがった先端を押し込むと、さっきまで指で解していたそこは、俺を柔らかく包むように飲み込んだ。
 しかし北海道さんは顔を泣きそうに見えるほど歪ませた。
 北海道さんが中で俺を感じている。それは眠れない夜に何度も夢見た光景だった。
「……し、しないよ」
「絶対に?」
 先端は挿入っても、奥まで行くには時間がかかりそうだ。
 何度も出し入れを繰り返し、北海道さんの中へ進もうとしていると、北海道さんがせつない顔で俺を見つめ、何度も小さく頷いた。
「……ぜったい」
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