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第6章
第89話 レプのレプによるレプのための小悪党退治
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神歴1012年5月25日――ミレーニア大陸東部、フォトセットの町。
午後2時17分――住宅街、エリア7(通称、迷路街)。
フォトセット名物、迷路街。
フォトセットの町の居住区は、大きく分けて十の街区から成っている。
そのうちのエリア7は、通称『迷路街』と呼ばれるほど、非常に込み入った地形をしている。
地元の人間でも、迷わず目的の場所に行けるようになるまで最低一年はかかる、と言われるこの複雑怪奇なエリア7を、レプは迷うことなく最短距離で駆けていた。
追跡中の、ターゲットを目指して。
「なんなんだこのガキ!? なんで迷わず俺を追ってこれる!? 地元の大人だって考えながら進まねえと迷子になっちまう場所だぞ、ここはッ!」
だが、レプは迷わない。
レプは迷わずに、そうしてジャスト二分でターゲットに追いつき、捕獲した。
「あがッ!?」
「捕まえた。悪党三号捕獲完了。このまま、ボコボコにする」
ボコボコ。
「がはっ!? ちょ、待て!! ババアから盗んだモンは返す!! だから――」
ボコボコボコ。
「がふっ! げふっ! ごふっ!! ひぃぃ、も、もうかんべん――」
ボコボコボコボコ。
「ぎゃぁあああああああああ!!」
悪党三号は、意識を失った。
レプは満足げに頷くと、空の上の『相棒』を見やった。
と、だが彼はいつまでも『空の上』にはいなかった。
こちらの様子を確認するや否や、ものすごい速度で滑空し、彼のブルーボディーはあっという間にレプの真上の空気へと降り立った。
彼――チロはそのまま、得意げな笑みを浮かべて、
「オイラのナビと、レプのパワーで悪党撃滅。完璧なコンビプレーだったね」
「完璧。レプとチロのコンビプレーは地獄の王も裸足で逃げ出すと巷では有名……」
地獄の王が普段、靴を履いているのかどうかは知らないが。
とまれ、自分たちのコンビが最強最高だということに間違いはない。
レプはがばっと両手を振り上げると、意志のこもった口調で高らかに宣言した。
「このお財布をおばあちゃんに返す! そのあと、また悪党狩り再開! 今日は夕方まで悪党を狩り続ける!」
正義の心が、レプの内部で爆発する。
◇ ◆ ◇
同日、午後5時28分――エリア7、憩いの広場。
エリア7の中で唯一、開けたこの場所で。
レプは、一日の成果を心の中で反芻していた。
(……悪党八号まで成敗した。なかなかの成果。あとで兄者に自慢する……)
やはりチロと二人だと任務がはかどる。レプは盛大に満足した。
と。
「お嬢ちゃん、ありがとうねぇ。これは誕生日に孫にもらった大切な財布だったんだ。中身よりも、この安物の財布が戻ってきてくれたほうがワシには嬉しい。本当に、本当にありがとう」
「……ぁ」
ふぁさり、と。
老爺のしわくちゃな手が、レプの頭に触れる。
彼はそのまま、レプの頭を何度も撫でると、いくばくかのお礼のお金と、そうして何度目かのお礼の言葉を残してその場を去っていった。
レプは、心が痛くなるのを感じた。
(……おじいちゃん)
ほんの一瞬だけ。
頭を撫でられた、ほんのひとときだけ。
あの老人と、在りし日の祖父の姿が重なった。
そのゼロコンマの短い時間が、だがレプの心を絞めつける。
彼女は茫然と空を眺めると、遠い過去の世界へと思いを馳せた。
温もりと絶望が入り混じった、決して色褪せることのない、それはセピア色の記憶――。
◇ ◆ ◇
レプは、祖父と暮らしていた記憶しかない。
