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1.邂逅
(4)前兆①
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それは、ゴールデンウィークの3日目の出来事だった。
「英凛ちゃん、携帯電話、鳴っとったよ」
「え?」
毛布のない掘りごたつに腰から下を入れ、まるでもぐらのように腕と頭だけを畳の上に出していた私の目の前に、そっと携帯電話が置かれた。
中学生のときに買い与えられたそでは分厚く、機械っぽいシルバーで、例えば雲雀くんの携帯電話の隣に置くとまるでオモチャのようだ。特に、おばあちゃんに何も起こらず、特に連絡を取る相手もおらず、使う機会も少なく……なんて有様だと、本当にオモチャのように思えてしまう。現に、携帯電話なのに台所に置きっぱなしだった。
「鳴ってたって、電話?」
「さあ、そうじゃないかねえ。ずっとブーブー言っとったからね」
音が短ければメール、長ければ電話。最初の頃は「音が鳴れば電話」と思っていたおばあちゃんも、今となってはそれくらいの区別がつく。
でも、電話だとしたら一体誰だ……と考えていて、雲雀くんに電話番号を教えていたことを思い出した。実際、手に取って開けば、不在着信画面に表示されているのは雲雀くんの名前。
かけ直そうか悩んでいると、パッと画面が切り替わり「着信中」と表示される。また雲雀くんだ。
「……もしもし」
「《あ、三国ィ?》」
……それなのに、聞こえたのは桜井くんの声だった。
あの2人、休みの日まで一緒にいるのか……。本当に仲が良いなと思っていると、電話の向こうからは「三国、出た?」と荒神くんの声まで聞こえてきた。
「なにか用事……」
「《いま俺ら海来てんだけどさー、三国も来ようぜー》」
「海……?」
いや、海って言ったって、まだ5月ですけど。頭の中には、冷たい潮風の吹く海岸の図が浮かんだ。うちからだと自転車で15分くらいだけど、きっと桜井くん達にとっては遠出だろう。彼らの住所は知らないけれど、中学の位置が真逆なのできっと家も真逆だ。
それはさておき、今から海へ……? 一体何の遊びをするというのか。検討もつかなかったけれど、桜井くん達がいるならきっと楽しい。時刻は午後1時、あと1時間と少しは1日の中で一番暖かく、今日は気温も高めだし、足をちょっとつけるくらいならいいかもしれない。残りのゴールデンウィークに出かける予定もないし。
ついそんな気持ちになって「んー、うん、分かった」と軽い返事をすると「《お、マジ?》」と少し上擦った声が返事をしてくれた。
「《んじゃ迎え行こっか? 舜がさあ、バイクの免許取ったんだよね、アイツ、誕生日4月だから!》」
「え、いや、それは大丈夫」
免許をとるのにどのくらいかかるのか知らないけど、少なくとも若葉マーク、下手したら新芽マークを車に貼っていてもおかしくない程度には初心者であるはずだ。そんな人の後ろに乗るなんて、おそろしくてできない。しかも、桜井くんと雲雀くんなら毎日顔を合わせているからまだしも、荒神くんとは2人だと何を話せばいいのか分からない程度の関係性だ、気まずい。
「海って、藍ヶ浜だよね?」
「《うん、それの南海岸。松の木の駐車場があるほう》」
「分かった、多分10分くらいしたら出る」
「《おっけー、分かんなかったら電話して》」
急に電話で誰かと話していたかと思ったら出かける準備をし始めた、そんな私の様子をおばあちゃんはお茶を飲みながら見守っている。中学生のときから使っていたボディバッグにタオルを入れ始めたところで「海に入るにはまだ早かろう」なんて笑われた。
「んー、でも、なんか桜井くん達は入るみたい」
「そお。まあ、男の子は元気なんかもね。その桜井くん達の、写真を撮ってきてちょうだい」
入学式に2人に絡まれて以来、おばあちゃんにはほぼ毎日桜井くん達の話をしていた。初日の所業を聞いたときは「気を付けなさいよ」なんて言われたけれど、実力テストの日あたりから「その桜井くんの写真はないんかね」「雲雀くんにようお礼を伝えてよ、お父さんにお世話になっとるから」とおばあちゃんの2人に対する印象は変わってきている。ちなみに荒神くんは覚えられていない。
「写真かあ……」
「その桜井くん、可愛い顔しとるんでしょ」
「うん、まあ……」
桜井くんが雲雀くんと比べてどっちがイケメン論争をしていた、とりあえず2人ともイケメンだと答えたし、イケメンだとは思ってるけど、なんと答えるのが正解だったのかよく分かってない、そんな話をおばあちゃんにしてから、おばあちゃんは頻りと2人の顔を見たがっている。でも2人の写真を撮る機会などあるはずもなく、そうなれば今日は確かにいいチャンスな気はした。
