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テスト
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テストが、くる。
今日は五月の下旬初め頃。
第一回定期試験の季節だ。
だんだんと夏の足音が聴こえてくるかのように少しずつ気温が上がって、比例するように不快指数の高まる教室に俺はいた。
今は授業中で、黒板には数学の先生が因数分解の公式を書いている。
「ねぇ水本くん」
隣の席の新藤が話しかけてきた。
「なに?」
「私数学苦手じゃん?」
「そーだね」
どことなく虚ろな目をした新藤は、へへへと笑う。
「学校にテロリストとか来ないかなー」
「新藤どうした!?」
俺の問い掛けに答える様子もなく、黒板を眺めながらへへへへと笑っている。
相当やばいことになっているようだ。
授業後、新藤を問い詰めると予想していたより案外素直に答えてくれた。
「今回のテストで評定5取らないとやばいの…」
つまり苦手な数学で評定5を取らなければならないため絶望し、テロリストの訪問を望んだらしい。
勘弁してくれ、そんな理由で死んでたまるか。
「ねぇ、水本くん…。お願い…!私に数学を教えて!」
「え、あぁ、いいけど…」
と、いうことで新藤に数学を教えることになった訳だが、今回の範囲は因数分解。
とても簡単なところなので評定5も難しくはないだろう。
テストの日までに公式を頭に詰め込んで、ひたすら練習問題を解けば満点だって夢じゃない。
問題なのは、とにかく時間がないということだ。
数学のテストまであと五日。
一見まだまだ余裕あるじゃん、と思うだろう。
しかしここは工業高校。
テスト週間だろうが文化祭前だろうが、実習というものが存在する。
新藤は実習のレポートも書かなければならない。
それに加えて工業科の課題もあると来た。
明後日までに実習レポートの提出、明明後日までに工業科の課題提出。
絶望するのも無理はない。
同情した俺は、新藤数学評定5プロジェクトを本気で取り組むことに決めた。
新藤に数学を教えてくれと頼まれたその日の放課後、俺と新藤は二人でパソコン室に来ていた。
とりあえず実習レポートと工業科の課題を終わらせようという考えだ。
新藤は隣の席でパソコンに向かいレポートを作成している。
その姿を見ていると、なんとなく不安な気持ちになった。
なにか大切な物を忘れているような感覚。
思い出せそうもないので、情報科の課題を確認する。
「プログラミングか」
C言語を用いてパブルソートを行うプログラムを作成せよ、という課題だ。
ソートの原理については授業で教わっているので知ってはいるが、それをC言語で表わせとなるとなかなか難しい。
今まで学んできた知識を思い出しながら、パソコンと向かい合った。
それから一時間ほど黙って作業をしていた。
すると突然新藤が立ち上がり、
「終わったーーーー!!」と叫ぶ。
危うくパソコンの電源ボタンを蹴飛ばすところだった。
なぜパソコンをこんな足元に置いておくのだろうか。
蹴飛ばされたいのだろうか。
「水本くんありがとう!レポート提出してくるね!!」
「うん、おつかれさま」
俺はレポートに関してなにも協力していないのだが。
と、不意に不安が蘇ってくる。
なにかを忘れている感覚。
「そーいえば水本くんは、レポート終わってるの?」
「あー、それだー」
終わっては、いなかった。
「俺、レポートやってないや…」
提出は明後日まで。
今日は時間的にお開きだろう。
「テロリスト来ないかなー…」
嬉々としてレポートを提出しにいく新藤の背中を見つめながら、俺は小さく呟いた。
今日は五月の下旬初め頃。
第一回定期試験の季節だ。
だんだんと夏の足音が聴こえてくるかのように少しずつ気温が上がって、比例するように不快指数の高まる教室に俺はいた。
今は授業中で、黒板には数学の先生が因数分解の公式を書いている。
「ねぇ水本くん」
隣の席の新藤が話しかけてきた。
「なに?」
「私数学苦手じゃん?」
「そーだね」
どことなく虚ろな目をした新藤は、へへへと笑う。
「学校にテロリストとか来ないかなー」
「新藤どうした!?」
俺の問い掛けに答える様子もなく、黒板を眺めながらへへへへと笑っている。
相当やばいことになっているようだ。
授業後、新藤を問い詰めると予想していたより案外素直に答えてくれた。
「今回のテストで評定5取らないとやばいの…」
つまり苦手な数学で評定5を取らなければならないため絶望し、テロリストの訪問を望んだらしい。
勘弁してくれ、そんな理由で死んでたまるか。
「ねぇ、水本くん…。お願い…!私に数学を教えて!」
「え、あぁ、いいけど…」
と、いうことで新藤に数学を教えることになった訳だが、今回の範囲は因数分解。
とても簡単なところなので評定5も難しくはないだろう。
テストの日までに公式を頭に詰め込んで、ひたすら練習問題を解けば満点だって夢じゃない。
問題なのは、とにかく時間がないということだ。
数学のテストまであと五日。
一見まだまだ余裕あるじゃん、と思うだろう。
しかしここは工業高校。
テスト週間だろうが文化祭前だろうが、実習というものが存在する。
新藤は実習のレポートも書かなければならない。
それに加えて工業科の課題もあると来た。
明後日までに実習レポートの提出、明明後日までに工業科の課題提出。
絶望するのも無理はない。
同情した俺は、新藤数学評定5プロジェクトを本気で取り組むことに決めた。
新藤に数学を教えてくれと頼まれたその日の放課後、俺と新藤は二人でパソコン室に来ていた。
とりあえず実習レポートと工業科の課題を終わらせようという考えだ。
新藤は隣の席でパソコンに向かいレポートを作成している。
その姿を見ていると、なんとなく不安な気持ちになった。
なにか大切な物を忘れているような感覚。
思い出せそうもないので、情報科の課題を確認する。
「プログラミングか」
C言語を用いてパブルソートを行うプログラムを作成せよ、という課題だ。
ソートの原理については授業で教わっているので知ってはいるが、それをC言語で表わせとなるとなかなか難しい。
今まで学んできた知識を思い出しながら、パソコンと向かい合った。
それから一時間ほど黙って作業をしていた。
すると突然新藤が立ち上がり、
「終わったーーーー!!」と叫ぶ。
危うくパソコンの電源ボタンを蹴飛ばすところだった。
なぜパソコンをこんな足元に置いておくのだろうか。
蹴飛ばされたいのだろうか。
「水本くんありがとう!レポート提出してくるね!!」
「うん、おつかれさま」
俺はレポートに関してなにも協力していないのだが。
と、不意に不安が蘇ってくる。
なにかを忘れている感覚。
「そーいえば水本くんは、レポート終わってるの?」
「あー、それだー」
終わっては、いなかった。
「俺、レポートやってないや…」
提出は明後日まで。
今日は時間的にお開きだろう。
「テロリスト来ないかなー…」
嬉々としてレポートを提出しにいく新藤の背中を見つめながら、俺は小さく呟いた。
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