物心ついたときには、すでに両親はこの世におらず、レプの家族は齢七十を超える祖父一人だけだった。
でも、レプは淋しくなかった。
木こりをしていた祖父は、毎日レプをおぶって仕事場までつれていった。目を開ければ、祖父はいつでも見える範囲にいたし、いつも一緒だった。
寝るときも、ご飯を食べるときも、お風呂に入るときも。
一緒に遊んではくれなかったけど(一人遊びでじゅうぶん満足だった。脳内の住人は楽しい人間ばかりだったから)、レプは祖父が近くにいてくれるだけで嬉しかったし、楽しかった。
近くに同年代の子がいなくても、だからレプは毎日が楽しかった。変わらぬ日常が大好きでたまらなかった。幸せだった。
あの日が訪れるまでは――。
その日は、特別な朝ではなかった。
レプはいつものように、七時に起床し、祖父と共にドゥーラ山へと向かった。
八歳になり、薪を集めて背負う程度の手伝いはそつなくこなせるようになっていたレプは、その日も日課となっている薪拾いに奔走した。
祖父がちょうどいい大きさに伐り分けたそれらはもちろん、たきぎとして使えそうな枝木なども拾いに拾った。途中、なんだかよく分からない、赤くてまん丸な形の綺麗な『ボール』も入手し、レプは意気揚々と祖父の元へと戻った。
時刻は、正午を少し回ったあたり。
レプが森の広場に到着すると、切り株に腰かけていた祖父が、
「おーレプー、戻ったか。そんじゃあ、飯にすんべや」
「ごはん! レプは今日は梅おにぎりを作った! たらふく食べる!」
「おー、たらふく食うべ」
「食うべー!」
そう言って、祖父の隣にちょこんと腰を下ろすと、レプは手渡された梅おにぎりをさっそくひとつほおばった。
米にしみ込んだ塩のしょっぱさと、その中に入った梅干しのしょっぱさ。最強無敵のしょっぱさのコラボが、レプを幸せの極致へと連れていく。
レプはあっという間に、自分の分のおにぎりを全て平らげた。
と、それを見た祖父が、ニンマリ笑って自身の梅おにぎりをひとつ、レプへと差し出す。
「ほれ、これも食え。よく噛んで食わないかんぞ」
「食う! レプはよく噛んで食べる! レプは誰よりもよく噛んで食べると、巷では有名……」
「そうかそうか。そんならいい。んじゃ、食い終わったらもう一仕事すんぞー」
そのもう一仕事が終わって、山を降りたとき、辺りはすっかり夜のとばりに包まれていた。
そしてその薄暗い闇の中、町に戻ったレプは『その光景』を目の当たりにすることとなる。
「…………」
最初に見えたのは、光だった。
鋭く伸びた切っ先が、月の光を反射する様。
次いで、その脆弱な光がわずかに照らす、紅の地面。
血の赤に彩られたその風景が、忘れていた嗅覚を呼び覚ます。
今まで嗅いだことのない異常な臭いに、レプは驚いて祖父に抱き着いた。
祖父も驚いていたのだろう――彼は数秒間、呆気にとられたような表情で固まったあと、だがすぐさま『事情』を察してレプの身体を己の身体から引き離した。
そうして、レプの小さな身体を大きな酒樽の陰に隠すように押しやる。
「そこを動くんじゃねえ。何があっても、そこから出てくんじゃねえぞ?」
それが、祖父の最期の言葉だった。
一部始終は、目にも止まらぬ速さで過ぎ去った。
気づくと、祖父の身体は刃に貫かれた状態のまま、頭上高く掲げられていた。
黒髪黒目の青年の、その頭上高く――。
「キキキ、ジジィがまだ残ってやがった。メインディッシュがこんなジジィじゃ身共《みども》の腹も満たされねえが、ここはひとつ、贅沢は敵と思って耐えるとしようかねえ。質素倹約のミレーニア魂を忘れちゃいけないってなもんさ。キキキっ」
レプは、一歩も動けなかった。
否、祖父に言われたとおり、最後まで一歩も動かなかった。
最後まで。
変わらぬ日々が突然と終わり、そうして変化の日々がなだらかに始まる……。
◇ ◆ ◇
