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番外編 《シフォンケーキ》
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まさとと出会って、1年が経ち同棲にも慣れてきた頃だった。
今日は日曜日。朝起きてからまさとがなにか台所で作っているみたいだった。
コーヒーの香ばしい香りがだんだんと近づいてくる。
「あ、拓也さん、おはよう。」
今日も天使が挨拶をしてくれた。
ちゅ、っと耳に短くキスをする。
慣れない俺は少し赤くなってしまった。
「...昨日のこと思い出しちゃった、拓也?」
そう意地悪に彼は囁いて、コーヒーを俺に渡してまた台所へ言ってしまった。
「痛たた....」
コーヒーを飲むために起き上がったが、腰が痛くて動けなかった。
昨日は本当に....
俺が残業から帰ってきて直ぐに、俺をベットへ連れていき
「最近できてなくて、俺辛いです...明日は休みなんですよね?だから、しましょ」
と言って直ぐに俺を溶かした。
何十箇所と跡を付けられて、途中できた鈴木からの電話に出ながらしたり、その電話で聞いた話で嫉妬して激しくしてきたり...
「散々だ....まさとぉぁあ」
動けない俺は彼を呼び、少し甘える。
「ちょっと待ってくださいー、」
なんだか不機嫌そうに言う。
「またなんか作ってくれてるの?...来てぇぇぇぇァァァァ」
いつもだったら直ぐに辞めるがなんだか今日は困らせたい気分だった。
足音を立ててまさとが寝室へ来る。
「なんですか...今日はやけに甘えん坊ですね。」
やっぱりちょっと怒っている。
「何作ってるの」
「...今は教えません。」
彼も意地悪してきた。「んんんん...」とおじさんらしからぬ声を出して抱きつく。
「しょうがないですね、もう...」
そう彼は言って、俺の顎をクイッと上げて、
舌を絡めキスしてきた。
「んん...まっ....いや.....んぁぁ...っ」
俺が少しだけ抵抗するが、彼は辞めない。
「拓也さんが煽ってきたんですよ....?」
そう言ってまた台所へ行ってしまった。
まさとが邪魔されたくない時だから多分お菓子だろうな....
今日は何作ってくれるんだろう。
そう思いながら、彼の後ろ姿を眺めていた。
「也さん...?拓也、起きて。」
耳元でまた好きな声が響いた。
寝てしまったみたいだ。
「やっぱり、疲れてます?昨日やりすぎましたね笑」
申し訳なさそうにこちらを見て手を掴んでリビングまで連れこられた。
テーブルの上には少し茶色のシフォンケーキ。それとレモンティーだった。
「なんだっけこれ...シフォ...?」
と言いかけると、
「シフォンケーキです。前にも作ったでしょ」
俺がまた食べたいと言ったことを覚えていたみたいだ。
「そうだったな。はは...」
笑いながら席に着こうとするが椅子がない。
いつもは2個あるはずだが、まさとが座っていて...俺のはない。
テーブルの上にあるレモンティーとシフォンケーキも一つずつしかない。
「椅子は?」
そう聞くと、
「ここ。来てください。」
と言われ、彼の膝の上に彼の方を見て座った。
「....近くない?」
目を逸らしながら聞くと、軽くキスされて
「近くないです」と意地悪な笑みを浮かべながら言ってきた。
すると、シフォンケーキをフォークで切り取り食べさせてくれるのかと思ったらまさとが自分の口へ放り込んだ。
そして、俺の口へそれを移してきた。
「んぐっ.....ぷはっ...」
いつもよりも甘くて、美味しかった....ケーキがな...
「美味しい?」
そう聞いて今度はレモンティーをまた同じように食べさせてきた。
30分くらいかけて1切れのケーキを完食した。
なんだか、毎回お菓子ができると食べ方が変わっている気がする。
初めは普通だったのに、全部あーんだったり、今回は口移し....
