親友を落とす方法

たいら

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 ……最悪だ。
 もう二度と男とセックスなんてしたくないのに、拓真に後ろから抱きしめられ、体を触られていた。
 二回目のセックスは一週間後だった。早く拓真の体を記憶から消したいのに、さらに上塗りされるようで本当に最悪だった。
「……なんで後ろからなんだよ」
「せっかくだから前回と違うことして楽しまないと」
「楽しむなっ」
 人の体をなんだと思ってるんだっ……!
 拓真の指が乳首を優しく摘んで捏ね、拓真の唇は首や肩に触れ、拓真の勃起した性器が尻の間に押し付けられていた。
「……早く終わらせろよっ! ヤラしく触るなっ!」
「これが最後なんだから楽しませろよ」
「だから楽しむなっ……!」
 首筋を下から上へ舐められ、思わず仰け反った。その間も乳首は指で捏ねられ続け、尻の間で拓真の硬く勃起した性器が揺れ、唇も拓真の唇に塞がれた。
「…………っ」
 ……さっさと終わらせればいいのに、ヤり方かがイヤらしいんだよっ、拓真のくせにっ……! 
 俺の前では性欲なんて見せたことなかったくせにっ……! こいつただの男じゃねぇかっ……!
 毎日キスをしていることで、舌が自然と拓真の舌に馴染み、当たり前のように絡ませていた。
 ……なんで? セックスすれば拓真との関係がすべて変わってしまうと思ってたのに、なぜか拓真の態度はセックスしたあとも変わらない。むしろ優しくなってるくらいだ。
 ……なんで?
 乳首から離れた拓真の右手が俺の性器を握った。
「……あっ……いっ……あっ……!」
 拓真の手の中で自ら腰を動かし、ついでに拓真の性器を尻の間で扱いていた。
 ……なにやってんだよ、俺っ! これ拓真のチンコだぞっ!? なんで俺が気持ち良くさせてんだよっ!?
「挿入れてほしい?」
 拓真に耳元で囁かれ、頷いた。
「……はやく」
 この地獄を終わらせてくれ。
 拓真に後ろから両手を取られ、壁に手を付かされた。そして拓真の性器が二度目の場所に当たった。
 ……二度目で立ちバックかよっ! 変態がっ!
「……あっ……!」
 一週間ぶりで、前回は違和感と息苦しさしかなかったそこは、簡単に拓真の先端を飲み込んだ。
「……んんっ……」
 拓真の手に尻の肉が広げられ、さらに埋められていく。
 ……こんなのだめだって、拓真としちゃ……。
 わかっているのに、俺の体は尻を突き出し、拓真を受け入れようとしていた。
「……あっ……あっ……あっ……あっ……!」
 半分ほど埋まったことろで俺の腰を掴んで拓真が動き出し、俺は壁に額を押し付け、声を抑えることができなくなっていた。
 ……だめだっ……、前回より違和感と息苦しさが減ってるっ……! ……こんなんじゃ、まんまとこいつのチンコで尻が性器にされてしまう……っ!
 脇の下に手を入れられ肩を掴まれ、壁にもたれていた上体を起こされ、舌先を絡ませながらの抽挿が始まった。
「……っ、……っ、ん……っ、ん……っ!」
 ……だめだぞ、絶対に目覚めるなよ、俺の体っ!
 ……中にいるのは拓真のチンコだぞ。忘れるなっ!
 ……中にいるのは拓真のチンコだぞ。中にいるのは拓真のチンコだぞ。中にいるのは拓真のチンコだぞ。
 そう何度も唱えているのに、何故か痛いくらい俺のチンコは勃起していた。
「……もう、はやくイけって……!」
「さっき二回抜いたからまだ大丈夫」
「……馬鹿っ!」
 なんてことしてくれたんだっ! おかげで尻がお前の形覚えちゃうじゃねーかっ!
 拓真の動きに合わせて揺れるチンコを握られた。
「……あっ、まって……」
 ……それはほんとにマズい。
 自分でも中で拓真の性器を締め付けているのがわかった。
 ……でもこんなの拓真のチンコでイクみたいで嫌だ。しかしチンコを握られると抵抗できなくなる俺の体は、奥まで拓真のチンコを飲み込みながら、拓真の手で軽く扱かれるだけでイってしまった。
「……ぁぁあぁあぁぁあぁっ……」
 イきながら膝が震え、たまらず床に膝を付けると、そのまま四つん這いの状態で拓真の抽挿が始まった。
「……あっ! あっ! やめっ! いあっ! あっ! ……」
 ……クソっ……!
 ……この俺を獣のようにバックで犯すなんて……っ!
 ……拓真のくせにっ……!
 なかなか終わらない激しいピストンに服従するように、体は土下座の状態になり、拓真に犯されるがままになった。
 ……なんて屈辱だ。
 ……親友に尻を犯されるなんて。絶対にこいつからは二度と借金しないぞ。
 ……二度とギャンブルはしない。真っ当な人間になってやる……!
 ……絶対に、絶対に……!
 自己反省を唱えていると、拓真の動きが止まり、ようやく体が解放された。拓真がうつ伏せで動けなくなっている俺のうなじに、キスをして言った。
「ありがとう。一生大事にするから」
 ……何言ってんだ、こいつ……っ!