神歴1012年5月25日――ミレーニア大陸東部、フォトセットの町。
午後5時31分――エリア7、憩いの広場。
「どうした、ボーっと空なんか眺めて。なんかおもしろいモンでも飛んでたのか?」
唐突に響いたその声で。
レプは、ハッと我に返った。
慌てて振り向くと、そこには安心をくれるいつもの顔が立っていた。
レプはゴシゴシと両目をコスると、彼――ブレナの右手をギュッと握った。
「なんだ、おまえ泣いてたのか? 何があった? チロと喧嘩でもしたか?」
「してないよー! オイラたち、今日は絶妙なコンビプレーで悪党八人も退治したんだから!」
「うん、絶妙なコンビプレーで悪党八人やっつけた。あまりの達成感に、ちょっと涙こぼれた。レプはやってやった」
「……なんだそれ。ま、八人も成敗したなら上出来だ。褒めてつかわす。それより、朝からずっといなかったからルナたちが心配してたぞ。饅頭でも買ってさっさと宿に戻ろう。明日にはこの町を発つ予定だからな」
「レプは肉まんが食べたい! 肉まんに醤油ドバドバかけて食べる!」
「あいよ。んじゃ、肉まん買って帰ろう。つーか、よく考えたらこの旅ってこれ以上続ける意味あんのか? チロも復活したし……」
「えーっ、ナミに会って行こうよー。せっかくオイラ、ギルティスから海を渡ってはるばるやってきたのに」
「……ああ、まあそれもそうだな。それに一応、ジャックの奴も救ってやんなきゃ寝覚めが悪いままになっちまうし。ナミと会うまでは、このまま旅を続けるか」
「旅を続ける! レプはみんなと旅するのが楽しい! 毎日、いろんなことがいっぱい起こって刺激マックス! 心はミックス!」
「……いや、意味が分からん」
「レプも分からん!」
言って、レプはブレナの手を引っ張るように駆け出した。
心が、踊る。
ブレナとチロと、アリスとルナと。リアとセーナと、それからトッドと。
みんなで旅をするのが、たまらなく楽しい。
レプは、フォルセットの空気を目一杯吸い込んだ。
――今は、変わる日々が大好き!
午後2時17分――住宅街、エリア7(通称、迷路街)。
フォトセット名物、迷路街。
フォトセットの町の居住区は、大きく分けて十の街区から成っている。
そのうちのエリア7は、通称『迷路街』と呼ばれるほど、非常に込み入った地形をしている。
地元の人間でも、迷わず目的の場所に行けるようになるまで最低一年はかかる、と言われるこの複雑怪奇なエリア7を、レプは迷うことなく最短距離で駆けていた。
追跡中の、ターゲットを目指して。
「なんなんだこのガキ!? なんで迷わず俺を追ってこれる!? 地元の大人だって考えながら進まねえと迷子になっちまう場所だぞ、ここはッ!」
だが、レプは迷わない。
レプは迷わずに、そうしてジャスト二分でターゲットに追いつき、捕獲した。
「あがッ!?」
「捕まえた。悪党三号捕獲完了。このまま、ボコボコにする」
ボコボコ。
「がはっ!? ちょ、待て!! ババアから盗んだモンは返す!! だから――」
ボコボコボコ。
「がふっ! げふっ! ごふっ!! ひぃぃ、も、もうかんべん――」
ボコボコボコボコ。
「ぎゃぁあああああああああ!!」
悪党三号は、意識を失った。
レプは満足げに頷くと、空の上の『相棒』を見やった。
と、だが彼はいつまでも『空の上』にはいなかった。
こちらの様子を確認するや否や、ものすごい速度で滑空し、彼のブルーボディーはあっという間にレプの真上の空気へと降り立った。
彼――チロはそのまま、得意げな笑みを浮かべて、
「オイラのナビと、レプのパワーで悪党撃滅。完璧なコンビプレーだったね」
「完璧。レプとチロのコンビプレーは地獄の王も裸足で逃げ出すと巷では有名……」
地獄の王が普段、靴を履いているのかどうかは知らないが。
