親友を落とす方法

たいら

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「……あ……」
 酒のせいで体が熱くなっているからか、拓真の体に押し潰される感覚だけで感じた。
 拓真は俺の中に挿入ったまま、俺を抱きしめた状態でなかなか動かない。あまりにも動かない時間が長すぎて眠ってしまいそうだった。
 ……なんだこのスローなセックス。
 しかし本当に眠りそうになると、突然すっかり拓真の形になっているそこが抉られた。
「……あっ……」
 そしてすぐにまた動かなくなった拓真にキスをされては起こされ、中を抉られ、俺と拓真の体の境目がわからなくなってくると、何故か体に勝手にスイッチが入った。
 突然体の奥から快感が込み上げ、拓真の背中にしがみつき、体をのけ反らせ、つま先まで力を入れ、ビクビクと体を震わせながら射精していた。
「…………」
 ……なんだこれ。なんで俺今イったんだ?
 ……抱きしめられてただけなのに?
 ……なんで?
 ……酔ってるから?
 何が起こったのかわからず驚いていると、起き上がった拓真が俺の中に挿入したまま、俺のチンコを触り出した。
「……まだ無理だって」
 イったばかりで、次はまだ時間がかかりそうなのに。
「相当溜まってるからイけるだろ。一人のやり方忘れたのか?」
「…………」
 ……たしかにチンコ触ると拓真とのセックス思い出すから最近抜いてなかったけど。
 冷静な顔で俺を見下ろす拓真に、たっぷりのローションでチンコとタマが揉み込まれる。その手付きはしっかりと核心を突く動きで、チンコとタマがほぐされていく。
 ……何このチンコマッサージ。超気持ちいい……。
 ……こいつ、こんな特技あったの? ヤバイ。魂抜かれそう。
「……んぁあ゙あ゙あ゙ぁっ……!」
 突然拓真の手付きが変わると、快感に襲われ、体が飛び跳ねた。
 ……なんだこれ……っ!!
 ……チンコが、チンコが、おかしくなっちゃうっ……!! タマが……っ!! おれのタマが……っ!!
 ……ぁあ゙ぁあ゙あ゙ぁあ゙ぁぁ……っ!!
 ……きもちぃいぃぃいぃぃぃイイイ……っ!!
「……んぁああぁぁああぁぁん……っ」
 一気に大放出すると、やっと拓真のピストンが始まり、力の抜けた体は拓真の言いなりになるしかなくなっていた。
「……ぁああぁっ……、やめろぉぉっ……、あああぁあぁっ……!!」
 激しい抽挿に、おかしくなった体が何度もイかされるはめになった。
「……やめてぇっ……、ぁああぁあぁあぁっ……!」
 なんだこれっ……、おれこんなセックスどっちもしらないんだけどっ……!?








 起きるといつもの布団ではなく、拓真のベッドで裸で寝ていた。時計を見ると昼で、拓真はいなかった。
「…………」
 ……なんだこれ。俺昨日何かした? 体がなんかおかしい……。
 しかしすぐに昨日の記憶が蘇り、悶絶するはめになった。
 ……嘘だろっ!?
 俺あいつとまたヤっちまったのかよっ!? 借金もないのにっ!? しかも俺から誘ってるじゃねーかっ!
 ……ちがうっ! これは何かの間違いだっ!
 そう思いたくても、悶絶している間に大放出させられた記憶を次々と思い出した。何よりも体の中にあいつの跡が残っていた。
 ……このままここにいたらヤバい。俺の体が、あいつのセックスに溺れてしまうっ!
 急いで荷物をまとめて拓真の家を出た。
 しかし久しぶりに帰ったアパートは、元々散らかっていたが、それ以上に滅茶苦茶に荒らされていた。布団は切り刻まれ、浴室とトイレのドアが壊されている。
 ……アロハの奴か。
 やっぱりあいつ水に流すなんて嘘じゃねーかっ。
 どうやらアロハに住所を知られてしまったらしい。やっぱりこのアパートにはいられない。でも引っ越す金はなく、考えたあげく徳田の家へ向かった。
 ……こいつなら何があっても間違いを犯す心配はないから酔っても安心だ。
 相変わらずギラギラとしている家は居心地が悪いが、酒がドリンクバーのように飲み放題なのは良かった。高そうな酒を何本かソファの下に隠して飲むことにした。
「おい、この前の絨毯のクリーニング代返せよ。高かったんだぞ」
 成金みたいにフカフカのバスローブを着た徳田が、不機嫌そうに俺の横に座って葉巻をふかしている。
「わかってるって。そのうち返してやるから待ってろよ」
「お前みたいなカラオケとコンビニバイトが返せる額じゃねぇんだぞ?」
「俺はなぁ、五百万の借金二回も返した男なんだぞ? スゲーだろ?」
 体でだけどな。
「お前が五百万の借金?」
 徳田が鼻で笑った。
「嘘つけよ。アルバイトがどうやって五百万も借金できるんだよ」
「え?」
「どこも貸してくれないだろ」
「そうなの?」
「そんなことも知らねーのか」
 煙を吐く徳田に鼻で笑われた。
 ……拓真からしか借金をしたことがないから知らなかった。
 じゃあ拓真はどうやって俺の身分証で五百万も借りたんだ?








 拓真の家に帰り、ソファの上であぐらをかいて待っていると、犯罪者がのこのこと帰ってきた。
「何か食べた?」
 拓真はそう言い、ネクタイと腕時計をはずし、電子レンジの横に置いた。
「オムライスならすぐ作れるけど」
 そう言って、拓真はソファの上で立ち上がった俺に見向きもせず、冷蔵庫を開けた。
「おいっ、お前どうやって俺の身分証で五百万も借りたんだよっ!? 借りられるわけないだろっ!? お前なんかやったなっ!?」
 この倫理観の欠片もない悪徳弁護士がっ!!
「それって犯罪だよなっ!?」
 何も出さずに冷蔵庫を閉めた拓真が、ようやく俺を見た。
「誰から聞いた?」
「誰でもいいだろっ!」
「架空の会社のカードを作って、それにお前の名前を印字したのが何かの犯罪になるのか?」
「…………」
「お前に渡した金は全部俺の金。借金は全部嘘」
 拓真は悪びれる様子もなく言った。
「……な、なんでそんなことしたんだよ」
「お前とヤりたかったから」
 ソファの上に立つ俺に拓真が近づいてきた。
「何年も前からずっと考えてた。お前にずっと親友と思われて何もできないより嫌われた方がましだって」
「お、お前、俺のこと好きじゃないって言ったよなっ!?」
「好きって言えばヤらせてくれたのか?」
 目の前まで来た拓真が俺を見上げた。
「俺はお前とどうしてもセックスがしたかったんだよ。そのためならいくらでもお前に金を貸せたんだよ」
「…………」
 ……なにこいつ。
 とんでもない嘘つきじゃねーかっ!
「俺とセックスするためにカード偽造して借金を装って自分とセックスするように仕向けたのかっ!? 最低じゃねーかっ!」
「お前も俺のことを金としか見てなかっただろ?」
「……違うっ!」
 親友だと思ってたのにっ。
「また金が欲しくなったら言えよ。セックスと引換に貸してやるから」
「…………」
 ……こんな最低なことを言う奴じゃなかったのに。いつも穏やかで優しかった拓真も全部嘘だったのか?
「俺はもうお前の親友をやるのはやめたんだよ」
 拓真はそう言ってキッチンの方に引き返した。
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