「桜井くんはね、金髪がすごく似合ってるんだよね。目が茶色いからかな? なんか全体的に色素薄い感じなの。髪もふわふわで、ゴールデンレトリバーとかそんな感じ。あ、でもちっちゃいから中型犬かなあ」
「ちっちゃいんかね、その桜井くんは」
「多分……私とあんまり変わらない気がする。私よりは高いんだけど。雲雀くんはちょっと高いかも、なんか美人な狼って感じ」
「雲雀先生も、若先生もハンサムじゃけね。息子さんも、そりゃあハンサムじゃろ」
院長は雲雀先生、そして内科医をしているのは若先生。おばあちゃんは、雲雀くんのおじいちゃんとお父さんをそう呼んで区別していた。私は両方とも会ったことはない。
「んー、ハンサムっていうか、美人。髪型とか服装を変えたら、女の子って言われても分からないんじゃないかな」
「あら、そう」
「下手な女子より綺麗だよ、雲雀くんは」
荷物を整えて玄関に手をかけ「じゃ、行ってくる」と振り向くと、おばあちゃんは嬉しそうに「いってらっしゃい」と笑った。
「今日は晩ご飯は?」
「……どうなんだろう。今日は帰ろうかな」
「要らんくなったら、電話をちょうだい」
「分かった、5時までには電話する」
パーカーとティシャツとショートパンツにスニーカー。我ながら、まるで少年のような恰好をして家を飛び出る。唯一、少年らしくないところといえば、ポニーテールにしてもうなじを掠める髪と、ボディバッグのベルトが通る谷間くらいだ。
桜井くんに言われた海岸沿いの駐車場へ行くと、2台並んだバイクの隣に桜井くんが座り込んでいた。太陽の光に金髪がきらきらと反射しているので、なによりの目印だ。何をしているのか、遠くからは分からずにおそるおそる自転車を押しながら近づくと、松の葉で文字通りひとり相撲をしていた。
「……どうも」
そっと覗き込むと、桜井くんはパッと顔を上げる。家を出る前に話したとおり、その金髪は今日もふわふわだ。
「お、三国。早かったな」
「そうだ、ごめん、何時くらいに着くか言ってればよかった」
「んーん、相撲やってたから大丈夫」
桜井くんの足元には切れた松の葉がたくさん散らばっている。この様子だと、私が家を出たときにはもうここで待ってくれていたような気がした。
「……荒神くんは? っていうか、雲雀くんもいるんだよね?」
「あー、そうそう。アイツら、海入ったから砂浜に上がりたくないとかいって。じゃんけんで負けた俺が来させられたの」
どおりで、桜井くんの足首には砂がついているはずだ。なんなら、折られたズボンの裾は濡れている。プルオーバーのパーカーも、お腹のあたりに濡れた形跡があるので、きっと水をかけて遊んだのだろう。
「三国、その足、寒くねーの?」
「……だって海で遊ぶんでしょ?」
「やる気満々じゃん! 来いよ、ビーチバレーやってんだけどさ、3人だとできねーなってなったから三国呼ぼうと思って」
完全に桜井くん達の遊び相手・4人目になっている。いささか疑問はあったけれど、桜井くんが軽い足取りで海岸へ向かうのでよしとした。
ザァッと、寄せては返す波の音が段々と大きくなる。ゴールデンウィークの潮風は少し冷たい。磯と潮の香りもまだ薄く、海開きはまだまだ遠いことを五感で理解する。
「三国、ゴールデンウィーク、なにやってんの?」
「えー……と、本読んだり、ピアノ弾いたり……?」
「ピアノ弾けんの?」
「ちょっとだけ」
「すげー! じゃ、今度あれ弾いてよ、『フロッカーズ』の主題歌の」
桜井くんが言っているのは月9ドラマのことだ。見たことはないけれど、音楽番組でその主題歌が特集されているのは見たことがある。主題歌のタイトルは『ありし日の愛し合い』。ピアノで弾けそうなバラードだった。
「楽譜があれば練習するんだけど」
「んァ」
音楽をやっている人間からすれば、それはごく当然のことだったのだけれど、桜井くんの反応はそうではない。ということは、桜井くんは音楽にさっぱり縁がないのだろう。
「ほら、あの主題歌って、ピアノだけじゃなくて、ヴァイオリンとかビオラの音も入ってるでしょ? だからピアノ用にアレンジされた楽譜が必要で」
「あー……。うーん、俺、ピアノの音以外分かんねーから。そっか、そういうのが要るのかあ。じゃ楽譜持ってったら弾いてくれる?」
持って行くってどこに? まさか家に? 頭にはおばあちゃんの家に桜井くんがやってくる図が浮かんだ。アップライトピアノが置いてあるのは、和室ばかりの家の隅っこにある洋室で、私の部屋だ。私の部屋に桜井くんが来る……。
