クズには生きづらい世の中だ

まこと

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日常

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みなさんは恋愛依存症という病気をご存知だろうか。
酒依存症やネット依存症なら知っているのではないだろうか。
酒依存症はお酒がやめられなくなる病気、ネット依存症はネットがやめられなくなる病気。
なら恋愛依存症は?
お察しの通り、恋愛がやめられなくなる病気である。
こんな風に言うと普通じゃん!って思う人も多くいると思うが、れっきとした依存症だ。
大切な相手と一緒にいて幸せなはずなのに常に不安がつきまとっていたり、相手の行動や考えをすべて自分が管理したいと思うようになってしまったり。
当然そんなことでは幸せにはなれないのだが、依存症であるためやめることができないのだ。
なぜ唐突にこんな話をしたかといえば、俺が恋愛依存症だから。
俺もその、やめられない一人なのである。
原因は幼少期の家庭環境のせいらしい。
機能不全家庭、簡単に言えば問題のある家庭に産まれることで恋愛依存症を発症するようだ。
DVする父の姿、痩せこせる母の姿、家に帰って来ない兄、一人家に居る俺。
今考えればそこは地獄だった。
問題のある家庭で生まれた子供が恋愛依存症になる可能性があるなら、俺はこの条件にばっちり当てはまっている。
俺が恋愛依存症になるのは必然であり、そして親のせいだということだ。


今日は月曜日。
学校に行き通常授業を普通に受け、部活も終えて俺は帰宅した。
いつも通りの日常だ。
蜘蛛の巣があちこちにかかる狭い玄関で靴を脱ぎ、短い廊下を歩いてキッチンへ。
キッチンと繋がるリビングには父がいた。
やはりタバコを吸っている。
父がなにか言っていたが適当に返事をして、俺はコンビニの弁当を電子レンジに入れる。
朝食同様、夕食もここ数年まともなものを食べていない。
毎晩毎晩コンビニの弁当、もちろん飽きるが文句は言わない。
コンビニ各社様には本当に申し訳ないがあまり美味しいとは言えない弁当を、父の吐き出すタバコの煙と共に胃に押し込んで、十分もしない一人の夕飯を終える。

シャワーを浴びて自分の部屋に戻ってくると、携帯が光っていた。
メッセージが七件、全て女の子からである。
部活のマネージャーでもある彼女から、俺のケガ(少し前に左足の甲を疲労骨折した)を心配する言葉が二件。
ももねから次の土曜日に観に行く映画の話が三件。
もう二件は、らいむという女の子からだった。
トッポゲームに使うトッポ買い忘れちゃった!
明日買う時間あったらいいな~笑、というメッセージだ。
次会ったときにトッポゲームをしようという話をしていたのだが、そんな報告をされても困ってしまう。
そもそもデートの当日に買って行けばいいだろう。
めんどくさいなと思いながら、ちゃんと買ってね~笑と返信して携帯を枕の横に放り投げた。
めんどくさいめんどくさいと思いながらも、やめることのできない苦しみに一つため息をつき、部活で疲れた身体を布団に預ける。
目を閉じたら三秒後にでも寝てしまいそうだ。
宿題も明日の学校の準備もしていないのだが、もう身体も起こせないほどの眠気が襲ってきていたので、俺は寝ろと叫ぶ本能に従って目を閉じた。
あっと言う間に心地よい睡魔に包み込まれて、夢も見ないほどの深い眠りについた。
眠っている間だけは、全ての辛さから解放されるのだ。
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