とまれ、自分たちのコンビが最強最高だということに間違いはない。
レプはがばっと両手を振り上げると、意志のこもった口調で高らかに宣言した。
「このお財布をおばあちゃんに返す! そのあと、また悪党狩り再開! 今日は夕方まで悪党を狩り続ける!」
正義の心が、レプの内部で爆発する。
◇ ◆ ◇
同日、午後5時28分――エリア7、憩いの広場。
エリア7の中で唯一、開けたこの場所で。
レプは、一日の成果を心の中で反芻していた。
(……悪党八号まで成敗した。なかなかの成果。あとで兄者に自慢する……)
やはりチロと二人だと任務がはかどる。レプは盛大に満足した。
と。
「お嬢ちゃん、ありがとうねぇ。これは誕生日に孫にもらった大切な財布だったんだ。中身よりも、この安物の財布が戻ってきてくれたほうがワシには嬉しい。本当に、本当にありがとう」
「……ぁ」
ふぁさり、と。
老爺のしわくちゃな手が、レプの頭に触れる。
彼はそのまま、レプの頭を何度も撫でると、いくばくかのお礼のお金と、そうして何度目かのお礼の言葉を残してその場を去っていった。
レプは、心が痛くなるのを感じた。
(……おじいちゃん)
ほんの一瞬だけ。
頭を撫でられた、ほんのひとときだけ。
あの老人と、在りし日の祖父の姿が重なった。
そのゼロコンマの短い時間が、だがレプの心を絞めつける。
彼女は茫然と空を眺めると、遠い過去の世界へと思いを馳せた。
温もりと絶望が入り混じった、決して色褪せることのない、それはセピア色の記憶――。
◇ ◆ ◇
レプは、祖父と暮らしていた記憶しかない。
物心ついたときには、すでに両親はこの世におらず、レプの家族は齢七十を超える祖父一人だけだった。
でも、レプは淋しくなかった。
木こりをしていた祖父は、毎日レプをおぶって仕事場までつれていった。目を開ければ、祖父はいつでも見える範囲にいたし、いつも一緒だった。
寝るときも、ご飯を食べるときも、お風呂に入るときも。
一緒に遊んではくれなかったけど(一人遊びでじゅうぶん満足だった。脳内の住人は楽しい人間ばかりだったから)、レプは祖父が近くにいてくれるだけで嬉しかったし、楽しかった。
近くに同年代の子がいなくても、だからレプは毎日が楽しかった。変わらぬ日常が大好きでたまらなかった。幸せだった。
あの日が訪れるまでは――。
その日は、特別な朝ではなかった。
レプはいつものように、七時に起床し、祖父と共にドゥーラ山へと向かった。
八歳になり、薪を集めて背負う程度の手伝いはそつなくこなせるようになっていたレプは、その日も日課となっている薪拾いに奔走した。
祖父がちょうどいい大きさに伐り分けたそれらはもちろん、たきぎとして使えそうな枝木なども拾いに拾った。途中、なんだかよく分からない、赤くてまん丸な形の綺麗な『ボール』も入手し、レプは意気揚々と祖父の元へと戻った。
時刻は、正午を少し回ったあたり。
レプが森の広場に到着すると、切り株に腰かけていた祖父が、
「おーレプー、戻ったか。そんじゃあ、飯にすんべや」
「ごはん! レプは今日は梅おにぎりを作った! たらふく食べる!」
「おー、たらふく食うべ」
「食うべー!」
そう言って、祖父の隣にちょこんと腰を下ろすと、レプは手渡された梅おにぎりをさっそくひとつほおばった。
米にしみ込んだ塩のしょっぱさと、その中に入った梅干しのしょっぱさ。最強無敵のしょっぱさのコラボが、レプを幸せの極致へと連れていく。
レプはあっという間に、自分の分のおにぎりを全て平らげた。
と、それを見た祖父が、ニンマリ笑って自身の梅おにぎりをひとつ、レプへと差し出す。
「ほれ、これも食え。よく噛んで食わないかんぞ」
「食う! レプはよく噛んで食べる! レプは誰よりもよく噛んで食べると、巷では有名……」
