幸せになるための絶対条件

白夜

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14話 笑顔の力

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14話 笑顔の力


鷹司駿side

三人でお好み焼きを食べた。

『美味いだろ?』
彼はにこにこしながら、出来立てのお好み焼きを頬張った。

『うん。美味しいっ!!…あ、すみません。美味しいです。』って、拓人が慌てて訂正した。

いつからだろう…、拓人が俺に敬語を使うようになったのは?

昔は一緒に遊んで、一緒に楽しく過ごしていた。
もちろん一緒にごはんも食べたし、お風呂にだって入ってた。

久しぶりに拓人が楽しそうに笑ってて、彼もすごく笑顔で、なんだか心地よい時間だった。

きっと、彼はみんなをこんな幸せな気持ちに出来る人なんだと思った。

だから、ますます側に置きたくなった。


食べ終わると、
『本題に入るけど、施設の取り壊し止めて欲しい!』と彼が言った。


『一緒に仕事をする人は仲間だから、仲間のお願いなら聞けない事もない』
俺が答えると、

『あいつらに関係ないだろ?あの施設はあいつらの家なんだ!頼む!!』

『関係ない人でしょ?家族でもないし、放っておけば?別に施設が無くなっても、君の給料ならもっといいところに住めるでしょ?あんなボロの施設なんかに住まなくったって別にいいじゃん?何なら、俺が家を貸してあげよっか?』

彼は俺を睨みつけた。

『俺は、あそこがいい!!みんなが居るあそこが俺の家だ!血は繋がっていなくても、一緒に過ごせば、もうそれは家族と一緒なんだ!!』

情に流されている哀れな男だ。

全ては金だ!
金さえあれば、あんな汚い施設で暮らすこともないし、家族ごっこなんてするはずない!



『俺が君にもっといいところ用意してあげるよ♡それとも、一緒に住む?部屋ならたくさんあるし!拓人も一緒に住んでるし、俺の家の方が広くて綺麗だ!』

彼は少し呆れたように言った。
『そういう事じゃない。…わからないのか?』


俺を憐れむ様な目で見る彼に
『で、どうすんの?別に明日返事もらえれば俺はいいけど?わざわざ俺に会いに来たんだから今返事するってことなんでしょ?』と言って、追い打ちをかける。

彼は、少しイラついているみたいだった。

たたみかける様に俺は
『一緒に仕事しなくても、一晩過ごしたら助けてあげよっか?あいつらを!ほら、あの日公園で言ったでしょ?一晩いくら?って!』

なかなか折れない彼の心に、訴えかける。
一緒に仕事をするのが嫌なら、一晩俺と過ごせばいい。

元々、そのつもりだったのだから。

結局、金で買われる男だったというだけのことだ。

『一晩…?』
彼は大きな瞳をさらに大きく見開いた。

『まさか、子供じゃないんだから【一晩】の意味くらい分かるよね?』
俺がにやりと笑うと


『っ//////あっアホっ!ば、馬鹿か!!お前っ!!人前でっ///そんなことっ///』

初心な反応がまた可愛くて、ついついからかいたくなる。

『初めて?』

『初めてなわけあるかっ!!』
彼は顔を真っ赤にして言った。

『初めてじゃないんだぁ~。あぁ~。あの彼とヤってるってことね?まぁ、それなら、別に一回や二回いいんじゃない?減るもんじゃないし、初めてじゃないなら、特別でもないしね!』

『っ//////バカっ!…何言ってんだよ!!』

真っ赤な顔して、一生懸命否定している姿が、今までの頼りになりますって感じとのすごいギャップでなおさら可愛く見えた。

『可愛いっ♡どんな顔して抱かれてるの?俺にも見せてよ?』

『っ//////もう、やめろって!!お前には関係ないだろっ!!』
初心な反応がたまらなく、俺の心をくすぐる。

『関係あるよ!だって、抱いてみたいんだもん。俺、男抱いたこと無いし!!』

『抱いた事無いなら抱けないだろっ!!って、もうこの話おしまい!!こんなところでする話じゃないっ!!』

少しだけ、冷静さを取り戻した彼。

『で?どうすんの?抱かれる?仕事する?…施設壊す?君が選べるよ』

彼の顔はまだ少し赤く、

『わかったっ!!仕事すりゃいいんだろ!!その代わり、アイツらには手を出すなよ!もう、施設は関係ないだろ?俺が仕事すりゃいいんだろ!!それで、気が済んだかっ!!この変人が!』

『わかった。とりあえず。今回は助けてあげるね。でも、これ国の方針だからさぁ~。いつまた取り壊しの話が出るか分からないじゃん?俺と一緒に居た方がいいと思うよ♡事務所の代表の村上さんからは、もう好きにしていいって言われてるからさ♡』

話が済んで、会計に向かうと彼が

『ここは、俺が出すっ!俺が食いたいって言ったから、俺のおごり!!』
って、会計を済ませた。

そんな奴は初めてだった。

金を持っている俺が払うのが当たり前だし、俺も金を持ってる俺が払うのが当たり前だと思っていたから…

車に乗る前に
『支払い…ほんとにいいのか?』って、俺が言うと

『あぁ。別に!当たり前だろ?俺がここがいいって言ったんだから!美味かっただろ?ここマジで美味いから!!』

『でも、金ない奴に払わせるなんて、今までなかったから…』
正直戸惑っている俺がいた。

みんな俺の金でメシを食えばいいと思っている奴らばかりと一緒にメシを食ってきた。

こんなヤツ…初めてだ!


『金がないわけじゃない!ある!!俺、これでも弁護士だから!それに、俺の方が年上だろ?こういう時は、【ご馳走様っ】って言えばいい。わかったか?』

『ご馳走様でしたっ!』
拓人が元気いっぱい可愛らしい笑顔で言った。

俺の好きな拓人の笑顔だった。
拓人も子供の頃はよく笑う元気な男の子だった。それが、いつの間にか執事と主人の関係になって、俺に笑顔を見せなくなった。

『おう!執事の子の方がわかってんじゃん!!』
彼は上機嫌でそう言った。

『…ごち…そうさま…でした…』
そんな事言った事無くて、なんだか気恥ずかしかったけど。

『おう!!』

なんだか頼れるお兄さんみたいで、でも、笑顔が可愛くて、そんな笑顔を見られて幸せだった。

彼を知れば知るほど、彼にハマっていく自分がいた。

今までに会ったことがない、不思議な人。

それが彼、羽柴佑一郎。

彼の笑顔に、なぜか引き込まれる。
今までの、俺じゃなくなるみたいだ。





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