幸せになるための絶対条件

白夜

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18話 キスと過去

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18話 キスと過去


鷹司駿side


最近、溜まっているせいなのか?

薄明りの寝室のせいなのか?
拓人がやたらと可愛く見えた。

恥ずかしそうにするところとか、なんだその反応♡

拓人って可愛いんだな!

そもそも俺は、拓人の顔が好きだし!
明るく元気なところも大好きだった。

でも、いつからだろう?
拓人が、俺に笑顔を見せなくなったのは…

でも、今日羽柴佑一郎と一緒に居るときに見せた笑顔は、昔のままだった。

小さな頃のまま、俺の大好きな笑顔だった。

でも、今俺の目の前にいるのは…

少し頬を染めてやけに色っぽいパジャマ姿の拓人。



これなら男もイけるな♡

『…拓人、もっと、こっち来て。』


声のトーンが少し下がって、拓人を呼んだ。

なぜだろう?
少し緊張するのは…?

全然知らない女とヤる方が、全然緊張しないし、こんなにソワソワしない。

ベッドに座っている俺にゆっくりと近づいて来る拓人。

『…ここに…来て…』

拓人もまた、綺麗な顔立ちをしている。
男らしいというよりも、美少年という中性的な美しさがある。


自分の目の前に立たせると、
いつもの口調と違う俺に、拓人は少し戸惑っているみたいだ。

『俺さ、羽柴佑一郎を気に入ってるんだよ』

一瞬、拓人の顔が強張って

『…はい。…存じ上げております。』と、空気がピリついた。


『男とシた事無くて…』

『はい…存じ上げて…おります…』

『…俺、男を抱いてみたい…』


拓人を真っ直ぐ見つめると、
真っ黒な瞳は昔と同じように輝いていた。

昔はよく見ていた拓人の瞳。
真っ黒で澄んでいて、その瞳に吸い込まれそうだって思ったこともあった。

よく見ていた、拓人の真っ黒な瞳を、見なくなったのは、いつからだろう?


あぁ…そうだ!

拓人に言われたんだ。
「駿様」って…

それまで、【しゅんくん】って、俺を呼んでいて、
いつだって一緒に遊んでたのに…

大好きだった俺の拓人が…
執事になったんだ…。

拓人のお父さんの執事長にも
【駿様、拓人は駿様の執事です。対等な関係ではございません。駿様に仕える身なのです。これからは、執事だと思って接して下さい。】って、言われて…酷くショックだったのを思い出した。

それから、俺は拓人を執事として見るようになって、

あの大好きだった、真っ黒な瞳を見なくなったのだ。


『…たくと…』

気が付いたら、拓人にキスしてた。

拓人の真っ黒な瞳が、涙で揺れていた。

その、真っ黒な瞳からぽろりと大粒の涙が流れて、ふかふかのじゅうたんに落ちるまで、俺は自分がした事に気が付いていなかった。



『え?』

俺は自分にさえも驚いた。
『…俺?…拓人に…』

自分がした事を口に出そうとしたら、流れた涙の痕をサッと手の甲で拭いて、拓人は慌てて言った。

『すみませんっ///…わかりました。男の方を用意しておきます。明日には用意できます。ご要望があれば…そのような方を準備しますっ///…失礼しますっ///』

拓人は早口でそう言うと、俺の寝室を出て行った。


俺は、呆然としていた。


一体、何が起きた?

俺は拓人に何をしたんだ?



自分にも驚いた。

キスするなんて思わなかった。

俺は、あんまりキスが好きじゃないから。

キスなんて、全然気持ちよくないし、どっちかって言えば気持ち悪いっ!

キスしたがる女の気持ちなんて全然わからなかった。

互いの舌を絡め合うなんて…

それなのに…俺、今自分からキスした?

性行為の流れで、キスする事はあっても…行為の前にキスするなんてことは今まで一度も無かった。

今日の俺、やっぱりなにか変だ。

羽柴佑一郎と出会ってから、なんか俺おかしい…。


羽柴佑一郎を抱いたら、どんなだろうってなかなか想像できないけれど…




拓人を抱いたらって、考えたら…


拓人は、きっと、真っ黒な瞳で俺を見つめて…

可愛い顔で、少し恥ずかしそうに微笑むだろう。


だんだん乱れて、綺麗な指や真っ直ぐな鎖骨…
細いウエストに…華奢なカラダ…


拓人との行為を想像するだけで

……カラダが熱くなっていくのがわかった。



これって、拓人を想像して
こんな状態になってるってことだよな?

勃ち上がったソレは完全に刺激を求めていた。
頭に浮かぶのは、さっきまでこの部屋にいた拓人。

いつも俺の隣にいて、昔から知っていて…

拓人をそんな風に見たことなんてなかった。



やっぱり溜まっているのだろうか?


だから、拓人にでも欲情してしまったのだろう?


勃ち上がったソレを沈めるために、ひたすら、頭の中で拓人を抱いた。


男を抱くイメージ、それが拓人だった。


濡れた瞳が可愛くて、俺にすがる拓人が綺麗で…っ///

気が付いたら、あっという間にイっていた。

思春期の男子じゃあるまいし…

たくさん女を抱いて来た俺が?
こんなことをするなんて信じられない!

自慰行為なんて…どれくらい振りだろう。

いつだって簡単に女が手に入って、ヤりたい時はすぐできた。
金で女を買うのは簡単だった。

手に残る生温かい体液…


頭に浮かぶのは、恥ずかしそうな拓人の表情。

そして、真っ黒な瞳から流れ出た、透明な涙。


…拓人は、俺とのキス…

嫌だったのだろうか?

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