「そうかそうか。そんならいい。んじゃ、食い終わったらもう一仕事すんぞー」
そのもう一仕事が終わって、山を降りたとき、辺りはすっかり夜のとばりに包まれていた。
そしてその薄暗い闇の中、町に戻ったレプは『その光景』を目の当たりにすることとなる。
「…………」
最初に見えたのは、光だった。
鋭く伸びた切っ先が、月の光を反射する様。
次いで、その脆弱な光がわずかに照らす、紅の地面。
血の赤に彩られたその風景が、忘れていた嗅覚を呼び覚ます。
今まで嗅いだことのない異常な臭いに、レプは驚いて祖父に抱き着いた。
祖父も驚いていたのだろう――彼は数秒間、呆気にとられたような表情で固まったあと、だがすぐさま『事情』を察してレプの身体を己の身体から引き離した。
そうして、レプの小さな身体を大きな酒樽の陰に隠すように押しやる。
「そこを動くんじゃねえ。何があっても、そこから出てくんじゃねえぞ?」
それが、祖父の最期の言葉だった。
一部始終は、目にも止まらぬ速さで過ぎ去った。
気づくと、祖父の身体は刃に貫かれた状態のまま、頭上高く掲げられていた。
黒髪黒目の青年の、その頭上高く――。
「キキキ、ジジィがまだ残ってやがった。メインディッシュがこんなジジィじゃ身共《みども》の腹も満たされねえが、ここはひとつ、贅沢は敵と思って耐えるとしようかねえ。質素倹約のミレーニア魂を忘れちゃいけないってなもんさ。キキキっ」
レプは、一歩も動けなかった。
否、祖父に言われたとおり、最後まで一歩も動かなかった。
最後まで。
変わらぬ日々が突然と終わり、そうして変化の日々がなだらかに始まる……。
◇ ◆ ◇
神歴1012年5月25日――ミレーニア大陸東部、フォトセットの町。
午後5時31分――エリア7、憩いの広場。
「どうした、ボーっと空なんか眺めて。なんかおもしろいモンでも飛んでたのか?」
唐突に響いたその声で。
レプは、ハッと我に返った。
慌てて振り向くと、そこには安心をくれるいつもの顔が立っていた。
レプはゴシゴシと両目をコスると、彼――ブレナの右手をギュッと握った。
「なんだ、おまえ泣いてたのか? 何があった? チロと喧嘩でもしたか?」
「してないよー! オイラたち、今日は絶妙なコンビプレーで悪党八人も退治したんだから!」
「うん、絶妙なコンビプレーで悪党八人やっつけた。あまりの達成感に、ちょっと涙こぼれた。レプはやってやった」
「……なんだそれ。ま、八人も成敗したなら上出来だ。褒めてつかわす。それより、朝からずっといなかったからルナたちが心配してたぞ。饅頭でも買ってさっさと宿に戻ろう。明日にはこの町を発つ予定だからな」
「レプは肉まんが食べたい! 肉まんに醤油ドバドバかけて食べる!」
「あいよ。んじゃ、肉まん買って帰ろう。つーか、よく考えたらこの旅ってこれ以上続ける意味あんのか? チロも復活したし……」
「えーっ、ナミに会って行こうよー。せっかくオイラ、ギルティスから海を渡ってはるばるやってきたのに」
「……ああ、まあそれもそうだな。それに一応、ジャックの奴も救ってやんなきゃ寝覚めが悪いままになっちまうし。ナミと会うまでは、このまま旅を続けるか」
「旅を続ける! レプはみんなと旅するのが楽しい! 毎日、いろんなことがいっぱい起こって刺激マックス! 心はミックス!」
「……いや、意味が分からん」
「レプも分からん!」
言って、レプはブレナの手を引っ張るように駆け出した。
心が、踊る。
ブレナとチロと、アリスとルナと。リアとセーナと、それからトッドと。
みんなで旅をするのが、たまらなく楽しい。
レプは、フォルセットの空気を目一杯吸い込んだ。
――今は、変わる日々が大好き!
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