ビビりとモフモフの異世界道中

とある村人

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ビビりとモフモフ、冒険開始

特訓兼手合わせ

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特訓は、町から出て、少し歩いた平原ですることになった。

「いい?シオンちゃん。最初はゆっくりやるからね。」
「は、はい!お願いします!」

詩音、いいなー。レナさん優しそう……。

「クックックッ…覚悟はいいな、ミライ。」
「良くないって言ったら、どうすんの。」
「問答無用。」
「鬼か!」

こっちの教官ラルフはスパルタみたいだよ…。
見た目は主人公タイプなのに、笑顔が悪役だ。

「先ずは初級魔法から始める。とりあえず、防御壁で防げ。耐久性を見たい。」
「はいよー。」

防御壁も魔法だろうな。
なら、イメージは……進●の巨人の街の外壁で!!

「《ウィンドエッジ》!!」
「《バリア》!」

一瞬、ウ●ール・マ●アって唱えようかと思ったけど自重。
防御壁は目に見えないけど、魔力の広がりで結構な大きさになっているのがわかった。
人類の命を預かる、巨大防壁をイメージしたからな。
……巨人にはぶっ壊されてたけど。

風の刃みたいなのが、目に写った。
空気の流れも変わるし、音だってする。
風ってくらいだから、感知は難しいかと思ったけど…これなら、見てからでも防げる。
防御壁に当たると、刃は雲散霧消した。

「流石に、一発で壊れたりはしないな。」
「ま、まあね。」

超不安だったけど、どうにかなりそうだ。

「そのまま、耐えてみろ。」
「了解!」
「《ウィンドエッジ》!」

風の刃が10連続で襲ってきたけど、問題なく耐えた。
意外とイケるなこれ。
……形とか、イメージに寄りけりなのかな?
だとしたら、戦うときに拳から肘までを覆いたい。
素手で剣とか槍に対抗できそう。

「初級魔法で壊れることは、無さそうだな。ウィンドホーク相手なら、完封できるぞ。」
「そりゃ、良かった。」

ウィンドホークは、初級魔法しか使ってこないんだね。
これなら護りきれそうだ。
あんまり魔力消費したくないし、一旦防御壁は消しとこう。

「それじゃあ、ここからは…俺の自己満足に付き合ってくれ。」
「…自己満…手合わせ?」
「ああ。…お前は強い。……正直に言えば、勝てないことは解ってる。俺も冒険者の端くれだ。相手が自分より強いかどうかくらい、判断できるさ。」
「いやぁ~…俺、力はあるけど戦闘経験が……」
「無いなんて言わせないぞ。」

いや、ほぼ無いよ。こっちでは・・・・・
俺が渋るのに対し、ラルフは剣を抜いて構える。
…仕方ないなぁ。

「今、何を考えてる?」
「どんくらいの力なら、ラルフの頭を吹っ飛ばさずに殴れるか。」
「正直だな。」

俺の攻撃力6000なんだもん……!
まあ、策はあるんだけど…って言うか、向こうでの俺の、基本的なバトルスタイルでいいかな。いいよな。

先ずは魔法対策に、防御壁を自分に密着させる形で纏う。
イメージは防護服。
防刃チョッキ的な素材に、感電耐性つけたもので。
ただの壁だと、後ろから回り込まれた時が怖い。

「《バリア・アーマー》。」
「いきなり大技いっていいか?」
「どぞどぞ。」
「ありがとう…《クロス・ハリケーン》!!」

風が渦を巻き、巨大な竜巻となった。
たぶん、風の上級魔法だ。
吹っ飛ばされたら不味いな…着地はできるだろうけど、絶対目回す。

「《サンダー・ストーム》!!」
「はっ?!おいおいおい……!」

今度は竜巻に向けて雷が放たれ、混ざり合う。
徐々に全体の形を変え…東洋風の竜を型どって
襲いかかってきた。

「複合魔法…《ドラゴ・ストリーム》!!」

ヤベェ…リアルのバオウ・ザケ●ガ超怖ぇええええ!!
え、大丈夫かコレ?
俺の付け焼き刃防御壁で、大丈夫なのか?!
うわぁー突っ込んでくる!
避けられなくは無さそうだけど…俺の作戦、ラルフ自身にかかってきて貰わないとダメだからなぁ……。

「っ!避ける必要も無いということか!?」
「避けたら威力解らないってだけ!」

防げるなら、それに越したことはない。
魔法が効かなければ、直接剣で来るだろう。
防げないなら、俺から仕掛けて接近戦に持ち込む。

できれば、ラルフに無駄な怪我は、させたくない。
だから、俺から仕掛けないで済むなら、その方がいい。

「っぐ……!」

正面から竜の突撃を受け止める。
両手をクロスして、念のため防御姿勢をとった。

「ぬぐぐ……!」
「魔法への対処は、苦手みたいだな!」

そりゃそうだ、今まで魔法なんて無い世界にいたんだから。
俺が竜に気を取られてる内に、ラルフは背後へ回り込んでいた。
後ろからは剣が迫り、前からは強力な魔法。
逃げようが無い。

なら『相手を逃げさせる』までだ。

「《フレア・アーマー》!!」
「なっ?!」

某携帯獣の、第2作目の炎タイプ御三家を参考に、背中から炎を吹き出してみた。
暑いかと思いきや、火属性吸収のおかげか、寧ろ快適だ。
炎に驚いたラルフは、瞬時に後ろへ飛ぶ。
その隙に防御壁の形を変えて、暴れる風と雷の竜を包み、圧縮していった。

今度は手から腕にかけてを、防御壁で包む。
ドラ●エに出てくるような、守備力の高い籠手をイメージした。
剣対素手には調度いいだろう。

「《バリア・グローブ》…火傷してない?」
「そっくり、そのまま返す!自分の体から発火するなど、危険だろう!」
「大丈夫、どこも痛くないし!」

心配してくれながらも、炎が消えると、直ぐに斬りかかってくる。
防御壁を纏った左腕で剣を受け流し、右の拳を『ラルフの鳩尾が来る場所』に置いた・・・

「が…はっ……!?」

腕を振り抜く必要は無い。
少し、めり込ませるだけ。

『相手の勢いで殴る』
コレが俺の、対人間用のバトルスタイル。
高校上がった頃から、マトモに殴ると、相手が現場直送病院行きになることが多くなって、修得した。
必要以上に痛め付けず、吹っ飛ばして周囲を破壊することもない。

膝から崩れそうになるラルフを抱き止めて、呆然と俺らの模擬戦を見ていた詩音に声をかける。

「…やっといて難だけど、大丈夫?」
「けほっごほっ…は、ハハッ…やっぱり、戦闘経験…あるじゃないか…。」
「戦闘って言うか、喧嘩だけどね。」
『そうちょーさん、やっぱり さいきょーなのです!』
「か、患部はこの辺りですかね…?《ヒール》!」
「ふぅ……助かる、シオン。」
「凄い…ラルフに勝っちゃうなんて…!」
「へへ~♪先に魔法の属性は教えてくれてたし、剣が得意なのも知っていたからさ。」

朝のデコピンワンパン騒動で、ちょい凹んでたけど…うん、自信出てきた!
ディアさんが、チート越えて規格外なんだな、きっと!

「シオンちゃんも、ちゃんと対処できるようになったわよ♪」
「頑張りました!ちょっとした、作戦も考えましたよ!」
『さくせん、です?』
「お、そりゃ楽しみ。」
「なら、そろそろ行くか。ミライは一応、魔力回復薬飲んでおけ。」
「はーい。」

うげっ……魔力回復薬…不味い……!!
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