「英凛ちゃん、携帯電話、鳴っとったよ」
「え?」
毛布のない掘りごたつに腰から下を入れ、まるでもぐらのように腕と頭だけを畳の上に出していた私の目の前に、そっと携帯電話が置かれた。
中学生のときに買い与えられたそでは分厚く、機械っぽいシルバーで、例えば雲雀くんの携帯電話の隣に置くとまるでオモチャのようだ。特に、おばあちゃんに何も起こらず、特に連絡を取る相手もおらず、使う機会も少なく……なんて有様だと、本当にオモチャのように思えてしまう。現に、携帯電話なのに台所に置きっぱなしだった。
「鳴ってたって、電話?」
「さあ、そうじゃないかねえ。ずっとブーブー言っとったからね」
音が短ければメール、長ければ電話。最初の頃は「音が鳴れば電話」と思っていたおばあちゃんも、今となってはそれくらいの区別がつく。
でも、電話だとしたら一体誰だ……と考えていて、雲雀くんに電話番号を教えていたことを思い出した。実際、手に取って開けば、不在着信画面に表示されているのは雲雀くんの名前。
かけ直そうか悩んでいると、パッと画面が切り替わり「着信中」と表示される。また雲雀くんだ。
「……もしもし」
「《あ、三国ィ?》」
……それなのに、聞こえたのは桜井くんの声だった。
あの2人、休みの日まで一緒にいるのか……。本当に仲が良いなと思っていると、電話の向こうからは「三国、出た?」と荒神くんの声まで聞こえてきた。
「なにか用事……」
「《いま俺ら海来てんだけどさー、三国も来ようぜー》」
「海……?」
いや、海って言ったって、まだ5月ですけど。頭の中には、冷たい潮風の吹く海岸の図が浮かんだ。うちからだと自転車で15分くらいだけど、きっと桜井くん達にとっては遠出だろう。彼らの住所は知らないけれど、中学の位置が真逆なのできっと家も真逆だ。
それはさておき、今から海へ……? 一体何の遊びをするというのか。検討もつかなかったけれど、桜井くん達がいるならきっと楽しい。時刻は午後1時、あと1時間と少しは1日の中で一番暖かく、今日は気温も高めだし、足をちょっとつけるくらいならいいかもしれない。残りのゴールデンウィークに出かける予定もないし。
ついそんな気持ちになって「んー、うん、分かった」と軽い返事をすると「《お、マジ?》」と少し上擦った声が返事をしてくれた。
「《んじゃ迎え行こっか? 舜がさあ、バイクの免許取ったんだよね、アイツ、誕生日4月だから!》」
「え、いや、それは大丈夫」
免許をとるのにどのくらいかかるのか知らないけど、少なくとも若葉マーク、下手したら新芽マークを車に貼っていてもおかしくない程度には初心者であるはずだ。そんな人の後ろに乗るなんて、おそろしくてできない。しかも、桜井くんと雲雀くんなら毎日顔を合わせているからまだしも、荒神くんとは2人だと何を話せばいいのか分からない程度の関係性だ、気まずい。
「海って、藍ヶ浜だよね?」
「《うん、それの南海岸。松の木の駐車場があるほう》」
「分かった、多分10分くらいしたら出る」
「《おっけー、分かんなかったら電話して》」
急に電話で誰かと話していたかと思ったら出かける準備をし始めた、そんな私の様子をおばあちゃんはお茶を飲みながら見守っている。中学生のときから使っていたボディバッグにタオルを入れ始めたところで「海に入るにはまだ早かろう」なんて笑われた。
「んー、でも、なんか桜井くん達は入るみたい」
「そお。まあ、男の子は元気なんかもね。その桜井くん達の、写真を撮ってきてちょうだい」
入学式に2人に絡まれて以来、おばあちゃんにはほぼ毎日桜井くん達の話をしていた。初日の所業を聞いたときは「気を付けなさいよ」なんて言われたけれど、実力テストの日あたりから「その桜井くんの写真はないんかね」「雲雀くんにようお礼を伝えてよ、お父さんにお世話になっとるから」とおばあちゃんの2人に対する印象は変わってきている。ちなみに荒神くんは覚えられていない。
「写真かあ……」
「その桜井くん、可愛い顔しとるんでしょ」
「うん、まあ……」
桜井くんが雲雀くんと比べてどっちがイケメン論争をしていた、とりあえず2人ともイケメンだと答えたし、イケメンだとは思ってるけど、なんと答えるのが正解だったのかよく分かってない、そんな話をおばあちゃんにしてから、おばあちゃんは頻りと2人の顔を見たがっている。でも2人の写真を撮る機会などあるはずもなく、そうなれば今日は確かにいいチャンスな気はした。
