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第六章 【二つの世界】

6-448 決戦20

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「――あ」


「よけろ!ハルナ!!!」


サヤは、人型の爆風から逃れるために先ほどから見ていた爆発範囲を想定して大きく距離を取った。


「アンタ、なにしてんの!!」

サヤは逃げないハルナに対し、何をしているのかと大きな声が中庭に大きな声が短く響く。
ハルナを爆発から助けようと、サヤは自分のポケットの中に手を伸ばした。だが、その中には空っぽで何一つ望む者は入ってなかった。
その辺りには、サヤが望むモノが落ちているかもしれないが、もうこの状況ではどうすることもできない。
あとはハルナの力に任せるしかなかった。



(――ハルナ!)


サヤは、目を閉じた。なぜかあの日のこと―――自分たちがこの世界に来るきっかけになったことを思い出してしまい、これからハルナに起こりうる出来事に目を背けた。



「……」


こういう時の時間は、ゆっくりとスローモーションのように流れていくことがある。サヤは耳の中に不快な爆発音に対し準備をし、その瞬間を奇跡を祈りながら待っていた。


――ドサ



サヤに聴こえた音は、待ち受けても予想もしていないしていない種類の音だった。

(……?)

その音の正体を確かめるために、サヤはゆっくりと閉じた目を開いた。

「――っ!?」

すると、そこには盾の創造者によって投げられた小さな人型が投げられたダメージを負っているものの、その根本的な肉体にはなんの影響もない状態のため、小さな人型地面に手をついてゆっくりと起き上がる姿が見えた。
その視界の奥には、盾の創造者が自分が意図しない結果となっていることに対してハルナと自分に対して厳しい視線を向けているのが見えた。そこには大きな驚きを見せてはいないが、二人のうちどちらか……いや、この場に戻ってきたハルナが何かをしているということは強い確信を持っているようだった。

今起きた現象の真実を確かめるため、サヤは盾の創造者の動向に注意しながらハルナの元へと向かった。


「……これ、アンタがやったんだろ?」

サヤは地面から立ち上がり、何の命令も受けていないためその場に立ち尽くしている人型を指さしてハルナに聞いた。


「え?……うん。でも、失敗しちゃった。あ、でも次の次くらいは大丈夫だと思う、多分」


サヤはハルナの言葉に不安を感じつつも、”失敗”という言葉が引っ掛かった。


「失敗……って、何に失敗したんだよ?」


その質問はサヤだけではなく、何が起きたのかわからない盾の創造者にも興味を引く内容だった。
二人の圧を感じるような期待に、ハルナは少し怖気づく。だが、これは伝えておく必要があるとハルナはサヤの顔だけを見て、先ほどの質問に答えた。


「うん、本当はあの人型を解放してあげたかったんだ。だけど、ちょっと失敗しちゃって……きゃっ!?」


話の途中で、サヤはハルナの両肩を力強く掴んだ。


「解放するつもりだったって!?そんなことアンタにできるの!?」

「う……うん。っていうか盾の人以外は私しかできないんじゃないかな?だって、あの核になっているのは精霊だもの」
















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