「いいかっ!? お前とは二度としないからなっ! 借金はもうないからなっ!」
「わかってる」
 ようやく起き上がれるようになった体で、出勤前の拓真を捕まえ、宣告をした。
「絶対、絶対、俺の体に指一本触れるなよっ!?」
「わかってる」
 拓真は目をつぶって真面目な顔で頷きながらネクタイを締めているが、信用できなかった。
 ……こいつの本性はケダモノだ。俺の親友は親友をケダモノみたいに犯す奴だったんだ。絶対にこいつとは二度とセックスしないっ! キスもだっ!
 しかしそれから二週間、拓真は本当に元の親友に戻ったように俺に何もしてこなかった。
「アロハがさー、またお前に会いたがってるんだよ。この間のことは水に流すってよ。どうする?」
「……絶対会わねー」
 久しぶりに先輩に誘われて行った居酒屋で、借金のことも拓真のことも考えずに飲む酒は美味かった。
「じゃあさ、バイトに戻ってくるのは? 今人手不足なんだよ」
「…………」
 ……万が一にもアロハの顔だけは見たくない。あいつのへ賠償金を払うために俺は拓真と二度も寝るはめになったんだ。あいつのせいで。
 結局は拓真のことを思い出してしまい、記憶を消すために次々と酒を飲んだ。ビールだけじゃ足りなくて、焼酎と梅酒サワーも混ぜて飲んだ。
 しかし拓真が頭から消えないし、拓真とのセックスの記憶は強烈で、二週間経っても脳にも体にも刻まれた記憶は、なかなか消すことができなかった。
「……先輩、俺もう帰っていいっすか?」
「え? もう? もっと飲もうぜ。俺久しぶりに外出許可出たんだよ」
「……おつりいらないっす」
 テーブルに金を置いて立ち上がると、思ってたより酔っていた。フラフラと看板にぶつかりながら歩いて、電車で気持ち良く寝ながら帰ると、拓真はすでに帰っていた。
「……ただいま」
「おかえり」
 拓真はパジャマを着てベッドの中で本を読みながら座っていた。その横には俺の布団が敷かれていた。
 その布団に拓真が読んでいた本を放り投げた。
「…………」
 布団をめくり、驚いている拓真の上に座った。
 久しぶりに見つめ合った拓真は、親友でしかなかった頃と全く変わってなかった。何もかも本当に元通りに戻っている。
 ……俺の体以外は。
 拓真の首に腕を回した俺の腰を、拓真の手が支えた。その感触にまた拓真との強烈な記憶が呼び覚まされた。
「……なぁ」
「ん?」
 拓真の優しい目が俺を見つめている。それが妙に嬉しかった。
「セックスしようか」
 驚いた拓真にキスをしていた。

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