「桜井くんはね、金髪がすごく似合ってるんだよね。目が茶色いからかな? なんか全体的に色素薄い感じなの。髪もふわふわで、ゴールデンレトリバーとかそんな感じ。あ、でもちっちゃいから中型犬かなあ」
「ちっちゃいんかね、その桜井くんは」
「多分……私とあんまり変わらない気がする。私よりは高いんだけど。雲雀くんはちょっと高いかも、なんか美人な狼って感じ」
「雲雀先生も、若先生もハンサムじゃけね。息子さんも、そりゃあハンサムじゃろ」
院長は雲雀先生、そして内科医をしているのは若先生。おばあちゃんは、雲雀くんのおじいちゃんとお父さんをそう呼んで区別していた。私は両方とも会ったことはない。
「んー、ハンサムっていうか、美人。髪型とか服装を変えたら、女の子って言われても分からないんじゃないかな」
「あら、そう」
「下手な女子より綺麗だよ、雲雀くんは」
荷物を整えて玄関に手をかけ「じゃ、行ってくる」と振り向くと、おばあちゃんは嬉しそうに「いってらっしゃい」と笑った。
「今日は晩ご飯は?」
「……どうなんだろう。今日は帰ろうかな」
「要らんくなったら、電話をちょうだい」
「分かった、5時までには電話する」
パーカーとティシャツとショートパンツにスニーカー。我ながら、まるで少年のような恰好をして家を飛び出る。唯一、少年らしくないところといえば、ポニーテールにしてもうなじを掠める髪と、ボディバッグのベルトが通る谷間くらいだ。
桜井くんに言われた海岸沿いの駐車場へ行くと、2台並んだバイクの隣に桜井くんが座り込んでいた。太陽の光に金髪がきらきらと反射しているので、なによりの目印だ。何をしているのか、遠くからは分からずにおそるおそる自転車を押しながら近づくと、松の葉で文字通りひとり相撲をしていた。
「……どうも」
そっと覗き込むと、桜井くんはパッと顔を上げる。家を出る前に話したとおり、その金髪は今日もふわふわだ。
「お、三国。早かったな」
「そうだ、ごめん、何時くらいに着くか言ってればよかった」
「んーん、相撲やってたから大丈夫」
桜井くんの足元には切れた松の葉がたくさん散らばっている。この様子だと、私が家を出たときにはもうここで待ってくれていたような気がした。
「……荒神くんは? っていうか、雲雀くんもいるんだよね?」
「あー、そうそう。アイツら、海入ったから砂浜に上がりたくないとかいって。じゃんけんで負けた俺が来させられたの」
どおりで、桜井くんの足首には砂がついているはずだ。なんなら、折られたズボンの裾は濡れている。プルオーバーのパーカーも、お腹のあたりに濡れた形跡があるので、きっと水をかけて遊んだのだろう。
「三国、その足、寒くねーの?」
「……だって海で遊ぶんでしょ?」
「やる気満々じゃん! 来いよ、ビーチバレーやってんだけどさ、3人だとできねーなってなったから三国呼ぼうと思って」
完全に桜井くん達の遊び相手・4人目になっている。いささか疑問はあったけれど、桜井くんが軽い足取りで海岸へ向かうのでよしとした。
ザァッと、寄せては返す波の音が段々と大きくなる。ゴールデンウィークの潮風は少し冷たい。磯と潮の香りもまだ薄く、海開きはまだまだ遠いことを五感で理解する。
「三国、ゴールデンウィーク、なにやってんの?」
「えー……と、本読んだり、ピアノ弾いたり……?」
「ピアノ弾けんの?」
「ちょっとだけ」
「すげー! じゃ、今度あれ弾いてよ、『フロッカーズ』の主題歌の」
桜井くんが言っているのは月9ドラマのことだ。見たことはないけれど、音楽番組でその主題歌が特集されているのは見たことがある。主題歌のタイトルは『ありし日の愛し合い』。ピアノで弾けそうなバラードだった。
「楽譜があれば練習するんだけど」
「んァ」
音楽をやっている人間からすれば、それはごく当然のことだったのだけれど、桜井くんの反応はそうではない。ということは、桜井くんは音楽にさっぱり縁がないのだろう。
「ほら、あの主題歌って、ピアノだけじゃなくて、ヴァイオリンとかビオラの音も入ってるでしょ? だからピアノ用にアレンジされた楽譜が必要で」
「あー……。うーん、俺、ピアノの音以外分かんねーから。そっか、そういうのが要るのかあ。じゃ楽譜持ってったら弾いてくれる?」
持って行くってどこに? まさか家に? 頭にはおばあちゃんの家に桜井くんがやってくる図が浮かんだ。アップライトピアノが置いてあるのは、和室ばかりの家の隅っこにある洋室で、私の部屋だ。私の部屋に桜井くんが来る……。
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