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ビビりとモフモフ、冒険開始

お仕えにゃんこのステータス

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晴れて小梅の家族に成れた俺達は、此方に来てから最高潮のハイテンションになっている。
小梅がビビるから、なんとか平静装ってるけど、ぶっちゃけ抱き上げてクルクル回りたいくらいだ!

「小梅、改めてよろしくな。」
「…《テレパス》……小梅ちゃん、よろしくお願いします。」

ん?なんだ今の呪文?
テレパス?

『そうちょーさん、しおちゃん!これから、ずっといっしょです!』
「!!は、はい!しおちゃん…なんだか懐かしいです。」
「?!……詩音、お前…」
「……シオンくん、もしやコウメの言葉が?」
「はい!念話で、小梅ちゃんの言いたいことを読み取りました!」
「「それ、ただの念話じゃない。」と思います。」
「え、そうなんですか?」

念話ってさ…相手に自分の意思を伝える手段であって……相手の心とか読めるもんじゃないから……。
ああ、詩音のチート能力が、どんどん増えていく……。
小学生の頃からそうだけど、コイツは俺が護らなきゃダメだ!

「実に興味深いですね…。じっくり詳細をお聞きかせ願いたいところですが……残念ながら、これから料理の指示を出さなければならないので、後日お聞きしても?」
「は、はい。私の、感覚主体の魔法でよろしければ。」
「お手柔らかにしてやって。」
「ええ、言いたくないことまでは強制いたしません。…では、失礼いたします。夕食までごゆるりと。」

テレパシー擬き能力、か。
…レヴァンさんなら、悪用はしなさそう……かな。

「小梅、おいで。」
『はいです~。』

夕食までの間、小梅と戯れて過ごす。
俺が狼でも、甘えてくれるのが嬉しい。
頼んでみたら、ねこなべも披露してくれた。
勿論、詩音に録画してもらっている。

『そうちょーさん、ポカポカ おひさまみたいです。』
「フレイムフェンリルだからね。」
『ふれーむふぇりー?』
「フレイムフェンリル、ですよ。」
『ふれーむふぇりーる!』
「あははw小梅には、ちょっと難しいかなw」

…そういや、小梅のステータスってどうなってんだろ?

「小梅、ステータス見てもいい?」
『いいですよ~。』
「ありがとう。《ステータス》」

どれどれ…


☆☆☆☆☆
【ステータス】

名前  コウメ(小梅)
年齢  0歳2ヶ月
性別  ♀
種族  サンドキャット Lv 5
状態  健康

HP  200
MP  500
攻撃力  15
防御力  50
魔攻力  100
魔防力  80
魔回力  0
運  99999

称号:世界を渡った猫,未來の友人,詩音の友人,創造神の寵愛,お仕えにゃんこ

ユニークスキル:歳寒三友さいかんさんゆう

スキル:土属性魔法,植物育成,空間転移,魅了,隠密,認識阻害,隠蔽

耐性:病気無効,毒無効,麻痺無効,火属性耐性,水属性吸収,土属性吸収


☆☆☆☆☆


…やっぱ、シェープ様に送られてきてる!
もしかして、俺がトラックから庇った猫が、小梅だったのか?
うーん…死んだときの記憶無いからな。
でも、たぶんそうなんだろう。

「ふむ…。」
「ステータス…私たちに比べると……」
「いや、レベル5でコレ、充分高いよ?」
「そうなんですか?」
「ゲーム起動できたら、ドラ●エで勉強しようか。」

最優先を、スイ●チから3●Sに変更しよう。
暫く狩猟解禁モン●ンはお預けだな…。
詩音のためにRPG講座開かねば。

「さて、気になるのは……歳寒三友って何だ?」
「ああ、松竹梅のことですよ。松は冬でも葉を落とさず、竹は色褪せない。梅は厳寒の中、花を咲かせることから、冬に友とするべき植物とされてるんです。」
「…よく知ってるなぁ。」

初めて聞いたわ。鑑定するかね…ポチっとな。


『スキル 歳寒三友』
コウメのユニークスキル。
周囲に存在する植物を、1日に3つまで味方にできる。


何コレすげぇ。
樹の根でビターンとか、できるやつじゃん。

「小梅、お前凄いな。」
『えへへ、すごいです?』
「どんなスキルなんですか?」
「1日3つまで、植物味方にできるんだと。」
「…森の妖精っぽいですね。」
「それな。」

サンドってくらいだから、砂漠系モンスターなのかと思ってたんだが…。
果たして、こういうもんなのか、小梅が特殊なのか。

「あとは……空間転移とかいう、とんでもない名称のスキルがあるんだが。」
『くーかんてんい?です?』
「もしかして……小梅ちゃん、未來くんのお膝から、未來くんの頭まで…歩かずに行けますか?」
『はいです!』

おおっ?!小梅が消え…

「おぅふっ?!」
『とーちゃく!なのです!』

う、上から落ちてきたかのような、衝撃が……。
詩音…何故頭を指定した……。

「す、凄い…!本当にテレポートです!」
「…小梅とはぐれても安心だな。」
『どこにいても、そうちょーさんまで、ひとっとび なのです♪』
「詩音、このスキル習得する気無い?」
「そんなに心配ですか、私の迷子。」

そりゃ心配だよ。
忘れないぞ、中学の学祭。
体育館でやってたお化け屋敷で、はぐれて道解んなくなって、俺とスタッフが探しまくった末に、跳び箱の中から出てきたのは誰だ。

「……便利そうなので、後でやってみます。」
「是非そうしてよ。お前ならできる気がする。」

ただし、できても人には言うなよ?
既にバレたら大変なスキル、持ってんだからさ。
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