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第六章 【二つの世界】
6-146 剣と盾1
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6-146 剣と盾1
ここは、ステイビルの拠点とさせてもらっている住宅の中。
大きな部屋の中、各種族の代表が集まっている。
ドワーフはイナとニナとサナとデイム、エルフはナルメルと警護の男性エルフ、人間はステイビルとルーシーが代表としてこの場にいる。
そして各属性の神々と、ハルナ、サヤの姿があった。
キャスメルが引き連れてきた軍勢は、それ以上何もせずに全て王都に引き上げていったという。
拠点を監視していたエルフからの情報であり、拠点の構えていた場所にその他の者が行ってみたが特に罠などが仕掛けられた様子はなく、本当に何もせずに戻っていったようだった。
だが、反対にそれがステイビルにとっては心配だった。
キャスメルの性格や今までの行動からして、この村に存在する者たちを全てこの世から消してしまおうとしているのだと告げた。
「――そんなことさせません、絶対に!!」
デイムが声を荒げて、ステイビルに向かっていく。
そして、デイムの言葉にエルフも、力強く頷いて自分たちもキャスメルの好きなようにはさせないと言った。
綿密な作戦を立て、亜人たちの能力を存分に効果的に利用すれば10倍以上の兵力差でも勝利を得ることができるだろう。
それは単純にこの場所の防衛だけを考え、敵を追い返すことだけを目的とするならば……だ。
しかし相手は今回、この村の殲滅を目的としている。
きっと一度追い返し、戦いに勝利をしたとしても、二度三度と何度も仕掛けてくることは間違いない。
戦闘において、こちらの人員が全員無事で済むとは考えられない。
仕掛けてくるたびにこちらの戦力は疲弊し、いずれは制圧されてしまう可能性が高い。
だとすれば、ステイビル側の勝利の条件は、キャスメルが諦めてくれるか……もしくは、キャスメルを倒すこと。
何度となくその結論にたどり着くが、ステイビルは頭を軽く振ってその他の不安要因を解決しようと行動する。
それは、キャスメルが見せた不思議な現象だった。
あの時、雷の矢に貫かれキャスメルの命が絶たれたと誰もが考えていた件について。
「あれは……一体何だったんですか?サヤさんは、その現象についてご存じではないでしょうか?」
「そうだね……じゃあみんな、ちょっとこっちに来て」
「「……?」」
ステイビルたちは、先に建物を出ていくサヤの背中を追い外へ出た。
サヤは、グラキース山の入口の大きな広場で足を止める。
ここは火を放たれた中で一番被害の大きい場所だった、キャスメルたちもグラキース山に住む亜人たちの拠点から援軍を呼ばないようにとこの辺りに強い火をかけたのだと推測していた。
そのため、辺りに危険なものは何もなく、何が起きても大丈夫だと判断をしてサヤはこの場所を選んだ。
「それじゃあ……誰にしようかな……えっと、シュナイド。ちょっとアタシにブレスで攻撃してみて」
『は?え?サヤ様……何をおっしゃって……』
「いいからいいから。もしあたしがやけどしたり死んだとしても、アンタのこと恨みやしないって……さっ、おいで」
そういうとサヤは、背負っていた包みを自分の前に出し、地面に突き刺すように立てた。
大丈夫と言われてもシュナイドは、サヤにブレスをかけることができず戸惑っていた。
「んもっ……じゃあハルナ、アンタがアタシに攻撃してみせてよ」
その言葉にハルナ気軽に応じて、すぐにサヤに対し大きな炎を浴びせかけた。
ここは、ステイビルの拠点とさせてもらっている住宅の中。
大きな部屋の中、各種族の代表が集まっている。
ドワーフはイナとニナとサナとデイム、エルフはナルメルと警護の男性エルフ、人間はステイビルとルーシーが代表としてこの場にいる。
そして各属性の神々と、ハルナ、サヤの姿があった。
キャスメルが引き連れてきた軍勢は、それ以上何もせずに全て王都に引き上げていったという。
拠点を監視していたエルフからの情報であり、拠点の構えていた場所にその他の者が行ってみたが特に罠などが仕掛けられた様子はなく、本当に何もせずに戻っていったようだった。
だが、反対にそれがステイビルにとっては心配だった。
キャスメルの性格や今までの行動からして、この村に存在する者たちを全てこの世から消してしまおうとしているのだと告げた。
「――そんなことさせません、絶対に!!」
デイムが声を荒げて、ステイビルに向かっていく。
そして、デイムの言葉にエルフも、力強く頷いて自分たちもキャスメルの好きなようにはさせないと言った。
綿密な作戦を立て、亜人たちの能力を存分に効果的に利用すれば10倍以上の兵力差でも勝利を得ることができるだろう。
それは単純にこの場所の防衛だけを考え、敵を追い返すことだけを目的とするならば……だ。
しかし相手は今回、この村の殲滅を目的としている。
きっと一度追い返し、戦いに勝利をしたとしても、二度三度と何度も仕掛けてくることは間違いない。
戦闘において、こちらの人員が全員無事で済むとは考えられない。
仕掛けてくるたびにこちらの戦力は疲弊し、いずれは制圧されてしまう可能性が高い。
だとすれば、ステイビル側の勝利の条件は、キャスメルが諦めてくれるか……もしくは、キャスメルを倒すこと。
何度となくその結論にたどり着くが、ステイビルは頭を軽く振ってその他の不安要因を解決しようと行動する。
それは、キャスメルが見せた不思議な現象だった。
あの時、雷の矢に貫かれキャスメルの命が絶たれたと誰もが考えていた件について。
「あれは……一体何だったんですか?サヤさんは、その現象についてご存じではないでしょうか?」
「そうだね……じゃあみんな、ちょっとこっちに来て」
「「……?」」
ステイビルたちは、先に建物を出ていくサヤの背中を追い外へ出た。
サヤは、グラキース山の入口の大きな広場で足を止める。
ここは火を放たれた中で一番被害の大きい場所だった、キャスメルたちもグラキース山に住む亜人たちの拠点から援軍を呼ばないようにとこの辺りに強い火をかけたのだと推測していた。
そのため、辺りに危険なものは何もなく、何が起きても大丈夫だと判断をしてサヤはこの場所を選んだ。
「それじゃあ……誰にしようかな……えっと、シュナイド。ちょっとアタシにブレスで攻撃してみて」
『は?え?サヤ様……何をおっしゃって……』
「いいからいいから。もしあたしがやけどしたり死んだとしても、アンタのこと恨みやしないって……さっ、おいで」
そういうとサヤは、背負っていた包みを自分の前に出し、地面に突き刺すように立てた。
大丈夫と言われてもシュナイドは、サヤにブレスをかけることができず戸惑っていた。
「んもっ……じゃあハルナ、アンタがアタシに攻撃してみせてよ」
その言葉にハルナ気軽に応じて、すぐにサヤに対し大きな炎を浴びせかけた。
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