いつか、ヤッてる時に食べさせてくるんじゃないかって思っている。
そんなことを考えていると、彼が
「はい、拓也さん。」
と言ってプレゼントを渡してきた。
「なんで...?」
「やっぱり覚えてないんですね...、記念日ですよ、今日。」
仕方ないなぁ、みたいな目をしてこちらを見てくる。
「ありがとう。毎日幸せすぎて忘れてた...もう一年か...」
早いですよね、とまさとは言う。
「まさと....」
俺は彼の名前を呼んで、頬にキスをして、
「愛してるよ」
そう呟いた。
今日は日曜日。朝起きてからまさとがなにか台所で作っているみたいだった。
コーヒーの香ばしい香りがだんだんと近づいてくる。
「あ、拓也さん、おはよう。」
今日も天使が挨拶をしてくれた。
ちゅ、っと耳に短くキスをする。
慣れない俺は少し赤くなってしまった。
「...昨日のこと思い出しちゃった、拓也?」
そう意地悪に彼は囁いて、コーヒーを俺に渡してまた台所へ言ってしまった。
「痛たた....」
コーヒーを飲むために起き上がったが、腰が痛くて動けなかった。
昨日は本当に....
俺が残業から帰ってきて直ぐに、俺をベットへ連れていき
「最近できてなくて、俺辛いです...明日は休みなんですよね?だから、しましょ」
と言って直ぐに俺を溶かした。
何十箇所と跡を付けられて、途中できた鈴木からの電話に出ながらしたり、その電話で聞いた話で嫉妬して激しくしてきたり...
「散々だ....まさとぉぁあ」
動けない俺は彼を呼び、少し甘える。
「ちょっと待ってくださいー、」
なんだか不機嫌そうに言う。
「またなんか作ってくれてるの?...来てぇぇぇぇァァァァ」
いつもだったら直ぐに辞めるがなんだか今日は困らせたい気分だった。
足音を立ててまさとが寝室へ来る。
「なんですか...今日はやけに甘えん坊ですね。」
やっぱりちょっと怒っている。
「何作ってるの」
「...今は教えません。」
彼も意地悪してきた。「んんんん...」とおじさんらしからぬ声を出して抱きつく。
「しょうがないですね、もう...」
そう彼は言って、俺の顎をクイッと上げて、
舌を絡めキスしてきた。
「んん...まっ....いや.....んぁぁ...っ」
俺が少しだけ抵抗するが、彼は辞めない。
「拓也さんが煽ってきたんですよ....?」
そう言ってまた台所へ行ってしまった。
まさとが邪魔されたくない時だから多分お菓子だろうな....
今日は何作ってくれるんだろう。
そう思いながら、彼の後ろ姿を眺めていた。
「也さん...?拓也、起きて。」
耳元でまた好きな声が響いた。
寝てしまったみたいだ。
「やっぱり、疲れてます?昨日やりすぎましたね笑」
申し訳なさそうにこちらを見て手を掴んでリビングまで連れこられた。
テーブルの上には少し茶色のシフォンケーキ。それとレモンティーだった。
「なんだっけこれ...シフォ...?」
と言いかけると、
「シフォンケーキです。前にも作ったでしょ」
俺がまた食べたいと言ったことを覚えていたみたいだ。
「そうだったな。はは...」
笑いながら席に着こうとするが椅子がない。
いつもは2個あるはずだが、まさとが座っていて...俺のはない。
テーブルの上にあるレモンティーとシフォンケーキも一つずつしかない。
「椅子は?」
そう聞くと、
「ここ。来てください。」
と言われ、彼の膝の上に彼の方を見て座った。
「....近くない?」
目を逸らしながら聞くと、軽くキスされて
「近くないです」と意地悪な笑みを浮かべながら言ってきた。
すると、シフォンケーキをフォークで切り取り食べさせてくれるのかと思ったらまさとが自分の口へ放り込んだ。
そして、俺の口へそれを移してきた。
「んぐっ.....ぷはっ...」
いつもよりも甘くて、美味しかった....ケーキがな...
「美味しい?」
そう聞いて今度はレモンティーをまた同じように食べさせてきた。
30分くらいかけて1切れのケーキを完食した。
なんだか、毎回お菓子ができると食べ方が変わっている気がする。
初めは普通だったのに、全部あーんだったり、今回は口移し....
いつか、ヤッてる時に食べさせてくるんじゃないかって思っている。
そんなことを考えていると、彼が
「はい、拓也さん。」
と言ってプレゼントを渡してきた。
「なんで...?」
「やっぱり覚えてないんですね...、記念日ですよ、今日。」
仕方ないなぁ、みたいな目をしてこちらを見てくる。
「ありがとう。毎日幸せすぎて忘れてた...もう一年か...」
早いですよね、とまさとは言う。
「まさと....」
俺は彼の名前を呼んで、頬にキスをして、
「愛してるよ」
そう呟いた。
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